2014年6月5日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は東京市場で102円80銭まで上昇した後もみ合い、
ADP雇用者数が市場予想を下回ったことから102円44銭まで
売られた。その後は経済指標が上振れたことや、長期金利が2.6%台まで
上昇したことから再び上昇し102円73−78近辺で引ける。
- ユーロドルは本日のECB理事会を前にもみ合い。1.36を挟み
上にも下にも動意を見せず小康状態。
- 株式市場は朝方は小安く始まったものの、ISM非製造業景況指数が
好調だったことから切り返し、ダウは15ドル高。S&P500も
小幅ながら最高値を更新。
- 米国債は5日続落。非製造業景況指数が予想以上に上昇したことから
売りが優勢となり、長期金利は5月13日以来となる2.6%台を回復して
引ける。
- 金、原油は小幅に反落。
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- 米 5月ADP雇用者数 → +17.9万人
- 米 4月貿易収支 → 472億ドルの貿易赤字
- 米 5月ISM非製造業景況指数 → 56.3
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| ドル/円 | 102.44 〜 102.75 |
| ユーロ/ドル | 1.3596 〜 1.3639 |
| ユーロ/円 | 139.62 〜 139.91 |
| NYダウ | +15.19 → 16,737.53ドル |
| GOLD | −0.20 → 1,244.30ドル |
| WTI | −0.02 → 102.64ドル |
| 米10年国債 | +0.008 → 2.606% |
本日の注目イベント
- 豪 豪4月貿易収支
- 中 中国 5月HSBC製造業PMI(速報値)
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 欧 ユーロ圏4月小売売上高
- 英 BOE政策金利発表
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 加 カナダ5月失業率
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ドル円は昨日の東京時間昼ごろ102円80銭まで上昇しましたが、そこからは緩やかに反落し、NYでは
朝方ADP雇用者数が市場予想に届かなかったことから102円44銭まで売られました。
順調にドル高が進んだことから、やや調整も必要なタイミングになってきた感じもしますが、一旦売られても
底から切り返すところが、今回のドルの反発がこれまでとはやや異なるところです。
ドル円はその後ISM非製造業景況指数が上振れしたことで、株価が反発し、長期金利が2.6%台まで
上昇したころでドル高が進み、結局102円75銭近辺まで買われてNYでの取引を終えています。
昨日のドルの高値102円80銭は、テクニカル通りの動きで、昨日のこの欄でも述べたように
「日足」の「雲」の上限と、そのすぐ上に位置する「120日線」にしっかりと止められた格好になって
います。
また、NY時間での下値についても、「1時間足」の「52日線」がサポートする102円44銭で
下落を止められているのが見て取れます。
ここからの展開ですが、やはり103円に乗せるにはさらなるドル買い材料が必要です。
本日のECBの政策決定や失業保険申請件数などの上振れが考えれますが、本命は明日の雇用統計です。
これらがドル支援材料に傾いてくれれば103円乗せも十分考えられます。
もちろん昨日のADP雇用者数のように下振れすることもあるため注意が必要ですが、その際の下値の
メドも確認しておく必要があります。
上記テクニカルから判断すれば、102円52銭、102円42銭、そして「日足」の「52日線」の
102円23銭という水準が導き出されます。
また、上値では昨日の高値である102円80銭と、心理的な節目である103円です。
103円01銭は、先月の雇用統計直後に記録したドルの高値であることから、この水準では実需の
ドル売りや、利益確定のドル売りが並ぶことは想像に難くありません。
米金利が連日反発したことや、株価も堅調に推移し、とりわけ日経平均株価が「ようやく」先高感を
見せていることでドル円にはやや買い安心感が出てきました。
「100円台後半から103円のレンジ」を今回のドル高で「上方にレンジ抜けしたのか」といった
質問も出てきました。
レンジ抜けと判断するにはまだ時期尚早だと考えます。
103円台にしっかり乗せて、その水準を固める動きが出るまではまだ慎重な見方は必要です。
ウクライナ情勢や日本の成長戦略の中身など、まだ円買いが活発になる可能性は残っています。
もうしばらくは状況をしっかりと見極める必要があると思います。
ユーロドルは1.36を挟み、ECB理事会前のポジション調整に終始している状態です。
追加緩和に踏み切るのはほぼ間違いないと思われますが、同時に市場がそれをかなり織り込んできている
ことも事実です。
ユーロのポジションも先安観測を背景に、ショートが積みあがってきていると予想されます。
決定内容にもよりますが、材料出尽くしからユーロが買い戻されることも十分考えられます。
そしてドラギ総裁の会見が非常に注目されることは、昨日述べた通りです。
本日のレンジは、イベントリスクを考えて102円20銭〜103円30銭程度にしたいと思います。
夕方、安倍首相が「G7]首脳会議を終えてブリュッセルで記者会見をおこなうことになっています。
「G7]で議論された内容について触れるのか、また「第三の矢」である成長戦略についても触れる可能性が
あるかもしれません。
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で
「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で
「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 |
発言者 |
内容 |
市場への影響 |
| 4/22 |
ウイリアアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 |
「今年の米経済はおそらく2.5%−3.0%成長となり、失業率は年末までに6.25%に低下する。」講演で。 |
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| 5/7 |
イエレン・FRB議長 |
「実施時期に関して、機械的に決められた方式やタイムテーブルは存在しない」議会証言で利上げの時期について答えて。 |
ドル円は101円台半ばから102円前後まで上昇 |
| 5/8 |
ドラギ・ECB総裁 |
「次回会合で行動することにやぶさかではない」理事会後の記者会見で。 |
ユーロドル1.3995から→1.38台前半へ |
| 5/14 |
プラート・ECB理事 |
「条件付になるだろうが、銀行に一段の長期資金を提供することは可能。再利下げも可能。複数の措置の組み合わせも考えられる」ドイツ紙とのインタビューで。 |
...... |
| 5/15 |
黒田・日銀総裁 |
「必要であれば、2%の物価目標を達成するための方法、手段、選択肢はたくさんある」都内の講演でで。 |
ドル円101円85銭から→102円12銭まで上昇 |
| 5/26 |
ドラギ・ECB総裁 |
「われわれはインフレが低すぎる状態が過度に長期化すること容認する考えはない」ポルトガルで行われたフォーラムで。 |
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| 5/28 |
ロックハート・アトランタ連銀総裁 |
「最初の利上げは15年後半になる可能性が強い」ルイジアナ州立大学での講演で。 |
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外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書