今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]



2013年6月20日(木)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • バーナンキ議長が会見で、量的緩和縮小の時期について言及したことから
    金融政策がいよいよ変更されるとの見方が広がり、ドル円は直後に97円台まで
    ドル高円安が進む。引けにかけては円の下げ幅が縮小され96円40−50銭で
    取引を終える。
  • FOMC及びその後の議長の会見を受けドル高が進んだことからユーロは急落。
    1.34台前半から1.32台半ばまでユーロが売られる。ドルは主要通貨に対して
    全面高の展開。
  • 「出口戦略」が早まるとの見方から株価は大幅下落。ダウは206ドル安と、
    ここ2日間の上げ幅を吐き出す。
  • 債券相場も急落。バーナンキ議長が年末までの資産購入のペースを縮小する
    可能性があると発言したことに反応。10年債利回りは急上昇し、約1年3ヵ月
    ぶりとなる2.35%台まで上昇。
  • 金は3日振りに反発。原油は反落。
    ドル/円94.96 〜 97.03
    ユーロ/ドル1.3262 〜 1.3417
    ユーロ/円127.17 〜 128.76
    NYダウ−206.04 → 15,112.19ドル
    GOLD+7.10 → 1,374.00ドル
    WTI−0.20 → 98.24ドル
    米10年国債+0.170→ 2.355 %



    本日の注目イベント

  • 日   4月景気動向指数(改訂値)
  • 中   中国6月HSBC製造業PMI(速報値)
  • 独   独5月生産者物価指数
  • 独   独6月製造業PMI(速報値)
  • 独   独6月サービス業PMI(速報値)
  • 欧   ユーロ圏6月サービス業PMI(速報値)
  • 欧   ユーロ圏6月製造業PMI(速報値)
  • 欧   ユーロ圏財務相会合
  • 欧   ユーロ圏6月消費者信頼感指数(速報値)
  • 米   新規失業保険申請件数
  • 米   5月中古住宅販売件数
  • 米   5月景気先行指標総合指数
  • 米   6月フィラデルフィア連銀製造業指数





「入手するデータがこの経済予測と大まかに一致すれば、年内に購入ペースを緩めるのが適切だと委員会は


現在の所見込んでいる」「その後のデータもわれわれの現在の経済予想と大まかに沿う状況が続けば、来年上期に


かけて慎重にステップを踏みながら購入ペースの減速を続け、年半ばごろには購入を終了させる」。注目された


FOMC後の記者会見で、バーナンキ議長はこのように説明しました。





現在、毎月850億ドルの資産購入を実施しているが、景気回復がこのまま続けば年後半にも、資産購入の縮小に


踏み切り、来年半ごろには購入を終了するという明確なメッセージを示しました。


バーナンキ議長は先月の議会証言で、購入ペースの縮小に初めて言及しましたが、今朝方の会見ではその時期についても


明確に示した点が、これまでとは大きく異なる点で、FRBが景気に対する強い自信を持っていることが伺えます。





またこれに先立つFOMCでも、「景気と労働市場の下振れリスクが昨年秋以降少なくなってきた」とし、さらに


経済予測では「2014年末までに失業率は6.5−6.8%に低下する」との見方も示しました。


これらを受け、金融市場は大きく動きました。


米債券が大幅に下落したため、長期金利は約1年3ヵ月振りに2.35%台まで上昇しました。


米金利の上昇はドル高円安要因となるため為替市場ではドル円が一時97円台まで上昇し、ユーロドルも大幅なユーロ安


が進んでいます。





金融緩和縮小は株価にとってもマイナス要因であるため、NYダウは200ドルを超える下げを見せ、いよいよ


リーマンショック以降続いてきた「非伝統的な金融政策」の終焉が近づいたことになります。


ただ、バーナンキ議長は緩和時期について明確なタイミングを示すと同時に、「政策に関する私の発言で、資産購入が


来年半ばに終わると結論付けるのは間違いだ。資産購入は景気回復に関係しているからだ。景気がわれわれの予想通りに


回復しなければ、追加の支援策を実施するだろう」とも語り、市場が過度に反応することを牽制することも忘れてはいません。


これまでに何度もこの欄で述べて来ましたが、景気回復が進み「出口」に向かう米国と、「出口」が全く見えない日本との


差がいよいよ明らかになって来たわけです。





米長期金利が急騰したことでドル円も一時97円台までドル高が進行しましたが、「4時間足」までの短い足では全て


上昇トレンドが形成されています。


「日足」が転換するには98円台乗せが必要ですが、これで過度な円高観測はやや後退しそうです。


すぐに100円台を回復することはないにしても、時間を掛け、もみ合いながらも100円方向に向かうと予想しています。





注意したいのがやはり株式市場の動向です。


昨日のNYダウは200ドルを超す下げで、本日の日経平均株も下落が予想されます。


ただ、為替がドル高円安方行に振れているため、輸出株を中心に急激な株価の下落は考えにくいと思われます。


NY株式市場は金融緩和終了観測の高まりを嫌気して大幅に下落しましたが、金融緩和終了や金利の上昇は株価にとっては


マイナスですが、それだけで常に株価が下落するわけではありません。


今後米金利は緩やかに上昇して行くと予想されますが、それらはいずれ株式市場が吸収していくはずです。


足元の金利水準が異常に低いだけで、株価は企業業績の拡大などを反映して拡大して行くと予想しています。


米株式市場の腰の強さは過去の歴史が物語っている通りです。





本日も日本の株式市場が「NYダウ急落」と「円の大幅安」をどのように消化して行くかがポイントです。


株価がNYダウに追随するようだと再び95円台もあり得ますが、粘り腰を見せるようだと97円台に乗せ、


NYの高値を更新することも考えられます。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
5/3 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「米金融当局は過去数年間にわたり非常に努力しているが、実質的な経済成長を改善することはできそうもない。これ以上バランスシートを拡大すれば景気刺激策を解除する際の『出口戦略』に伴うリスクを助長することになる」講演で。
5/6 ドラギ・ECB総裁 今後数週間以内に発表されるユーロ圏の全ての経済統計を注視し、必要であれば再び行動する用意がある」「定例政策員会は初めて下限政策金利である中銀預金金利をゼロ未満に引き下げる可能性についてオープンに議論することを決定した」ローマでの講演で。
5/9 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 「早ければ次回FOMCで縮小着手することが望ましい」量的緩和に関して記者団に。
5/16 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「われわれは早ければ夏にも、債券購入ベースを幾分減速し、すべてが期待通りに進めば今年の遅い時期にプログラムを終了する」オレゴン州ポートランドの講演で。
5/20 エバンス・シカゴ連銀総裁 「現在のところ金融政策は適切だ」「インフレが当局の目標に近づくことを望んでいる」講演で。
5/22 バーナンキ・FRB議長 「時期尚早の金融引き締めは、金利の一時的な上昇につながる可能性があるものの、他に景気回復の減速や腰折れ、またインフレの一段の低下を招く大きなリスクも伴う」「(労働市場が)本質的かつ持続的な形で改善すれば、今後数回の会合で債券購入のペース減速を決定することもあり得る」議会証言で。
6/3 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「早ければこの夏にも、当局の購入プログラムに対する何らかの調整、恐らく下方向への幾分の調整があり得ると思う」「購入プログラムは景気の勢いを強めるという大きな成果を上げており、年後半に入っても継続されることが望ましい。しかし、事態が良くなっている場合は、年末までに終了することも想定外ではない」講演で。
6/19 バーナンキ・FRB議長 「その後のデータもわれわれの現在の経済予想と大まかに沿う状況が続けば、来年上期にかけて慎重にステップを踏みながら購入ペースの減速を続け、年半ばごろには購入を終了させる」FOMC終了後の記者会見で。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。




※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和