2013年8月7日(水)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 欧州時間の朝方に98円58銭まで買われたドル円はその後じり安
となり、NY市場では節目の97円50銭まで下落。株式市場が下落した
が、市場はやや円に対して強気と見られる。引けは若干戻して
97円70−80銭で取引を終える。 - ユーロドルは1.33台まで上昇。ドル安の流れに加え、ドイツの製造業が
好調だったことでユーロドルは1.3323まで買われる。 - 株式市場は大幅に続落。貿易赤字が大幅に縮小したことで緩和縮小観測が高まり
ダウは93ドル安。 - 債券相場は横ばい。シカゴ連銀のエバンス総裁が来年半ばごろには資産購入
プログラムを終了する可能性を示唆したが影響は限定的。10年債利回りは
2.64%台で変わらず。 - 金は6日続落で約2週間ぶりに1300ドル台を割り込む。原油も続落。
- 6月貿易収支 → 342億ドルの赤字
ドル/円 97.50 〜 98.23 ユーロ/ドル 1.3271 〜 1.3323 ユーロ/円 129.88 〜 130.56 NYダウ −93.39 → 15,518.74ドル GOLD −19.90 → 1,282.50ドル WTI −1.26 → 105.30ドル 米10年国債 +0.004 → 2.642%
本日の注目イベント
- 日 7月マネタリーベース
- 日 日銀金融政策決定会合(8/9日まで)
- 英 英BOE四半期物価報告発表
- 英 カーニーBOE総裁記者会見
- 米 6月消費者信用残高
- 米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 米 ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演
昨日夕方98円台半ばを超えたドル円はNY市場では一転してドル売りが勝り、97円50銭まで下落し、
約1ヵ月振りの円高水準を記録しました。
NYダウが100ドル近く下落したことで、「リスクオフ」の流れから円が買われたものですが、米長期金利が
低下したわけでもなく、ドル円が97円台半ばまで下落する理由は見当たりません。
シカゴ連銀のエバンス総裁が講演を行い、その中で、債券購入プログラムを9月に縮小することはあり得るとの
見方を示しました。
エバンス総裁は「労働市場で好ましい改善が見られ、それについて疑いの余地はない」とし、9月に緩和縮小を
開始する決定を明確には「排除しない」と語っています。
また、「持続的な労働市場の改善を期待しており、それは月間約17万5000人ー20万人の雇用増だ」とも
述べています。
同総裁は地区連銀の中でも「ハト派」の代表格で今年はFOMCの投票権を持っています。
同総裁からこれ程緩和縮小に前向きは発言を聞いたことはなく、明らかにドル高要因になります。
しかしドル円は全く反応していません。株式市場では緩和縮小が早まるとの見方から株価の下落につながっていますが、
やや理解しにくい動きだったと言えます。
ユーロドルでドル安が進んだことの影響と捉えることができるかもしれませんが・・。
ドル円はNY市場で97円50銭まで売られましたが、ここでは一旦は反発した動きになっています。
この水準は先週も下落を止められた水準でもあり、極めて重要な値位置かと思います。
「日足」では5月の103円74銭を頂点とした「レジスタンスライン」が機能しており、その線は徐々に上値を
抑え、切り下がって来ていることが確認できます。
また、昨日の昼には株安からドル円が下落し97円85−90銭水準まで円高が進みましたが、そこから切り返し
98円台半ばまで反発しました。
この水準も「雲の下限」と120日線でサポートされたもので、今回はその水準を下回っています。
下値の方も6月の93円78銭を底値に「サポートライン」を描くことができますが、昨日のNYで97円50銭を
付けたことで、この線を割り込んだと見られます。
そのため足元の重要なサポートは97円50銭近辺と見られ、ここを明確に下抜けすると、下落に拍車がかかる
ものと予想します。
それは、この下の水準には「ストップセル」の注文がセットされていると見られるからです。
97円台半ばを割り込むと下値のメドを付けにくい状況になります。
目立ったサポートはなく、メドは95円台という心理的な節目ということになりそうです。
円高が進むと、本日の日経平均株にも下落圧力がかかります。
円高を嫌気して株価が予想外の下落を見せると、さらにドル円を押し下げる要因にもなります。
本日は株価の推移と、ドル円の下値を探る展開が予想されます。
ここはひとまず流れに乗るしかありません。
予想レンジはやや広く、96円50銭ー97円90銭と考えます。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 7/2 | パウエル・FRB理事 | 「失業が長期的な通常の水準を大きく上回ることから判断して、かなり長期間緩和的な金融政策が維持される」講演で。 | |
| 7/4 | ドラギ・ECB総裁 | 政策金利は「現行水準か、それより低い水準に据え置く」理事会後の記者会見で。 | |
| 7/15 | ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 | 「米景気の回復は正しい軌道上にあり、緩縮小は適切だ」インタビューに答えて。 | |
| 7/17 | バーナンキ・FRB議長 | 今後の方針について「経済統計に応じて判断する」、「データが予想より強ければ(資産購入縮小に)より迅速に動く」下院での議会証言で。 | |
| 7/30 | スティーブンス・RBA総裁 | 「需要を支えるために必要なら一段の金融緩和を行う余地をインフレ見通しが与えている」講演で。 | 8/6 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「労働市場で好ましい改善が見られ、それについて疑いの余地はない」、(9月に緩和縮小を<開始する決定を明確には)「排除しない」講演で。 |
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。
本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
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外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



