2013年7月16日(火)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京市場が休場だったがドル円は堅調に推移し、一時100円台半ばまで
ドル高円安が進行。NY市場の朝方、金融緩和縮小の可能性が根強く、ドルを買う
動きが優勢となり100円49銭までドル高が進んだが、その後米経済指標の悪化が
発表されると99円台半ばまで値を下げる。株価が堅調だったことで99円90銭
近辺まで戻して引ける。 - ユーロドルは1.30台で一進一退。ユーロ円が130円台後半まで上昇したことで
ユーロドルも1.30台後半まで買われたが、明確なトレンドが掴めない展開。 - 株式市場は3日続伸。金融機関の好決算が続き株価を押し上げた。ダウは19ドル高
となり、小幅ながら最高値を3日連続で更新。 - 債券価格も小幅に続伸。小売売上高が予想を下回ったことから価格が上昇。
10年債利回りは2.54%台に低下。 - 金は反発。原油は続伸し106ドル台まで上昇。
- 7月NY連銀製造業景況指数 → 9.46
- 6月小売売上高 → +0.4%
ドル/円 99.71 〜 100.49 ユーロ/ドル 1.3003 〜 1.3077 ユーロ/円 130.14 〜 130.70 NYダウ +19.96 → 15,484.26ドル GOLD +5.90 → 1,283.50ドル WTI +0.37 → 106.32ドル 米10年国債 −0.037 → 2.543%
本日の注目イベント
- 豪 RBA議事録
- 独 独7月ZEW景況感指数
- 欧 ユーロ圏6月消費者物価指数(改定値)
- 米 6月消費者物価指数
- 米 6月鉱工業生産
- 米 7月NAHB住宅市場指数
- 米 ジョージ・カンザス連銀総裁講演
- 米 決算発表→ ゴールドマンサックス、ジョンソン&ジョンソン
ドル円は再び100円台半ばまで上昇したものの、小売売上高が予想を下回ったことで99円台まで落とされましたが
堅調に推移していると言えます。
昨日は東京市場が休場にも拘わらず円売りが優勢となりドル円だけではなく、ユーロ円でも130円台半ばを超え、
前日89円台まで下落した豪ドル円も91円まで円売りが進んでいます。
特にこれといった材料はなかったようですが、米金融緩和縮小観測が蒸し返され円売りが進んだようです。
先週はバーナンキ議長の「ハト派的発言」から、金融緩和縮小が近いと読んでいた市場が大きく揺れ動き、
縮小観測が後退し、一時98円台前半まで「ドル安円高」が進む場面がありました。
米株式市場もこれを好感し、連日過去最高値を更新し、上昇を続けていた米長期金利にもブレイキがかかってきました。
今週も明日から同議長の議会証言が予定されていることから、発言内容によっては上下どちらにも動く可能性がありそうです。
バーナンキ議長のこれまでの発言は、それ自体は内容が変わって来たとは思えません。
米景気回復、とりわけ雇用の拡大が順調に進んでいることで、「年後半には量的緩和を縮小することが適切と判断した」
と5月に発言し、一気に緩和縮小が近づいたわけです。
しかし、この発言をきっかけに株式市場が急落し、長期金利は約1%も上昇するなど「副作用」が予想以上に見られた
ことで、FOMCメンバーがその後「火消し」に回り、議長もややトーンを下げた内容に軌道修正を迫られることに
なりました。
その発言が「予見しうる将来にわたって、米経済は極めて緩和的な金融政策を必要としている」という発言につながった
ものと理解できます。
議長の真意は「雇用が安定的な拡大を見せる限り、緩和縮小は行われる」というもので、ブレてはいないと思われます。
そのため、8月と、9月の雇用統計が極めて重要であると同時に、20万人を大きく下回るような結果になれば
緩和縮小観測が後退し、再びドル安に振れる可能性もあるということになります。
5月の議長の「タカ派的な発言」に金融市場は動揺しましたが、ここにきて平常な状況に戻りつつあります。
これは量的緩和縮小の動きを市場が徐々に消化し始めていることを示しています。
景気が回復する過程で金利が上昇することは極めて正常で、株式市場にとってはマイナス要因だけではありません。
景気回復は個人消費の拡大を通じて企業活動を活発にします。
その結果、企業業績の向上にもつながり、昨日のNY株式市場の様に株価を押し上げることにもなります。
早ければ9月のFOMCで「緩和縮小」が決定されるのではないかと予想していましたが、バーナンキ議長の
「慎重な物言い」に、やや時期が延びることも考えられそうです。
それでも現時点で、緩和縮小は「年内に実施される」可能性が高いと予想しています。
米国の景気回復が続く限り、避けては通れない道であるからです。
明日からの議会証言で議長がどのような言い回しをするのかで市場が大きく動くことが予想されますが、仮に5月の
時の様に「タカ派的」な発言をしたとしても、今回の反応は限定的になるのではないかと予想しています。
金利の上昇はやむを得ないとしても、株価が300ドル以上も下落するような事態は避けられるのではないかと
思います。
市場は1ヵ月半の試練を経て、いよいよ「金融緩和政策の終焉を織り込み始めている」と考えられます。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 7/2 | パウエル・FRB理事 | 「失業が長期的な通常の水準を大きく上回ることから判断して、かなり長期間緩和的な金融政策が維持される」講演で。 | |
| 7/4 | ドラギ・ECB総裁 | 政策金利は「現行水準か、それより低い水準に据え置く」理事会後の記者会見で。 |
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。
本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
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外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



