「株高を背景にドル円102円台乗せ」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 東京時間には日経平均株価の大幅な上昇を受け102円台を回復したドル円は欧州市場でもその流れを引き継ぎ、一時102円36銭までドル高が進行。ただ、NY市場では102円台前半でもみ合い、値動きも小幅だった。
- ユーロドルはアジア市場で1.38台半ばまで買われたが、その後の海外市場では1.38台前半まで下落したあと、やや反発し「往って来い」の展開に。値動きが大きかったユーロ円の動きに引っ張られた側面も。
- 株式市場は3日大幅に続伸。ヤフーの決算や、良好な経済指標に安心感が広がりダウは162ドル高で、1万6400ドル台まで上昇。
- 債券相場は横ばい。株高やイエレン議長の発言などで売られたものの、ウクライナ情勢が支えとなり、前日比小幅な下落に留まる。
- 金、原油は小幅に反発。
3月住宅着工件数 → 94.6万件
3月建設許可件数件数 → 99.0万件
3月鉱工業生産 → +0.7%
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| ドル/円 | 101.50〜 102.00 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.3791 〜 1.3833 |
| ユーロ/円 | 140.46 〜 140.81 |
| NYダウ | +89.32 → 16,262.56ドル |
| GOLD | −27.20 → 1,300.30ドル |
| WTI | −0.30 → 103.75ドル |
| 米10年国債 | −0.025 → 2.630% |
本日の注目イベント
- 独 独3月生産者物価指数
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 4月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 決算発表 →GE、ブラックロック、ゴールドマンサックス、モルガンスタンレー
- 加 カナダ3月消費者物価指数
前日まで101円90銭から102円レベルが重たく、この水準で押し戻されてきたドル円は、株式市場の急騰に102円台に乗せ、昨日この欄でも述べたように「102円台を維持」しています。欧州市場で一時102円37銭まで上昇し、NYではもう一段のドル高への期待もありましたが、動きは小幅で、下押しはなかったものの、欧州市場でのドル高値を抜くこともできていません。
これは「日足」の一目均衡表を見ると、「雲」の入り口があり抵抗されることが容易に想定されることと、さらにこの水準には「52日線」と「120日線」が集まっており、一筋縄ではいかないことも予想されました。従って、足許ではまずこの水準を明確に上抜けすることが「102円台維持」の条件になります。この水準を抜くことができなければ、再び101円台まで押し戻され重苦しい展開が続くことも予想されます。
とは言え、やはり株価の大幅な上昇はドル高への大きな援護射撃になることを改めて確認した次第です。昨日のNY市場でも、アジア市場での株高や、中国の1−3月期GDPが政府目標には届かなかったものの、市場予想を上回ったことで株式市場にも好影響を与え、ダウ平均株価は162ドルの大幅高で取引を終えています。ダウ平均はここ3日間で398ドルほど上昇し、先週1週間の大幅な下げをほぼ取り戻した格好です。
NY株式市場の大幅反発の背景の一つには、企業業績の上振れが挙げられます。昨日もヤフーの好決算が相場全体の雰囲気を良くした面もあります。ただ注意すべきは、今決算では全体が良い訳ではなく、そこには企業の戦略もからんでおり、選別する必要があります。金融でも、JPモルガンやバンカメは不調である一方、シティーやウェルズなどは好決算でした。今後は日本の3月期決算も本格的に発表されることから、日経平均株価もその結果を織り込んでいく動きになろうかと思います。
ドル円は上述のように、102円台半ば超えができるかどうかが注目されますが、まだ手放しでドル高を見据えるわけには行きません。それはやはり米長期金利が「低位安定」しているからです。株価が大幅に上昇すれば、「リスクオン」から一般的には安全資産の債券が売られ、その結果長金利が上昇します。ここ3日間で398ドルもダウが上昇しましたが、この間の長期金利は僅か1ベーシス(0.01%)程度の上昇でほとんど変わっていないとも言えます。ドル円が昨年末のように大幅な上昇を見せるは、長期金利が2.8%から3%程度へ上昇していることが必要です。そう考えると、足許のドル高にそれほど大きな期待を寄せるのは時期尚早です。
本日も株価が堅調に推移すると予想し、ドル円のレンジは101円80銭から102円80銭程度を予想したいと思います。新聞記事に「要人発言」が相場を動かすとありましたが、本日は安倍総理がジャパン・サミット2014で講演するすることになっており、また日銀支店長会議が開催され、黒田総裁が挨拶を行うことになっています。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/5 | ロックハート・アトランタ連銀総裁 | 「経済データの内容は強弱まちまちだが、一般には2014年に関して前向きな見方が強まっている。それには妥当な理由があると考えられる」講演で。 | -------- |
| 2/6 | ドラギ・ECB総裁 | 「今日、行動しないことを決めた理由は実のところ、状況の複雑さと、さらなる情報の必要性だ」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 | -------- |
| 2/18 | 黒田・日銀総裁 | 「エンジンの馬力を大幅に上げたので、その性能を十分に生かすためタイヤを強化した」政策決定後後の記者会見で。 | ドル高円安が進み、株価は上昇 |
| 2/24 | プラート・ECB理事 | 「物価安定目標が達成されないとわれわれが判断した場合に利用できるツールボックスがある」講演で。 | ユーロドル1.3770近辺から→1.3708まで下落 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



