2013年6月13日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はアジア市場から欧州市場にかけては買われたものの、
NY市場では株安を手掛かりに円買いが優勢となり、一時95円13銭まで
下落。その後は96円前後まで戻して引ける荒っぽい展開が続く。 - ユーロドルも一段と上昇。ドルが下落する流れを受け、ユーロは
1.3359まで上昇し、約4ヵ月振りの高値を記録。 - 株式市場は前日に続き大幅に続落。公益事業株が下げをけん引し
ダウは126ドル下落。1万5000ドルの大台を割り込む。 - 債券相場は株価が下落したにも拘らず軟調。10年債入札が不調
だったことを受け価格は下落し、長期金利も2.22%台まで上昇。 - 金は15ドル反発し、原油は小幅に上昇。
ドル/円 95.13 〜 96.78 ユーロ/ドル 1.3269 〜 1.3359 ユーロ/円 127.02 〜 128.48 NYダウ −126.79 → 14,995.23ドル GOLD +15.00 → 1,392.00ドル WTI +0.50 → 95.88ドル 米10年国債 +0.043 → 2.228%
本日の注目イベント
- 豪 豪5月雇用統計
- 欧 ECB月例報告
- 欧 クーレ・ECB理事講演
- 欧 アスムセン・ECB理事講演
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 5月小売売上高
ドル円は東京時間では買われて上昇するが、NYに入ると下落する展開が続いています。
昨日の東京時間では大幅な株価下落で始まり、ドル円は96円台前半で推移しましたが、午後株価の下落幅が
縮小すると96円台後半まで円が売られ、欧州時間早朝には一時97円台に乗せる場面もありました。
しかし、NYに入ると流れは一変しています。
特に経済指標の発表に反応したわけでもなく、NY株式市場の下落に歩調を合わせドルは下落。
一時95円13銭まで下落した後、96円前後まで戻して取引を終えています。
この動きは先週末のNYでも同様に見られ、前日も同じような動きでした。
FRBが量的緩和の縮小に動くのではないかという観測は根強く、強い経済指標が出ると「出口戦略」が早まる
といった見方が高まり株価の下落につながり、ドル円はその時の相場観で下落する場合もありますが、「出口」を
意識してドル高円安に振れるケースも見られます。
一方弱めの経済指標が出ると、株価は上昇するものの、米国の景気そのものには悪材料としてドル売りにつながる
ケースもあります。
株価と為替が強い関係を見せている基本形が時には崩れる時もあり、投資家を混乱させています。
「出口」を巡る混乱がそれらの動きを引き起こしていますが、米長期金利の上昇傾向はドル円の下落を
サポートすることになり、一方的に円を買うわけにもいきません。
非常に先行きが読みにくい相場が続いているということです。
それでも足元の動きを見れば、ドル円の上値が徐々に重くなっていると言えます。問題はどこまでドルが
下落するのかという点です。
下値の重要なポイントは「95円の壁」ということになります。
先週末には一時95円をわずかに割り込む場面もありましたが、それは「誤差」の範囲で、この節目を割り込むか
どうかが、今後の相場展開を読む上でも重要です。
昨日のドルの下落も95円目前で折り返しています。
これはちょうど、その位置に「日足」の120線があり、これが機能したものですが、この重要なサポートも
含めて、「95円割れ」は大きな意味を持ちそうです。
本日も日経平均株価は前日比マイナスで始まりそうです。
下落幅が300−500円に拡大するようだと、ドル円は再び下値を試す動きを見せそうです。
その際、95円台半ばを割り込むのか、そして95円の節目を維持できるのかが確認できそうです。
今回の下落局面で、東京時間では95円台はほとんど経験していません。
それだけに実需を含めたドル買い意欲も見られるかもしれません。
仮にドルの下落が進めば日経平均株価も一段と下落する恐れがあります。
11日の日銀決定会合後の記者会見で黒田総裁は、期間1年超の資金供給オペ導入について「将来、必要になったら
検討する」と、追加策の導入を見送りました。
円高がさらに進み、株価が下落すれば導入が「必要」なタイミングと言えるかもしれません。
本日は米小売売上高が発表されます。
この指標も上述のように、市場予想よりも強めであれば株価の下落につながる可能性もあります。
日本の株価が大幅な調整を見せる中でも、比較的堅調に推移していたNYダウは昨日大台の1万5000ドルを
割り込みました。
連日過去最高値を更新し続けてきただけに、一旦調整モードに入ると株価の大幅下落は避けられません。
そうなると1万3000ドル程度までの下落も考えられます。
NYダウの大幅下落は世界の株式市場に下落圧力を加え、日経平均も相当な調整を余儀なくされます。
来週18−19日にFOMCが開かれ、バーナンキ議長の会見も予定されてます。
金融緩和縮小に伴う「副作用」が予想外に大きいことも考えられ、バーナンキ議長からは「緩和縮小」に前向きな
発言は出にくいと、個人的には考えていますがどうでしょうか・・・。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 5/3 | ラッカー・リッチモンド連銀総裁 | 「米金融当局は過去数年間にわたり非常に努力しているが、実質的な経済成長を改善することはできそうもない。これ以上バランスシートを拡大すれば景気刺激策を解除する際の『出口戦略』に伴うリスクを助長することになる」講演で。 | 5/6 | ドラギ・ECB総裁 | 今後数週間以内に発表されるユーロ圏の全ての経済統計を注視し、必要であれば再び行動する用意がある」「定例政策員会は初めて下限政策金利である中銀預金金利をゼロ未満に引き下げる可能性についてオープンに議論することを決定した」ローマでの講演で。 | 5/9 | プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「早ければ次回FOMCで縮小着手することが望ましい」量的緩和に関して記者団に。 | 5/16 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「われわれは早ければ夏にも、債券購入ベースを幾分減速し、すべてが期待通りに進めば今年の遅い時期にプログラムを終了する」オレゴン州ポートランドの講演で。 | 5/20 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「現在のところ金融政策は適切だ」「インフレが当局の目標に近づくことを望んでいる」講演で。 | 5/22 | バーナンキ・FRB議長 | 「時期尚早の金融引き締めは、金利の一時的な上昇につながる可能性があるものの、他に景気回復の減速や腰折れ、またインフレの一段の低下を招く大きなリスクも伴う」「(労働市場が)本質的かつ持続的な形で改善すれば、今後数回の会合で債券購入のペース減速を決定することもあり得る」議会証言で。 | 6/3 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「早ければこの夏にも、当局の購入プログラムに対する何らかの調整、恐らく下方向への幾分の調整があり得ると思う」「購入プログラムは景気の勢いを強めるという大きな成果を上げており、年後半に入っても継続されることが望ましい。しかし、事態が良くなっている場合は、年末までに終了することも想定外ではない」講演で。 |
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。
本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
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外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



