2014年7月3日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はADP雇用者数の大幅な伸びに101円84銭まで
上昇し、注目されていた「200日線」を上抜け。米長期金利の
上昇もドル買いをサポートし101円75−80銭と、ほぼ高値圏で
引ける。
- ユーロドルは反落。フランスのバルス首相がユーロ高抑制のためには
ECBはさらなる行動をとるべきだと発言したことがユーロ売りにつながった。
ユーロドルはこれまでに1.37台を何度か試したものの、結局抜けずに
この日は1.3640レベルまで下落。
- 株式市場はまちまちながら、ダウは連日の高値更新。S&P500も
最高値を更新したが、前日急騰したナスダック指数は小幅に反落。
- 債券相場は雇用数の大幅な伸びを受け下落。10年債利回りは大幅に
上昇し、約10日振りに2.62%台まで上昇。
- 金は続伸し、原油は5日続伸し104ドル台に。
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- 6月ADP雇用者数 → 28.1万人
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| ドル/円 | 101.47〜 101.84 |
| ユーロ/ドル | 1.3641 〜 1.3669 |
| ユーロ/円 | 138.59 〜 139.06 |
| NYダウ | +20.17 → 16,976.24ドル |
| GOLD | +4.30→ 1,330.90ドル |
| WTI | −0.86 → 104.48ドル |
| 米10年国債 | +0.062 → 2.628% |
本日の注目イベント
- 豪 豪5月小売売上高
- 豪 豪5月住宅建設許可件数
- 中 中国 6月非製造業PMI
- 中 中国 6月HSBCサービス製造業PMI
- 欧 ユーロ圏6月総合景気指数(改定値)
- 欧 ユーロ圏6月サービス業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏5月小売売上高
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 米 5月貿易収支
- 米 6月雇用統計
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 6月ISM非製造業景況指数
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6月のADP雇用者数が驚きの伸びを見せました。
市場予想の21.5万人増加に対して、28.1万人増加と発表され、上値の重かったドル円もさすがに
反応し、101円84銭までドル高が進みました。
戻り基調のあったドル円は、昨日の日経平均株価の上昇にも101円65銭までの伸びに留まり、
「200日線」のある、101円71銭辺りが意識される展開でした。
しかし株高に加え、民間の雇用統計であるADP雇用者数が大幅な伸びを見せたことで、本日発表される
6月の雇用統計にも上振れ期待が高まりドル円を押し上げた形になりました。
現在ドル円は「200日線」を上回っており、「雲」の中を上昇中です。
すぐ上には「52日線」があり、102円手前が今日のポイントとして想定できます。
日経平均株価も上昇基調を強め、雰囲気的には昨年末に似てきたと感じます。
株高を支えにドルがさらに上昇すれば、本日は102円台に乗せることができるかどうかが試される
展開が予想されます。
仮にこの水準を抜け、102円台を維持することができれば、今回のドル下落による「調整」は
比較的軽かったことになり、市場参加者も再びドルに対して強気に転じるきっかけになるかもしれません。
個人的には、そのタイミングはまだ早いような気もしますが、ADP雇用者数と労働省が発表する雇用統計が
大幅な伸びを見せれば、市場のセンチメントに好影響を与えることは十分考えられます。
しかし、それでもまだFRBが政策金利引き上げを前倒しにする判断基準には十分ではないと思われます。
それにはこのような結果が少なくとも数ヶ月続く必要があります。
雇用者数の大幅な増加が数ヶ月続けば、長期金利も上昇に向かい、限りなく3%に近づくことになり、
ドル円が103円台を回復し、年初来高値である105円台半ばを目指すと思われますが、それにはまだ
時間も必要で、ボラティリティーの上昇も不可欠です。
ドルが買い戻されたことでユーロドルも再び下落しています。
今週もこの欄で述べましたが、ユーロドルの1.37台前半には重要なレジスタンスポイントが
多く集まっており、簡単には抜けないと予想しました。
今回のユーロの反発は、ドイツの消費者物価指数などの上昇により、ECBは今回の理事会では動けない
という見方で買い戻された側面が強く、本来のユーロ買い材料ではありません。
そんな中、昨日はフランスのバルス首相が、「ユーロ高抑制のためにECBはさらなる行動をとるべきだ」
と発言したことで再びユーロ売りが活発になったわけです。
ECBの包括的緩和策が実施されている状況下では、ユーロ反発にも限界があると見られます。
イエレンFRB議長がIMFで講演を行い、金融の安定は金融政策以外の手段も必要だとの認識を示した
だけで、特に今後の政策見通しを示唆するものではありません。
ただ「一部でリスクテイクの増加が見られる」とも発言し、金融緩和で余った資金が想定を超えるリスクを
とっていることを警告したものと受け止められます。
ドル円は101円台後半まで戻してきました。
本日も日経平均株価が続伸しそうですが、焦点は1万5500円台を回復できるかどうかです。
この大台に乗せるようなら、上記102円のテストもありそうですが、どうでしょう・・・。
本日は「スーパーサーズデー」です。
欧州からNYにかけては材料が目白押しです。
ここをきっかけに値動きが出ることを期待して、レンジは101円30銭〜102円30銭程度と予想します。
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で
「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で
「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 |
発言者 |
内容 |
市場への影響 |
| 5/7 |
イエレン・FRB議長 |
「実施時期に関して、機械的に決められた方式やタイムテーブルは存在しない」議会証言で利上げの時期について答えて。 |
ドル円は101円台半ばから102円前後まで上昇 |
| 5/8 |
ドラギ・ECB総裁 |
「次回会合で行動することにやぶさかではない」理事会後の記者会見で。 |
ユーロドル1.3995から→1.38台前半へ |
| 5/14 |
プラート・ECB理事 |
「条件付になるだろうが、銀行に一段の長期資金を提供することは可能。再利下げも可能。複数の措置の組み合わせも考えられる」ドイツ紙とのインタビューで。 |
...... |
| 5/15 |
黒田・日銀総裁 |
「必要であれば、2%の物価目標を達成するための方法、手段、選択肢はたくさんある」都内の講演でで。 |
ドル円101円85銭から→102円12銭まで上昇 |
| 5/26 |
ドラギ・ECB総裁 |
「われわれはインフレが低すぎる状態が過度に長期化すること容認する考えはない」ポルトガルで行われたフォーラムで。 |
----- |
| 5/28 |
ロックハート・アトランタ連銀総裁 |
「最初の利上げは15年後半になる可能性が強い」ルイジアナ州立大学での講演で。 |
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| 6/5 |
ドラギ・ECB総裁 |
「今回のは意味の大きいパッケージだったと思う。しかし、これで終わりかと問われれば答えはノーだ」追加緩和を実施した後の記者会見で。 |
ユーロドルは1.3503まで下落した後、1.3667まで反発。 |
| 6/18 |
イエレン・FRB議長 |
「経済データが強めの内容を示せば時期が早まることになるが、反対に弱めの内容を示せば遅れることもあり得る」利上げのタイミングについて。 |
ドルが主要通貨に対して下落 |
| 6/24 |
カーニー・BOE総裁 |
「労働市場に想定していたよりも大きな余剰能力があることを賃金動向が示唆している」議会証言で。 |
ポンド円 173円60銭レベル→172円90銭近辺に |
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外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書