2013年6月28日(金)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米経済指標が好調なことと、日米欧の株式市場が落ち着きを取り戻した
ことからドル円は上昇。一時98円57銭までドル高が進む。 - ユーロドルは1.30台前半から半ばで一進一退。上値は重いものの、
1.30割れではユーロに対する需要も確認され底固いとの声も。 - 株式市場は3日続伸。ダドリーNY連銀総裁などが、経済成長のペースが
予想を下回った場合には、資産購入プログラムの延長もあり得ると発言したことで
「緩和縮小観測」が後退。ダウは114ドル上昇し、1万5000ドル台を回復。 - 株高や、FOMCメンバーの発言を材料に債券相場は続伸。10年債利回りは
2.47%台まで低下し、市場の落ち着きを反映。 - 金は続落し1211ドルに。原油は大幅に続伸し97ドル台に乗せる。
- 新規失業保険申請件数 → 34.6万件
- 5月個人所得 → +0.5%
- 5月個人支出 → +0.3%
- 5月PCE・コアデフレーター → +1.0%
- 5月中古住宅販売成約指数 → +6.7%
ドル/円 97.75 〜 98.57 ユーロ/ドル 1.3000 〜 1.3058 ユーロ/円 127.90 〜 128.41 NYダウ +114.35 → 15,024.49ドル GOLD −18.20 → 1,211.60ドル WTI +1.55 → 97.05ドル 米10年国債 −0.067 → 2.474%
本日の注目イベント
- 日 5月失業率
- 日 5月消費者物価指数
- 日 5月鉱工業生産
- 独 独6月消費者物価指数(速報値)
- 米 6月シカゴ購買部協会景気指数
- 米 6月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)
- 米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
- 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
- 米 ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演
- 加 カナダ4月GDP
先週19日に行われたバーナンキ議長の「年後半にも金融緩和を縮小することが適切」発言で、金融市場は
大混乱を見せましたが、FOMCメンバーがその火消しに躍起になっています。
昨日はダドリーNY連総裁やロックハート・アトランタ連銀総裁が行き過ぎた緩和観測を牽制する発言を
繰り返しました。
「労働市場の状況と経済成長の勢いがFOMCの予想より良くない場合、そうした状況は近年見られたが、
資産購入ペースを速めた形でより長期間継続されると見ている」と述べています。
また、ロックハート総裁も「個人的な見解では議長の発言は金融政策に大きな変化をもたらすものではなく、
極めて低水準にある政策金利は資産購入終了後もしばらくの間維持されると考えている」と発言しています。
いずれも過度に反応した市場を落ち着かせようとの意図を持って発言したと思われますが、年内の「金融緩和縮小」は
既に既定路線であるものの、労働市場の行方次第では延長される可能性があることも事実のようです。
9月のFOMCまでには来週末の雇用統計を含めて、あと3回雇用の状況を確認できます。
その結果が今後の金融政策に大きな影響を与えることになるだけに、これまで以上に注目度の高い指標になります。
上記要人2人の発言もあってNY株式市場は落ち着きを取り戻しています。
ダウは3日連続で100ドルを超す上昇を見せ、引け値でも約10日振りに1万5000ドルの大台を回復しました。
また、株式市場が堅調に推移したことで、債券市場でも買い物が優勢となり、急騰を続けていた米長期金利は低下傾向
(価格上昇)を見せています。
急激な長期金利の上昇は住宅ローン金利などの上昇にもつながり、順調に回復している住宅市場にブレイキをかける
ことにもなりかねません。
ただ、各市場がこのまますぐに「バーナンキショック」以前の状況に戻るかどうかは予断を許しません。
ドル円は昨日の午後3時過ぎに98円台に乗せたことで、昨日もこの欄で指摘した「1時間足」の「雲」を完全に
上抜けしました。
「日足」を見ても「雲の下限」で何度も押し戻されていたローソク足が現在上昇中です。
この「雲」には比較的厚みがあることがやや気にはなりますが、目先のターゲットは「8時間足」の200日線がある
98円88銭です。
この水準は今回の10円ほどの下落の「半値戻し」に近いこともあり、意識され易い水準と言えます。
焦点は上記水準を抜け、99円台に乗せられるかどうかです。
99円台は6月11日以来見ていません。
下値への下落リスクが後退し、95−100円のレンジが定着してくれば99円台示現のチャンスがあると思われます。
本日も「円安とNY株高」を受けて東京時間でも上値を試す可能性があります。
これまで通り株価の行方には注意が必要です。
ドル円のボラティリティーはやや低下傾向ですが、依然として高止まりしていることから、まだ上下に振れやすい相場展開が
続きそうです。
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今日は月末で、来週からは7月。
年の後半がスタートします。
「半年」で約17円ほど円安に振れたわけですが、これほど急激に
円安方向に振れた記憶はありません。
残りの「半年」も、米金融政策の変化を巡り混乱は続きそうです。
良い週末を・・・・。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 5/3 | ラッカー・リッチモンド連銀総裁 | 「米金融当局は過去数年間にわたり非常に努力しているが、実質的な経済成長を改善することはできそうもない。これ以上バランスシートを拡大すれば景気刺激策を解除する際の『出口戦略』に伴うリスクを助長することになる」講演で。 | 5/6 | ドラギ・ECB総裁 | 今後数週間以内に発表されるユーロ圏の全ての経済統計を注視し、必要であれば再び行動する用意がある」「定例政策員会は初めて下限政策金利である中銀預金金利をゼロ未満に引き下げる可能性についてオープンに議論することを決定した」ローマでの講演で。 | 5/9 | プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「早ければ次回FOMCで縮小着手することが望ましい」量的緩和に関して記者団に。 | 5/16 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「われわれは早ければ夏にも、債券購入ベースを幾分減速し、すべてが期待通りに進めば今年の遅い時期にプログラムを終了する」オレゴン州ポートランドの講演で。 | 5/20 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「現在のところ金融政策は適切だ」「インフレが当局の目標に近づくことを望んでいる」講演で。 | 5/22 | バーナンキ・FRB議長 | 「時期尚早の金融引き締めは、金利の一時的な上昇につながる可能性があるものの、他に景気回復の減速や腰折れ、またインフレの一段の低下を招く大きなリスクも伴う」「(労働市場が)本質的かつ持続的な形で改善すれば、今後数回の会合で債券購入のペース減速を決定することもあり得る」議会証言で。 | 6/3 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「早ければこの夏にも、当局の購入プログラムに対する何らかの調整、恐らく下方向への幾分の調整があり得ると思う」「購入プログラムは景気の勢いを強めるという大きな成果を上げており、年後半に入っても継続されることが望ましい。しかし、事態が良くなっている場合は、年末までに終了することも想定外ではない」講演で。 | 6/19 | バーナンキ・FRB議長 | 「その後のデータもわれわれの現在の経済予想と大まかに沿う状況が続けば、来年上期にかけて慎重にステップを踏みながら購入ペースの減速を続け、年半ばごろには購入を終了させる」FOMC終了後の記者会見で。 | 6/27 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「労働市場に状況と経済成長の勢いがFOMCの予想より良くない場合、そうした状況は近年見られたが、資産購入ペースを速めた形でより長期間継続されると見ている」講演で。 |
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。
本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
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外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



