2013年7月12日(金)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はアジア市場での乱高下をよそに落ち着いた動きで推移。
99円を挟みもみ合ったが、バーナンキ議長の発言を手掛かりに、
早期の金融緩和縮小観測が後退し、ドル円の上値を重くした。 - ユーロドルは1.30台から1.31台で推移。アジア市場ではストップに
よるユーロ買いが相場を押し上げ1.32台まで上昇したが、30台後半で
取引きを終える。 - 株式市場は大幅に反発。バーナンキ議長の発言を材料に、緩和政策が今しばらく
継続されるとの見方が台頭し大幅高に。ダウは169ドル高と、引け値では
過去最高値を更新し、S&P500も同様に最高値を更新して引ける。 - 債券相場も議長の発言から買い物が優勢となり大幅に反発。10年債利回りは
2.57%台まで低下。 - 金は大幅に続伸し1279ドル台に。原油はこのところの高騰から利益確定の売りに
押され下落。 - 6月財政収支 → +1165億ドル
- 新規失業保険申請件数 → 36万件
ドル/円 98.58 〜 99.43 ユーロ/ドル 1.3006 〜 1.3123 ユーロ/円 128.64 〜 129.74 NYダウ +169.25 → 15,460.92ドル GOLD +32.50 → 1,279.90ドル WTI −1.61 → 104.91ドル 米10年国債 +−0.101 → 2.572%
本日の注目イベント
- 日 5月鉱工業生産
- 欧 5月ユーロ圏鉱工業生産
- 欧 コスタ・ポルトガル中銀総裁講演
- 米 6月生産者物価指数
- 米 7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
- 米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
- 米 決算発表→JPモルガンチェース・ウェルズファーゴ
- 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁、金融政策に関する論文発表
FOMC議事録とバーナンキ議長の講演後の質疑応答に対する発言に、為替市場は乱高下。ユーロドルは
200ポイント以上急騰した後8割ほど下げ、ドル円は2円ほど下落した後やはり8割程度戻すなど、
不安定な動きを見せました。
ただその後の海外市場でも同様な展開を予想しましたが、大きな波乱はなくオセアニアからアジア市場だけに
限定された動きだったようです。
ドル円は一時98円20−30銭辺りまで円高ドル安が進みましたが、日経平均株価がプラスで終わったことで
99円台前半まで戻して引けました。しかし海外市場ではバーナンキ議長の発言から「株高債券高」が進み、
長期金利が低下したことからドル円の上値が重い展開になっています。
バーナンキ議長は昨日の講演後の質疑応答で「予見可能な将来において高度に緩和的な金融政策が米経済には
必要だ」と発言し、先月19日のFOMC後の会見に比べると「ハト派的な発言」にトーンダウンしたと
受け止められ、「ドル売り円買い」が進み、同時に「株高債券高」にも振れました。
前回の発言では金融緩和縮小の時期や緩和停止の時期についても初めて言及したことで、一気に「緩和縮小」
に焦点があたり、上記反応と反対な動きを誘発しましたが、昨日の発言は「市場の混乱を収める」意味合いも
込めて、やや言葉を選んだものと考えられます。
既に6月の雇用統計でも改善傾向が続いていることが確認されています。
今後8月と9月の雇用統計で余程の下振れが起きない限り、「緩和縮小」は既定路線であるはずです。
ドル円が昨日98円25銭近辺で下げ止まったことは、テクニカルで見るとごく自然ななり行きです。
ここは「日足」の一目均衡表の「雲の下限」にあたり、サポートされ易い水準でした。
98円台を割り込むと、下落が加速しそうな気配もしますが、重要な水準は97円前後かと思います。
ここを割り込むと「日足」では下値のメドが見えないことから、ドルロングポジションの解消が進む可能性が
ありそうです。
現在のドル円は「4時間足」で見ると説明がつきそうです。
上値は雲の下限で抑えられ、下値は「200日線」や「120日線」でサポートされています。
ただ「MACD」では、マックDもシグナルも「ゼロの軸」をプラス圏からマイナス圏に下落しており
足元のトレンドはやや下向きと考えられます。
同時に「転換線」と「基準線」を見ると、依然「好転」を継続しており、さらに相場の先行きを表すとされる
「基準線」が横ばいであることを考えると、下落する可能性はあるものの深押しはなさそうなイメージです。
「参院選」まで残すところ1週間余りとなりましたが、どうやらそれまでは「もみ合い」が続きそうな気配です。
戦略的には、95円〜98円のどこかで「ドルの買い場」を探すスタンスでいいのではないかと思います。
今週、豪ドル円が「日足」の「200日線」を上抜けすれば上昇基調に入る可能性があると書きましたが、
未だに上抜けはできていません。
NYダウが上昇基調のため、豪ドルにはプラス材料ですが、中国景気の不透明感が上値を抑えていることと、
ドル円が、101円台から上方がやや重くなり円高に振れていることが主な要因と見ますが、「200日線」が
思いの他強い抵抗を見せていることも予想外でした。
「MACD」では既にゴールデンクロスが完了していますが、昨日90円台まで振り落とされたことで短期的には
下落傾向を示しています。
90−93円レンジを抜け切れない展開が続きそうですが、しばらくは推移を見守りたいと思います。
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日銀は昨日の決定会合で景気の判断に「回復」という言葉を盛り込みました。
黒田総裁は依然として「2年以内に2%の物価上昇」に自信を見せています。
黒田総裁の会見はまだ数えるほどの回数ですが、白川前総裁と際立って異なるのは「会見中の笑顔」です。
G20の時もそうでしたが、単なる「笑顔」ではなく「満面の笑み」といえる表情を見せます。
そのため見ている人に好感を与え、日銀総裁を身近に感じるのは私一人ではないと思います。
3月に白川総裁から黒田総裁に代った時、市場では「シロからクロに」と言われました。
債券市場関係者の間では「クロよりシロ」に傾いた時もあったようですが、「クロ」に頑張ってほしい
と思います。
良い週末と連休を・・・・。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 7/2 | パウエル・FRB理事 | 「失業が長期的な通常の水準を大きく上回ることから判断して、かなり長期間緩和的な金融政策が維持される」講演で。 | |
| 7/4 | ドラギ・ECB総裁 | 政策金利は「現行水準か、それより低い水準に据え置く」理事会後の記者会見で。 |
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。
本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
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外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



