今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]



2013年6月14日(金)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • アジア市場でのドルの急落を受け、NY市場でも93円台後半までドル安が
    進んだ。しかし、米株式市場が急反発したことや、WSJ紙が、米通貨当局は市場の
    利上げ期待を後退させる可能性があると報じたことを受けドル円は上昇に転じ、
    95円台半ばまでドル高が進行。
  • ユーロドルはユーロ円の動きを引っ張られる展開。1.32台後半から1.33台後半
    で推移し、ユーロドル自体に材料はなく動きも限定的。
  • 株式市場は、朝方軟調に始まったものの利上げ観測の後退や、世界的な株価の下落から
    出口戦略の時期が遅れるとの観測もあり上昇。ダウは180ドル高と1万5100ドルまで
    回復。
  • 債券相場は反発。利上げ観測の後退や経済指標の結果を受け価格は上昇し、10年債
    利回りは低下。
  • 金は反落し、原油価格は続伸。
  • 新規失業保険申請件数 → 33.4万件
  • 5月小売売上高 → +0.6%
    ドル/円93.92 〜 95.53
    ユーロ/ドル1.3279 〜 1.3380
    ユーロ/円124.96 〜 128.08
    NYダウ+180.85 → 15,176.08ドル
    GOLD−14.20 → 1,377.80ドル
    WTI+0.81 → 96.69ドル
    米10年国債−0.079 → 2.149%



    本日の注目イベント

  • 日   日銀金融決定会合議事要旨(5/21 22日分)
  • 欧   ユーロ圏5月消費者物価指数(改定値)
  • 米   5月生産者物価指数
  • 米   1−3月経常収支
  • 米   5月鉱工業生産
  • 米   5月設備稼働率
  • 米   6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)





昨日の動きは、落ちるところまで落ちた感のするドル円でした。


日経平均株価が843円と、今年2番目の大幅安を演じたことに呼応して、ドル円は東京市場が引けた直後に


94円を割り込み、93円80銭近辺までドル安円高が進行しました。


5月の円最安値から「約10円」も円高が進んだことになります。





当社にも個人投資家からの問い合わせも多く、「ドル円はどこまで下げるのか?」という内容がほとんどでした。


95円の節目を大きく切ったため、下値のメドが見えなくなっていましたが、「敢えて探せば、4月4日の異次元緩和」


を決めた直前の水準である、93円前後かもしれない」と答えるのが精いっぱいの状況でした。


黒田総裁が「質的にも量的にも異次元」と言葉を添えた大規模緩和が実施される前の水準は、92円80−90銭です。





日経平均株価が800円を超える下げを見せ、引け値で1万2400円台まで下げたことで、注目はNY株式市場への


影響でした。


このところの円高ドル安への進行は、全てNY市場で方向付けられたもので、NY株式市場がもう一段下げたら


ドル円への影響も避けられないからです。


幸いNY株式市場が急反発を見せたことで、ドル円は93円台後半を底値に急速なドル買い戻しに95円台半ばまで


反発し、ひとまず「やれやれ」といったところです。





これで93円台が短期的な底値である可能性が出てきましたが、当然ですが金融市場のボラティリティーは依然として高く、


今後も乱高下は続くと思われます。


株価との相関は高く、株価が落ち着いてくればドル円も落ち着きを取り戻すと思われますが、下値への警戒はまだ必要です。


相場は上がっても下がっても常に「オーバーシュート」(過剰反応)するものです。


2012年9月の円高のピークは77円12銭です。


そこから今年5月には103円74銭まで円安が進行したわけですが、この間の値幅は26円62銭ということになります。





「フィボナチオ・リトリースメント」を用いて下値のメドを計算すると、「31.8%」の下落は95円27銭で、


これは既に割り込みました。


「50%」の下落は90円43銭といういうことになります。


この水準までにはまだ相当値幅がありますが、最大下げて90円台という「目安」にはなりそうです。


因みに、日経平均株価の方は概ね8000円台から上昇が始まって、1万6000円手前まで上昇したことから、


「50%」の下落は1万2000円程度ということになります。





ドル円が急反発したことで、全てのクロス円は反転しています。


来週のFOMCが今後の最大の注目イベントですが、昨日ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたように


これだけ世界的に株価の調整が続いたことで、FRBは市場で観測されている量的緩和縮小を先送りする可能性もでてきた


と思われます。


「出口」に向けて舵を切り直せば、その影響が出て来ることは十分予見されます。


ただ、それでもまだ具体的な議論が進んでいない状況の中で、金融市場には相当な「激震」が起こっています。


これはFRBが想定している以上の影響ではないでしょうか。


慎重なバーナンキ議長は、しばらくは市場を落ち着かせ、その中で徐々に「量的緩和縮小」の可能性を市場に


認識させるような政策を取るのではないかと予想します。


3回に渡る量的緩和は過去に例のない「非常手段」だったわけで、それだけに正常に戻すには想定以上の「副作用」も


出てきます。


来週のバーナンキ議長の発言に注目です。





本日の日経平均株価は昨日の大幅下落の反動もあり、大きく値を戻すと予想されます。


ドル円も戻り上値を試す展開かと思いますが、「1時間足」では96円近辺に「雲の下限」があることから、このあたりが


上昇のメドになりそうです。


下値の方は95円台を固められるかどうかです。





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金融市場の混乱が続いていますが、下がり続ける相場はありません。


足元の乱高下は、投資家心理が極端に不安に陥っていることに起因しています。


それにしても昨日のNYダウの大幅反発には「ほっとした」というのが正直な感想です。


日経平均が今年2番目の下げ幅を記録しても、NYダウは切り返してきました。


これが逆にNYダウが今年2番目の下げ幅を演じたら、果たして日本の株式市場はどのような


反応を見せるのでしょうか?


想像するだけでも「ぞっとします」。


良い週末を・・・・。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
5/3 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「米金融当局は過去数年間にわたり非常に努力しているが、実質的な経済成長を改善することはできそうもない。これ以上バランスシートを拡大すれば景気刺激策を解除する際の『出口戦略』に伴うリスクを助長することになる」講演で。
5/6 ドラギ・ECB総裁 今後数週間以内に発表されるユーロ圏の全ての経済統計を注視し、必要であれば再び行動する用意がある」「定例政策員会は初めて下限政策金利である中銀預金金利をゼロ未満に引き下げる可能性についてオープンに議論することを決定した」ローマでの講演で。
5/9 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 「早ければ次回FOMCで縮小着手することが望ましい」量的緩和に関して記者団に。
5/16 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「われわれは早ければ夏にも、債券購入ベースを幾分減速し、すべてが期待通りに進めば今年の遅い時期にプログラムを終了する」オレゴン州ポートランドの講演で。
5/20 エバンス・シカゴ連銀総裁 「現在のところ金融政策は適切だ」「インフレが当局の目標に近づくことを望んでいる」講演で。
5/22 バーナンキ・FRB議長 「時期尚早の金融引き締めは、金利の一時的な上昇につながる可能性があるものの、他に景気回復の減速や腰折れ、またインフレの一段の低下を招く大きなリスクも伴う」「(労働市場が)本質的かつ持続的な形で改善すれば、今後数回の会合で債券購入のペース減速を決定することもあり得る」議会証言で。
6/3 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「早ければこの夏にも、当局の購入プログラムに対する何らかの調整、恐らく下方向への幾分の調整があり得ると思う」「購入プログラムは景気の勢いを強めるという大きな成果を上げており、年後半に入っても継続されることが望ましい。しかし、事態が良くなっている場合は、年末までに終了することも想定外ではない」講演で。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。




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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和