2013年6月27日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は98円台では上値が重いものの、底堅い動きが続き
終始97円台でもみ合う。米長期金利の低下でドル売りが優勢だった
ものの、株高から「リスクオフ」がやや後退し、97円台後半で引ける。 - ユーロドルは約1ヵ月振りに1.30台を割り込む。ドラギECB総裁
が緩和を継続すると述べたことが材料視された。 - 株式市場は大幅に続伸。第1四半期GDPが下方修正されたことで緩和が 継続されるとの見方が株価を押し上げた。ダウは149ドル高で 1万4900ドル台を回復。
- 債券相場は8日振りに反発。1−3月のGDP下方修正を受け買い戻しが
入り、長期金利は2.54%台まで低下。 - 金は大幅安。緩和縮小観測の中、ドル高が進んでいることが嫌気され前日比
45ドル安と、2010年8月以来となる1229ドル台で引ける。
一方原油価格は3日続伸。ドル/円 97.24 〜 97.89 ユーロ/ドル 1.2985 〜 1.3055 ユーロ/円 126.57 〜 127.48 NYダウ +149.83 → 14,910.14ドル GOLD −45.30 → 1,229.80ドル WTI +0.18 → 95.50ドル 米10年国債 −0.071 → 2.541%
本日の注目イベント
- 中 中国5月工業利益
- 独 独6月雇用統計
- 欧 EU首脳会議
- 欧 ユーロ圏景況感指数(速報値)
- 英 英1−3月GDP(確報値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 5月個人所得
- 米 5月個人支出
- 米 5月PCE・コアデフレーター
- 米 5月中古住宅販売成約指数
- 米 パウエル・FRB理事講演
- 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
- 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
98円台に乗せると押し戻され、なかなか98円台が定着しないドル円ですが、昨日はGDP改定値以外には
材料もなく、方向感を欠く動きに終始しました。
ユーロドルが1.30台を割り込み、全体的にはドル高に推移したためドル円も97円台ではあるものの
98円に近い水準で取引されています。
材料はなかったものの、要人発言が幾つかあります。
リッチモンド連銀のラッカー総裁は「資産購入の縮小とはバランスシートの増加ペースを鈍化させることに
すぎない」と述べ、「まだバランスシートの縮小には程遠い」と指摘し、FRBが債券保有の縮小に近づいては
いないとの認識を示しました。
また、ドラギECB総裁はユーロ圏の経済成長を支えるために行動する用意があると改めて表明し、金融政策に
ついても、「予見可能な将来において緩和的にとどまる」との見方も示し、ユーロドル下落の一因になっています。
さらにアスムセンECB理事も同様に「緩和的な政策が維持される」と発言しています。
量的緩和縮小のタイミングを模索している米国と、依然緩和的な政策を継続せざるを得ない日欧との差がドル高
円安、あるいはドル高ユーロ安につながっているわけですが、市場が「出口」を想定以上に意識し始めたことで
金融市場が混乱しています。
そのため、先週のFOMC以降はメンバーの多くが過熱気味の緩和観測をクールダウンさせるような発言を
繰り返しているように思えます。
米経済誌「バロンズ」は市場の混乱を「薬の効き目が強ければ強いほど、また、その使用期間が長ければ長いほど、
薬をやめた時に起きる禁断症状は激しくなる」との記事を載せ、足元の混乱は正常化への通過点であると結論づけています。
さすがに今週に入り、NY株式市場も徐々に「禁断症状」が治まる気配を見せており、急騰を続けている米長期金利も
一服となっています。
従って為替市場のボラティリティーも今後は低下し、徐々に落ち着きを見せると思われます。
ドル円は相変わらず「雲」の下限(日足)に頭を抑えられている格好ですが、「1時間足」でも「雲」の上限を
何度かトライし、このレベルを抜けることができるかどうかが試されている状態です。
この「1時間足」の「雲」を上抜けするには、97円90銭を超える必要があります。
先ずはここをクリアし、さらに98円台を回復し定着するような動きを見せれば、このところ続いている
「レンジ」を上抜けできますが、それには株価の上昇という支援材料も必要です。
NY株式市場が昨日は大幅に連騰しました。
この動きを好感して日経平均株価も持ち直して来ると予想されます。
それでも上記シナリオ通りの展開にはまだ早いようにも思えます。
本日の予想レンジは97円20銭〜98円30銭程度と見ています。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 5/3 | ラッカー・リッチモンド連銀総裁 | 「米金融当局は過去数年間にわたり非常に努力しているが、実質的な経済成長を改善することはできそうもない。これ以上バランスシートを拡大すれば景気刺激策を解除する際の『出口戦略』に伴うリスクを助長することになる」講演で。 | 5/6 | ドラギ・ECB総裁 | 今後数週間以内に発表されるユーロ圏の全ての経済統計を注視し、必要であれば再び行動する用意がある」「定例政策員会は初めて下限政策金利である中銀預金金利をゼロ未満に引き下げる可能性についてオープンに議論することを決定した」ローマでの講演で。 | 5/9 | プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「早ければ次回FOMCで縮小着手することが望ましい」量的緩和に関して記者団に。 | 5/16 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「われわれは早ければ夏にも、債券購入ベースを幾分減速し、すべてが期待通りに進めば今年の遅い時期にプログラムを終了する」オレゴン州ポートランドの講演で。 | 5/20 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「現在のところ金融政策は適切だ」「インフレが当局の目標に近づくことを望んでいる」講演で。 | 5/22 | バーナンキ・FRB議長 | 「時期尚早の金融引き締めは、金利の一時的な上昇につながる可能性があるものの、他に景気回復の減速や腰折れ、またインフレの一段の低下を招く大きなリスクも伴う」「(労働市場が)本質的かつ持続的な形で改善すれば、今後数回の会合で債券購入のペース減速を決定することもあり得る」議会証言で。 | 6/3 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「早ければこの夏にも、当局の購入プログラムに対する何らかの調整、恐らく下方向への幾分の調整があり得ると思う」「購入プログラムは景気の勢いを強めるという大きな成果を上げており、年後半に入っても継続されることが望ましい。しかし、事態が良くなっている場合は、年末までに終了することも想定外ではない」講演で。 | 6/19 | バーナンキ・FRB議長 | 「その後のデータもわれわれの現在の経済予想と大まかに沿う状況が続けば、来年上期にかけて慎重にステップを踏みながら購入ペースの減速を続け、年半ばごろには購入を終了させる」FOMC終了後の記者会見で。 |
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。
本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
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外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



