今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]



2014年5月16日(金)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は夕方黒田日銀総裁の講演内容が伝わると102円台前半まで 戻す場面もあったが、すぐに101円台に押し戻され、NY市場では 長期金利の低下を手がかりに101円31銭までドル安が進む。
  • ユーロ圏のGDPが予想を下回ったことや、ECB副総裁が追加緩和 の可能性を排除しないなどと発言したことでユーロドルは1.36台半ばまで 下落。NY市場ではドル安が進んだことからドル売りユーロ買いが優勢となり 1.37台前半まで反発して引ける。
  • 株式市場は大幅に続落。ウォルマートなどが下げを牽引し、小型株なども 大きく売られ、ダウは一時200ドルを超える下落場面も。引けは167ドル の下落で連日100ドルを超える下げを記録。
  • 債券相場は続伸し、10年債利回りは昨年10月以来となる2.5%割れ。 株安やユーロ圏の景気の悪化を理由に一時は2.47%台まで低下。
  • 金は反落し再び1300ドル台を割り込む。原油も4日振りに反落。
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  • 5月NY連銀製造業景況指数 → 19.01
  • 4月消費者物価指数 → +0.3%
  • 4月鉱工業生産 → −0.6%
  • 新規失業保険申請件数 → 29.7万件 
  • 5月NAHB住宅市場指数 → 45
  • 5月フィラデルフィア連銀景況指数 → 15.4 
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    ドル/円101.31 〜 102.08
    ユーロ/ドル1.3648 〜 1.3732
    ユーロ/円138.98 〜 139.36
    NYダウ−167.16 → 16,446.81ドル
    GOLD−12.30  → 1,293.60ドル
    WTI −0.87 → 101.50ドル
    米10年国債−0.052  → 2.548%



    本日の注目イベント

  • 米   4月住宅着工件数
  • 米   4月建設許可件数
  • 米  5月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
  • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演
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    経済指標や要人発言などでやや動きの出てきたドル円ですが、依然として上値が重い展開が続き、


    米長期金利の約7ヶ月ぶりの低下を受けてNY市場では一時101円31銭までドル安が進む場面が


    ありました。


    この水準は4月10日以来のドル安水準であると同時に、これまでにも何度も跳ね返されて来た


    非常に重要な水準です。


    昨日のNY市場でも今のところサポートされて、101円50−60銭まで押し戻されています。





    日銀の黒田総裁は昨日の夕方都内の講演で、「必要であれば、2%の物価目標を達成するための方法、手段、


    選択肢はたくさんある」と発言し、ドル円を101円80銭近辺から102円12銭まで上昇させましたが、


    ドル売り圧力も強く、すぐに101円台後半に戻される展開でした。


    総裁はこのところ、決定会合後の記者会見で「現在は追加緩和の必要はない」と繰り返してきましたが、昨日は


    それらに比べるとやや前向きな発言でした。


    ただ、具体的な追加緩和の方法については触れていません。


    昨日発表された日本の1ー3月期のGDPも予想を上振れしており、「2年で2%の物価上昇」が


    達成できるかもしれないという見方もやや増えてきているのが背景です。





    ユーロ円は一段と下げ足を早め、昨日の海外市場では一時139円を割り込む場面もありました。


    前日はドル円で円高が進んだことがユーロ円下落の主因でしたが、昨日はユーロドルが下落したことで


    一段とユーロ安が進んだと思われます。


    ユーロドルは足許では1.37台に戻していますが、一時は2月27日以来となる1.3648まで売り込まれ


    ました。


    ユーロ圏のGDPが予想を下回ったことで、6月の政策委員会では追加緩和実施の可能性がさらに強まり、


    さらに、コンスタンシオECB副総裁がベルリンでの講演で「われわれはフォワードガイダンスをあらためて


    確認するとともに、必要に応じ迅速に行動する決意で追加金融緩和の可能性を排除しない」と強調したことが


    ユーロ売りを加速させたと見られます。


    予想したように、ECBの高官がこぞって追加緩和を示唆する発言を繰り返しています。


    ドラギ総裁も、さすがに次回は「狼少年」ではいられません。





    ドル円は3月の初めに101円20−30銭の水準でサポートされて以来昨日のトライで、同水準を4度


    試したことになります。


    ここを割り込むと「200日線」のある101円15銭がサポートとして機能するかどうかに焦点が移り、


    さらに2月に記録した100円77銭近辺が意識されます。


    米長期金利の低下がドル売り円買いを惹起させていますが、2月3日に100円77銭を記録した際の米長期金利は


    2.57%台でした。


    昨日の米債券市場では大幅な株安を受けて一時2.47%台まで金利が低下しましたが、ドル円は101円32銭を


    底値に反発しています。


    米金利が当時に比べ10bpも低下している割にはドル円は101円台前半です。「健闘している」と


    言えなくもありません。


    焦点は今後さらに米長期金利が低下するのかどうかです。


    歴史的にも極めて低い米長期金利が今後さらに低下すれば、利回り的な「投資魅力」にも欠けてくると


    思われますがどうでしょうか・・・・。


    本日の予想レンジは101円〜102円程度と見ます。


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    米国の株式市場では有名な格言「セル・イン・メイ」(5月に売れ)があります。


    5月に株価が下落するケースが多いのは事実ですが、日経新聞によると


    「5月に買え」という強気な見方もあるとか。


    今年バンクオブアメリカ・メリルは投資家に、「5月に買え」というメモを配ったそうです。


    どちらか正しかったのか、もうすぐ分かるはずです。


    良い週末を・・・・。












    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
    為替はさまざま事が原因で動きます。
    その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


    日時 発言者 内容 市場への影響
    3/19 イエレン・FRB議長 「これは定義するのが難しい問題だが、おそらく6ヶ月前後を意味する」テーパリング終了後のFF金利引き上げのタイミングについて。 ドル円101円60銭から102円67銭まで急騰
    3/21 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「このペースで資産購入の縮小を続ければ10月までに大規模資産購入が終了することは明白だ」講演で。 ------ 
    3/24 オバマ・米大統領 「ロシアに対し、これまでの行動の代償を払わせることでわれわれは一致している」」G7でロシアへの制裁を決めた後の記者会見で。 ------ 
    3/25 ドラギ・ECB総裁 「ECBのシナリオに対する下方向のリスクが顕在化すれば、当中銀の責務を果たすため追加の金融政策措置をとる用意がある」パリでの講演で。 ユーロドル1.38台前半から→1.37台中半ばへ
    3/31 イエレン・FRB議長 「異例のコミットメントはまだ必要であり、この先も当面必要だろう。他の米金融当局者と広く共有している見解だと確信している」講演で。 株式市場は急騰し、ドル円は小幅に下落
    4/22 ウイリアアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「今年の米経済はおそらく2.5%−3.0%成長となり、失業率は年末までに6.25%に低下する。」講演で。 ------ 
    5/7 イエレン・FRB議長 「実施時期に関して、機械的に決められた方式やタイムテーブルは存在しない」議会証言で利上げの時期について答えて。 ドル円は101円台半ばから102円前後まで上昇
    5/8 ドラギ・ECB総裁 「次回会合で行動することにやぶさかではない」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.3995から→1.38台前半へ
    5/14 プラート・ECB理事 「条件付になるだろうが、銀行に一段の長期資金を提供することは可能。再利下げも可能。複数の措置の組み合わせも考えられる」ドイツ紙とのインタビューで。    ......
    5/15 黒田・日銀総裁 「必要であれば、2%の物価目標を達成するための方法、手段、選択肢はたくさんある」都内の講演でで。 ドル円101円85銭から→102円12銭まで上昇

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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和