2013年6月17日(月)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米経済指標が軟調だったことや、IMFが米金融緩和政策は少なくとも
年末まで継続されるとの見通しを発表したことから、ドルを売って円を買う
動きが優勢となる。ドル円は一時93円台後半まで円高が進み、94円20銭
前後で引ける。 - ユードロは堅調に推移。経済指標がまちまちだったことからドルが下落。ユーロドルは
1.33から1.33台半ばで推移。 - 株式市場は軟調。IMFが米経済成長率予想を引き下げたことが影響し、ダウは
105ドル安。 - 債券相場は堅調。米金融当局が資産購入プログラムのペースを減速させるとの観測は
行き過ぎとの見方が広がり債券価格は上昇。 - 金は反発。原油は3日続伸。
- 1−3月経常収支 → −1061億ドル
- 5月鉱工業生産 → ±0.0%
- 5月設備稼働率 → 77.6%
- 6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 82.7
- 5月生産者物価指数 → +0.5%
ドル/円 93.98 〜 95.33 ユーロ/ドル 1.3295 〜 1.3350 ユーロ/円 125.17 〜 127.00 NYダウ −105.90 → 15,070.18ドル GOLD +9.80 → 1,387.60ドル WTI +1.16 → 97.85ドル 米10年国債 −0.019 → 2.130%
本日の注目イベント
- 欧 G8(18日まで、北アイルランド)
- 欧 ユーロ圏4月貿易収支
- 米 6月NY連銀製造業景況指数
- 米 6月NAHB住宅市場指数
値幅を伴い、不安定な動きを続けるドル円は先週末のNY市場で再び94円を割り込む場面がありました。
95円台までは値を戻すものの、上値を徐々に重くする展開が続いています。
IMFは現行の米金融当局が毎月の大規模な債券購入を少なくとも年末までは継続するとの見通しを示しました。
同時に、IMFは金融市場の混乱を回避するために「出口戦略」を慎重に運営するよう米金融当局に求めました。
IMFは米経済に関する年次審査報告を14日に公表し、同報告の最終節では、「出口が近づくに伴い長期金利が
突然かつ持続的に変動し、金利のボラティリティーが過剰になるリスクを軽減するためには、出口戦略に関する
効果的な対話や開始時期の慎重な調整が重要になる」と記述しています。(ブルームバーグ)
IMFが米金融当局にこのような勧告をすることは異例で、このところの金融市場の混乱は米「出口」を巡る
議論が主因であるとの認識を示したことになります。
この報告が明日から始まるFOMCにどのような影響を与えるのか、とりわけバーナンキ議長が記者会見で
どのような認識を示すのかが注目されます。
今回の混乱は5月に同議長が「経済指標次第では資産購入の縮小の可能性もある」と発言したことがきっかけでした。
しかし、議長はそれ以前にも「縮小も拡大もあり得る」とも発言しており、「縮小」だけが一方的に注目された
格好になっています。
米景気が回復すれば、異常な金融政策とは決別し、正常な金融政策に戻す「出口」を模索するのは当然で、
議長は一般論として「縮小もあり得る」と発言したものとも思われます。
しかもその「縮小」は経済指標次第という条件付きです。
その経済指標はと言うと、5月の雇用統計では雇用者数は16.5万人と、市場予想を上回っていたものの、
失業率は7.6%と、悪化していました。その後の経済指標を見ても強弱まちまちで、決して「資産購入縮小」を
促すものだけではありません。
今週の最大の注目点はバーナンキ議長の記者会見です。
FOMCでの政策変更はさすがに今回は見送られるものと思われますが、その後の記者会見で議長が「量的緩和縮小」に
どこまで慎重な姿勢をみせるかという点です。
5月の発言以来市場は相当混乱していることを考えれば、個人的には、議長は行き過ぎた「緩和縮小観測」を牽制
する姿勢をみせるのではないかと予想しています。
仮にそのような発言があれば、株式市場が好感し、株高から「リスクオン」の状況に戻り、ドル高円安に振れることも
考えられます。
もっとも「出口」が遠のくこと自体は、ドル安円高要因と捉えることも出来るため、その反応を巡ってはいまいち
予想が難しく、このあたりが足元の相場のブレを大きくしているようにも思えます。
それでも株式市場の混乱が為替市場にも大きな影響を与えていることは事実で、株式市場の安定が為替市場の安定に
つながることは想像に難くありません。
週明けの本日も株式市場の動向を見ながらドル円が上下しそうです。
先週末のシカゴ先物市場では日経平均株価が下落したことから、本日も軟調な展開が予想されます。
それに伴ってドル円が売られる場面があろうかと思いますが、先週末のNYの円の高値である93円98銭を割り込むと
円買いが優勢になりそうです。
円買いが加速した場合、4月4日の「日銀による異次元の金融緩和」が実施された直前の水準である、92円80−90銭
あたりが下落の一つのメドと見ています。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 5/3 | ラッカー・リッチモンド連銀総裁 | 「米金融当局は過去数年間にわたり非常に努力しているが、実質的な経済成長を改善することはできそうもない。これ以上バランスシートを拡大すれば景気刺激策を解除する際の『出口戦略』に伴うリスクを助長することになる」講演で。 | 5/6 | ドラギ・ECB総裁 | 今後数週間以内に発表されるユーロ圏の全ての経済統計を注視し、必要であれば再び行動する用意がある」「定例政策員会は初めて下限政策金利である中銀預金金利をゼロ未満に引き下げる可能性についてオープンに議論することを決定した」ローマでの講演で。 | 5/9 | プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「早ければ次回FOMCで縮小着手することが望ましい」量的緩和に関して記者団に。 | 5/16 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「われわれは早ければ夏にも、債券購入ベースを幾分減速し、すべてが期待通りに進めば今年の遅い時期にプログラムを終了する」オレゴン州ポートランドの講演で。 | 5/20 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「現在のところ金融政策は適切だ」「インフレが当局の目標に近づくことを望んでいる」講演で。 | 5/22 | バーナンキ・FRB議長 | 「時期尚早の金融引き締めは、金利の一時的な上昇につながる可能性があるものの、他に景気回復の減速や腰折れ、またインフレの一段の低下を招く大きなリスクも伴う」「(労働市場が)本質的かつ持続的な形で改善すれば、今後数回の会合で債券購入のペース減速を決定することもあり得る」議会証言で。 | 6/3 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「早ければこの夏にも、当局の購入プログラムに対する何らかの調整、恐らく下方向への幾分の調整があり得ると思う」「購入プログラムは景気の勢いを強めるという大きな成果を上げており、年後半に入っても継続されることが望ましい。しかし、事態が良くなっている場合は、年末までに終了することも想定外ではない」講演で。 |
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。
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外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



