今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]






2014年9月30日(火)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は東京時間午後に安倍首相の所信演説に呼応するかのように
    109円75銭まで上昇し、110円が視野に入った。ただその後の
    海外市場では利益確定のドル売りが優勢となり、109円台は
    割り込まなかったものの上値が重い展開に。NYでの下値は
    109円13銭。
  • ユーロドルも急ピッチのユーロ安が一旦は止まる。東京時間に
    1.2664までユーロ安が進んだが、こちらも利益確定の買戻しに
    1.27台前半まで押し戻される。
  • 株式市場は反落。香港のデモで地政学的リスクが高まったとの
    見方が広がり、ダウは41ドル下落。
  • 債券相場は香港情勢から買いものを集め上昇。安全資産としての
    米国債に資金が流れ、長期金利は約3週間振りに2.5%台を割り込む。
  • 金は反発し、原油は続伸。
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  • 8月個人所得        → +0.3%
  • 8月個人支出        → +0.5%
  • 8月PCEコアデフレーター → +1.5%
  • 8月中古住宅販売成約指数  → −1. 0%
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    ドル/円109.13〜 109.51
    ユーロ/ドル1.2678 〜 1.2715
    ユーロ/円138.65 〜 139.00
    NYダウ −41.93 → 17,071.22ドル
    GOLD+3.40   → 1,218.80ドル
    WTI+1.30     → 94.57ドル
    米10年国債−0.042 → 2.478%



    本日の注目イベント

  • 日   8月失業率
  • 日   8月鉱工業生産
  • 中   中国 9月HSBC製造業PMI(改定値)
  • 独   独9月雇用統計
  • 独   独8月小売売上高
  • 欧   ユーロ圏8月失業率
  • 欧   ユーロ圏9月消費者物価指数(速報値)
  • 英   英4−6月期GDP(確定値)
  • 米   7月ケースシラー住宅価格指数
  • 米   9月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米   9月消費者信頼感指数
  • 加   カナダ7月GDP  
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    ドル円は昨日の東京時間午後に、109円75銭まで急速に値を上げ、110円手前までドル高円安が


    進行しました。


    昨日も述べましたが、ここまで来たら「110円を見ないわけには行かない」といった雰囲気になりつつ


    あります。


    昨日は、場合によっては海外市場で「110円達成」があるかもしれないとも見ていましたが、


    香港で民主化を求めるデモが数万人規模にまで拡大したことから地政学的リスクが意識され、利益確定の


    ドル売りが優勢となり、「110円達成」はお預けとなっています。





    昨日の動きなどを見ていると、やや投機的なドル買いのように見受けられますが、それもドル高トレンドを


    巧みに取り込んだ動きと解釈できます。


    経済界にも急激な円安を懸念する声も出ています。


    日本商工会議所の三村会頭や、経団連の榊原会長などが円安のスピードが速すぎるとの懸念を表明しています。





    それでも基本的には日米の金融政策の差は歴然としており、ここを基本とするドル高の流れを変えることは


    簡単ではありません。


    米国にも急激なドル高を懸念する声も徐々に出始めてはいます。


    しかしドルに対しては円だけではなく、ユーロも豪ドルも大きく下落しており、むしろ円安は米国の


    景気拡大による面が大きいとも言えます。





    この点に関しては、ダラス連銀のフィッシャー総裁が雄弁に説明しています。


    同総裁はブルームバーグラジオとのインタビューで、「強いドルは米経済への信任投票だと思う」と述べて


    います。


    また、強いドルには好都合な点があるとして、「輸入製品価格が下がり、インフレ面で当局を支援する」とも


    語っています。





    香港での民主化を求めるデモが拡大したことで、新たな地政学的リスクが意識されます。


    特にデモは中環(セントラル)で行われていることから、金融機関が集中しているためその影響が懸念されます。


    学生リーダーなどは、自由で開かれた選挙の実施などを10月1日まで行うよう要求しており、予断は許しません。





    ドル円はややリスクオフが高まりつつあるため、状況によっては円が買い戻されることも考慮しなければ


    なりません。


    今週は、ECB理事会やADP雇用者数、そして雇用統計と重要イベントが多く、この局面で


    110円に届かないようだと「調整」が始まる可能性もあると考えています。


    ドル高トレンドは継続中ながら、急激なドル高を警戒すべきステージに入っているのかもしれません。





    本日のレンジは108円80銭〜109円80銭程度を予想します。





    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
    為替はさまざま事が原因で動きます。
    その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


    日時 発言者 内容 市場への影響
    8/7 ドラギ・ECB総裁 「地政学的リスクの高まりと新興市場・地域および国際金融市場の動向が、 経済環境に悪影響を与える可能性がある」記者会見 で。  ユーロドルは1.33台後半から1.3337まで下 落。 
    8/18 ドイツ連銀月報 「第2四半期の停滞後、ユーロ圏経済が回復基調を取り戻す兆候はあるもの の、春季の予想通りのペースには達しないだろう。通 貨同盟参加国の一部で景 気の勢いは予想より弱い。同時に、ウクライナやその他地域での紛争の結果であ る東欧での地政学リスクの高まりによる企業景 況感へのい悪影響が増している ようだ」    -----    
    9/6 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 米経済がFRBの目標にさらに大きく近づいており、目標達成まで金利をゼ ロ近くに据え置くことは「危険な戦略だ」講演 で。  ------
    9/8 サンフランシスコ連銀調査 「FOMC参加者よりも一般の人々の方が一段と緩和的な政策を予想してい る様子が示されている」  ドル円105円台前半から→106円台に
    9/11 黒田・日銀総裁 「円安が日本経済にマイナスになることはない」「経済情勢によって必要が あれば、金融対策で対応する」TV東京の番組 で。  ドル円107円20銭まで上昇のきっかきに
    9/17 イエレン・FRB議長 「労働市場はまだ完全に回復していない」、「インフレは委員会の目標であ る2%を下回っている」FOMC後の記者会見 で。 ドル円」 → 108円台に急騰
    9/24 ダドリー・NY連銀総裁 「ドルが大幅に上昇すれば、経済成長への影響を伴うことになる」NYでの講演で。  -------
    9/29 フィシャー・ダラス連銀総裁 「強いドルは米経済への信任投票だと思う」ブルームバーグラジオとのインタビュー で。  ------

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    外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和