今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]



2013年11月8日(金)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はECBの利下げと米GDPの高成長に99円台に乗せ、 一時99円41銭までドル高が進行。ただその後は株価が急落したことで 円買いが強まり、97円60銭まで下落し、98円台まで反発して引ける 乱高下を見せる。
  • 予想外のECBによる利下げでユーロドルは1.33台を割り込む。 ストップを巻き込み急落したが、ドル円でドル売り円買いの勢いもあり ユーロも対ドルで買い戻され1.34台で引ける。
  • 株式市場はGDPの予想以上の伸びで、緩和策縮小との観測が強まり下落。 前日の大幅高もあり、利益確定の売りが勝りダウは152ドル安。
  • 債券相場は上昇。ECBが利下げを実施したことで、相対的に米国債の 投資妙味が高まったことが背景。長期金利は2.60%台まで低下。
  • 対ユーロでドル高が進んでことで金、原油は下落。
  • 新規失業保険申請件数 → +33.6万件
  • 7−9月期GDP → +2.8%
    ドル/円97.60 〜 99.41
    ユーロ/ドル1.3296 〜 1.3450
    ユーロ/円131.20 〜 133.38
    NYダウ−152.90 → 15,593.98ドル
    GOLD−9.30 → 1,308.50ドル
    WTI−0.59 → 94.20ドル
    米10年国債−0.039 → 2.607%



    本日の注目イベント

  • 中   中国 10月貿易収支
  • 独   独9月貿易収支
  • 欧   メルシュ・ECB理事講演
  • 欧   バローゾ・欧州委員長講演
  • 米   10月雇用統計
  • 米   9月個人所得
  • 米   9月個人支出
  • 米   9月PCEコア・デフレーター
  • 米   11月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
  • 米   バーナンキ・FRB議長IMFで講演
  • 米   フィッシャー・ダラス連銀総裁IMFで講演
  • 加   カナダ10月住宅着工件数
  • 加   カナダ10月失業率








    欧米市場で重要なイベントがあり、それぞれにサプライズがあったため、為替市場は久々に大きな変動を


    見せました。


    ドル円は約1円80銭乱高下し、ユーロ円では2円強の値動き見られ、動けば動いたなりに先行きの見通しが


    難しくなっています。





    サプライズは先ず、ECBの「利下げ」でした。


    市場の大方の予想は、早くても来月との見方が優勢でしたが、ECBは現在0.5%の政策金利を0.25%に


    引き下げることを決めました。


    ドラギ総裁はその後の記者会見で「当中銀の金融政策姿勢は必要な限り緩和的にとどまる」と述べ、ユーロ圏の


    景気についても「長期にわたる低インフレに直面する可能性がある」と、利下げに至った背景を説明しています。





    市場が今回は利下げに踏み切らないと予想したのは、今回実施すると、残りは「あと0.25%」となり、政策の余地が


    限られてしまうため、できる限り温存しておきたいはず、との読みがありました。


    また、インフレ率にしても10月単月だけでは判断できず、もうしばらくデータを分析する必要があるのではとの考えも


    あります。


    それでも利下げに踏み切ったのは、ようやく回復基調を見せている南欧諸国の景気の腰折れを防ぐという意味合いも


    あったと推測されます。


    今以上のユーロ高が進むと、ユーロ圏の景気に悪影響を及ぼすことは、これまで発言の中でも牽制していました。


    ECBの利下げを受けてユーロドルは一時1.3296まで売られました。


    1.38台前半まで上昇したユーロドルは昨日の急落で、トレンド転換した可能性が高いと思われます。


    約2ヵ月前の水準まで下落したことで、「日足」の遅行スパンは「逆転」を見せている他、「転換線」が「基準線」を


    割り込んでおり、これは8月末以来のことになります。


    底値から50ポイント以上反転していることで、ローソク足には「長い下ヒゲ」が発生しており、ここから判断すると


    一旦底値を確認したとの見方もできないわけではありませんが、今後、量的緩和縮小のタイミングを探すFRBと、


    長期にわたり緩和的な政策を継続するECBの政策スタンスの差を考えると、ユーロは下落に向かう可能性が高いと


    予想されます。





    ドル円はECBの利下げ直後にドル高が進み、一時99円41銭まで上昇しました。


    注目の「三角もちあい」を一旦は上抜けした格好にはなりましたが、その後の急落で結局、三角形の上限で上昇を


    止められた格好になっています。


    97円台まで下落しましたが、ユーロドルと同様に、FRBと日銀の政策スタンスの違いから一段の円高は考えにくい


    状況です。


    ただ気になるのは米株式市場の行方です。


    99円台まで上昇したドル円はNYダウが下げ足を速め、シカゴの日経平均先物が節目の1万4000円を割り込んだ


    ことが「ドル売り円買い」を加速させました。


    前日に過去最高値を大幅に更新したばかりのNYダウですが、「量的緩和継続」だけを頼りに上昇を続けていただけに


    一旦下げに転じると、下落幅も相当なものが予想されます。


    株価の大幅下落が円高につながるリスクは意識しておくべきだと思います。





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    来週11日より取材のため欧州に出張いたします。


    そのため「外為経済アカデミー」は、11日(月)から18日(月)までお休みとさせていただきます。


    ご迷惑をおかけしますが、宜しくお願いいたします。


    良い週末を・・・・。












    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
    為替はさまざま事が原因で動きます。
    その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


    日時 発言者 内容 市場への影響
    11/4 パウエル・FRB理事 「購入ペースを緩めるタイミングは経済の進展状況に左右されるため、必然的に不透明なものだ」講演で。
    11/5 アスムセン・ECB理事 「ユーロ圏の景気回復は依然として極めて弱々しい」講演で。
    11/5 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済全般の成長が現状から上向くとしても、相対的にゆっくりとしている場合、(ゼロ金利政策が)2016年の可能性があることは容易に想像し得る」CNBCとのインタビューで。
    11/7 ドラギ・ECB総裁 「(ユーロ圏は)長期にわたる低インフレに直面する可能性がある」利下げ語の記者会見で。

    ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


    What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

    What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

    What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和