今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]



2013年6月21日(金)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 前日のFOMCを受け米長期金利が大幅に上昇したことからドル円は
    欧州時間に98円28銭まで上昇。NY時間では株価が前日に続き急落した
    ことからリスク回避の円買いも入り97円10銭まで下落し、円の高値圏で
    引ける。
  • ユーロドルも1.32台から1.31台まで下落。ユーロ円が一時130円
    近辺まで戻る場面ではユーロドルも上昇したがその後反落。
  • 株式市場はほぼ全面安。FRBが緩和縮小に動くことを明確にしたことから
    過剰流動性による株高は期待できないとの見方が広がり売り物が殺到。ダウは前日比
    353ドル安と今年最大の下げ幅を記録。
  • 債券相場も大幅に続落。10年債利回りは2.42台までで上昇し、約2年10ヵ月
    振りの水準まで上昇し、ドル高円安を誘因。
  • 金融緩和停止から資金流入が減るとの見方から金も大幅安。前日比87ドル下げ
    2010年9月以来となる1286ドル台まで下落。原油価格も大幅安で95ドル台に。
  • 新規失業保険申請件数 → 35.4万件
  • 5月中古住宅販売件数 → 518万件
  • 5月景気先行指標総合指数 → +0,1%
  • 6月フィラデルフィア連銀製造業指数 → 12.5
    ドル/円97.10 〜 98.23
    ユーロ/ドル1.3161 〜 1.3240
    ユーロ/円128.21 〜 129.81
    NYダウ−353.87 → 14,758.32ドル
    GOLD−87.80 → 1,286.20ドル
    WTI−2.84 → 95.40ドル
    米10年国債+0.066→ 2.421%



    本日の注目イベント

  • 日   黒田総裁講演
  • 欧   EU財務相会合
  • 欧   ECB、LTRO返済予定額発表
  • 加   カナダ5月消費者物価指数
  • 加   カナダ4月小売売上高





前日のFOMCの決定と、その後のバーナンキ議長の会見を受け金融市場では激震が走っています。


「年内にも量的緩和を縮小する可能性がある」との明確なメッセージが示されたことで、株安、債券安、ドル高が


急速に進行し、これまで「金融緩和」という過剰流動性に支えられてきた市場で、資金の「逆流」が起きています。





株式市場では資金流入が今後細るとの見方から利益確定の売り物が膨らみ、昨日のダウは今年最大の下げ幅を記録。


ここ2日間では560ドルの下げを見せ、1万5400ドルと、過去最高値に近い水準から一気に1万4700ドル台まで


下落しています。


日経平均株価が大幅下落を見せても、堅調に推移していたNY株式市場でしたが、懸念していた様に、ついに「本家」が


大幅な調整局面入りした可能性が高いと思われます。


特に大手機関投資家などはこのところの債券価格の急落で「損出を」を抱えており、「債券の損を、利益の出ている株で


穴埋めしている状況」と、NYに住む友人は話してくれました。


確かに、株価は5月7日に過去最高値の1万5000ドル台に乗せ、その後さらに上昇していたことを考えると、


相当利が乗っていると思われ、彼の話もそれほど誇張ではない様に思えてきます。





通常リスク資産の株が売られれば、安全資産の債券は買われますが、「金融緩和政策」の転換は異常な相場変化を


もたらします。


債券相場はさらに大幅に下落し価格が低下したため、長期金利は昨日、2.42%台まで上昇して引けています。


この金利水準は実に2年10カ月振りのことで、安全資産も、リスク資産も大幅な下落を見せる、いわば政策変更に伴う


「副作用」に悩まされている状況と言えます。





ただ、このまま株安債券安が続くことはなく、株式はある程度の調整が済めば、PER(株価収益率)など割り安感が


でれば上昇に向かいます。


また、米企業のイノベーションは想像以上に強く、企業業績の高まりが株価を押し上げる状況になると考えられます。





債券が大幅に売られたことで、米長期金利は急上昇し、これがドル円のサポート材料になっています。


FOMCの結果発表前には95円近辺で推移していたドル円は、昨日の欧州市場では98円28銭まで、3円以上も上昇


しました。


もっとも、その後はさすがに反落していますが、この水準は「4時間足」の120日線でちょうど頭を抑えられた格好になって


いますが、株価が急落したことも影響しています。





株価の下落は通常ドル円では「ドル売り円買い」に作用します。


一方、債券価格の下落は「ドル買い円売り」に働きます。


昨日のアジア市場から欧州市場にかけて円売りが急激に進んだのも、この債券の利回り上昇に反応したものと思われます。


それでもNY株式市場が激しい下落を見せると円が徐々に買われ円高ドル安に振れた展開は、ある意味想定内とも言えます。





本日もNYダウの大幅安を受け、日経平均株価は下落基調を強めると見られます。


ドル円もその動きに反応すると、96円台半ば辺りまでの円高があるかもしれません。


米長期金利は高止まりするとみられることから、結局NY株式市場が安定すればドル円が上昇トレンドに入る可能性が高い


と予想出きます。


バーナンキ議長がコメントしたように、量的緩和縮小が必ずしも政策金利引き上げを意味するものではないわけですが、


今後は米経済指標が発表されるたびに一喜一憂する展開が予想されます。





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金融市場は大きな値幅を伴って混乱しています。


リーマンショック以降、市場に膨大な資金が供給されたことがその動きを


大きくしていますが、最先端のITを駆使した取引もさらに値動きを加速させています。


今や「ホットマネー」に国境はありません。


われわれは大量の資金が瞬時に移動する「マネー戦争」の戦場地にいるわけです。


良い週末を・・・・。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
5/3 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「米金融当局は過去数年間にわたり非常に努力しているが、実質的な経済成長を改善することはできそうもない。これ以上バランスシートを拡大すれば景気刺激策を解除する際の『出口戦略』に伴うリスクを助長することになる」講演で。
5/6 ドラギ・ECB総裁 今後数週間以内に発表されるユーロ圏の全ての経済統計を注視し、必要であれば再び行動する用意がある」「定例政策員会は初めて下限政策金利である中銀預金金利をゼロ未満に引き下げる可能性についてオープンに議論することを決定した」ローマでの講演で。
5/9 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 「早ければ次回FOMCで縮小着手することが望ましい」量的緩和に関して記者団に。
5/16 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「われわれは早ければ夏にも、債券購入ベースを幾分減速し、すべてが期待通りに進めば今年の遅い時期にプログラムを終了する」オレゴン州ポートランドの講演で。
5/20 エバンス・シカゴ連銀総裁 「現在のところ金融政策は適切だ」「インフレが当局の目標に近づくことを望んでいる」講演で。
5/22 バーナンキ・FRB議長 「時期尚早の金融引き締めは、金利の一時的な上昇につながる可能性があるものの、他に景気回復の減速や腰折れ、またインフレの一段の低下を招く大きなリスクも伴う」「(労働市場が)本質的かつ持続的な形で改善すれば、今後数回の会合で債券購入のペース減速を決定することもあり得る」議会証言で。
6/3 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「早ければこの夏にも、当局の購入プログラムに対する何らかの調整、恐らく下方向への幾分の調整があり得ると思う」「購入プログラムは景気の勢いを強めるという大きな成果を上げており、年後半に入っても継続されることが望ましい。しかし、事態が良くなっている場合は、年末までに終了することも想定外ではない」講演で。
6/19 バーナンキ・FRB議長 「その後のデータもわれわれの現在の経済予想と大まかに沿う状況が続けば、来年上期にかけて慎重にステップを踏みながら購入ペースの減速を続け、年半ばごろには購入を終了させる」FOMC終了後の記者会見で。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。




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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和