今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]



2013年7月17日(水)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • アジア時間で100円台に乗せる場面もあったドル円だが、時間とともに
    下落し、NY時間では99円台を割り込む。本日のバーナンキ議長の
    議会証言では、早期の金融緩和縮小を退ける発言があるとの見方が背景。
  • ドルが主要通貨に対して下落したことで、ユーロドルも上昇。
    独経済指標が予想を下回ったにも拘わらず1.30台後半から1.3174まで
    ドル安が進む。
  • 株式市場は4営業日振りに反落。カンザスシティー連銀のジョージ総裁が
    「タカ派的」な発言をしたことが重しとなりダウは39ドル安。
  • 債券相場は小動き。本日のバーナンキ議長の議会証言を控え取引は閑散。
    10年債利回りも前日とほぼ変わらず2.53%で推移。
  • 金価格は続伸。原油価格は小幅に反落。
  • 6月消費者物価指数 → +0.5%
  • 6月鉱工業生産 → +0.3%
  • 7月NAHB住宅市場指数 → 57
    ドル/円98.89 〜 99.65
    ユーロ/ドル1.3095 〜 1.3174
    ユーロ/円130.22 〜 130.69
    NYダウ−32.41 → 15,451.85ドル
    GOLD+6.90 → 1,290.40ドル
    WTIー0.32 → 106.00ドル
    米10年国債−0.011 → 2.532%


    本日の注目イベント

  • 日   日銀金融決定会合議事要旨(6/10、11日分)
  • 英   英6月雇用統計
  • 米   地区連銀経済報告(ベージュブック)
  • 米   6月住宅着工件数
  • 米   6月建設許可件数
  • 米   バーナンキ議長・下院で議会証言
  • 米   ラスキン・FRB理事講演
  • 米   決算発表→ BOA、IBM、インテル
  • 加   カナダ中銀政策金利発表





カンザスシティー連銀のジョージ総裁は米フォックス・ビジネス・ネットワークのインタビューで、


「米景気の回復は正しい軌道上にあり、緩和縮小は適切だ」と語り、低すぎる政策金利を長すぎる期間、維持すべきで


ない、とも述べています。


NY株式市場はこの発言に反応し、4営業日振りに値を下げました。





ジョージ総裁はもともと「タカ派」と見られており、金融緩和縮小を早期に停止すべきとの立場に立っていました。


しかし、昨日の為替市場の反応を見ると、本日のバーナンキ議長が先週の講演後の質疑応答で見られたように、


早期の金融緩和縮小にはつながらない様な発言を行うとの見方が優勢です。





そのためドルは主要通貨に対して下落し、東京市場が休場中に100円台半ばまで上昇したドル円も一時は98円台まで


下落しており、早期の金融緩和縮小観測を修正する動きになっています。


また、対ユーロでも1.31台後半まで売られるなど、本日の議会証言では量的緩和は今しばらく継続されるという


見方さえ出て来ている様です。





ただ、それでもFRBがいずれ緩和策を修正する行動を起こすことに違いはなく、「やるやらない」の問題ではなく、


「タイミング」だけの問題です。


緩和縮小の条件として議長が掲げたのが「雇用の拡大」です。


8月、9月の雇用統計で、この部分が期待外れに終わると、その時は緩和縮小観測が大きく後退することになりますが、


現状でその可能性は低いと予想されます。


雇用者数の増加が15万人以下では「拡大」と言えないのか、あるいは「13万人以下」なら「想定外」ということに


なるのかは、今後7月の雇用統計発表時(8月2日)までには「分岐点」がどこになるのか煮詰まってくるのでは


ないでしょうか。


極端な言い方かもしれませんが、米国にとって「ドル高、ドル安」はそれ程重要な問題ではないかもしれません。


米国に取って最も重要な金融市場は株式市場です。


GDPの7割以上を個人消費が占める米国では、株価の上昇、下落が消費行動に大きく影響を与えるからです。


その意味では先週来過去最高値を何度も更新した米株式市場は極めて順調に拡大していると言えます。





5月22日の発言でバーナンキ議長が、金融緩和の縮小の可能性に言及した際にはそれ程大きな反応を見せなかった


NY株式市場は、6月に入ると1日で200ドル以上も値下がりする日が何回かあり「調整局面入り」しました。


その後、議長自身が発言内容を軟化させたことで市場の過剰反応にブレイキを掛け、株価も回復して来ました。


議長の「剛柔うまく使い分けた」発言が功を奏した結果と言えます。





足元のNYダウは1万5400ドル台です。


株価の水準を見る限り「バーナンキショック」は克服したとも言えます。


そのため、本日からの議会証言で再び「剛」を全面に出しても十分耐えうるのではないかと予想しています。


下院での議会証言は日本時間23時から予定されています。





ドル円はややレンジを形成し始めています。


98円台半ば〜100円台半ばで上下とも抑えられそうな気配です。


今日明日の議会証言で上記レンジを抜け切れなければ、本格的な「夏相場」に入るかもしれません。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
7/2 パウエル・FRB理事 「失業が長期的な通常の水準を大きく上回ることから判断して、かなり長期間緩和的な金融政策が維持される」講演で。
7/4 ドラギ・ECB総裁 政策金利は「現行水準か、それより低い水準に据え置く」理事会後の記者会見で。
7/15 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「米景気の回復は正しい軌道上にあり、緩縮小は適切だ」インタビューに答えて。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。




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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和