今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]






2014年10月30日(木)




ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • FOMCの声明文がやや「タカ派的」だったことから、債券が売られ、
    金利が上昇。ドル円はこれに反応し一時108円97銭と、3週間ぶりの
    ドル円高水準を記録。
  • ユーロドルも1.2770まで買い戻された後、ドル買いが強まり
    1.26台前半まで急落。
  • 株式市場はFOMC声明文で利上げが意識され反落。ダウは5日振りに
    下落。フェイスブックの下げが相場全体の雰囲気を崩したとの声も。
  • 債券相場も続落。QE終了が予定通り決定されたことも売りにつながり
    長期金利は一時2.35%と、3週間振りの高水準を記録し、2.32%台で
    取引を終える。
  • ドルが買われたことで金は反落。原油は在庫が減少していたことで
    小幅に買われた。
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    ドル/円108.02〜 108.97
    ユーロ/ドル1.2631 〜 1.2770
    ユーロ/円137.41 〜 138.02
    NYダウ −31.44 → 16,974.31ドル
    GOLD−4.50   → 1,224.90ドル
    WTI+0.78     → 82.20ドル
    米10年国債+0.022   → 2.321%



    本日の注目イベント

  • 独   独10月雇用統計
  • 独   独10月消費者物価指数(速報値)
  • 欧   ユーロ圏10月景況感指数
  • 米   新規失業保険申請件数
  • 米   7−9月期GDP(速報値)
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    今朝未明に発表されたFOMC声明文に反応し、ドル円は108円97銭までドル高が進みました。


    これは10月1日に110円台を記録した後、下落に転じた7日以来の水準です。


    声明文の内容は概ね予想通りでしたが、労働市場に関する部分がやや「タカ派的」と受け止められ、ドル買い


    につながりました。





    声明文では、予定通り量的緩和(QE)を今月で終了することを決めました。


    これは既に、イエレン議長自らも事前にアナウンスしてたこともあり「想定通り」と受け止めています。


    そして注目の「相当な期間」という文言の取り扱いですが、予想通り据え置かれました。


    ここまでは昨日この欄で予想した通りでしたが、雇用に関する部分に変化が見られました。





    前回9月の声明文では「労働力の活用がなお極端に低い状態にある」といった表現だったものが、今回は


    「労働力の活用不足が徐々に解消されつつある」という文言に修正されていました。


    市場はこの部分に反応した模様で、利上げ観測が前倒しになるとの観点から、株が売られ、債券も売られ


    長期金利が上昇しました。





    株が売られれば「リスクオフ」からドル円も下落する傾向があり、長期金利の上昇はドルが買われ易い


    ことになります。


    今月中旬からNY株式市場が大幅に下落したことで、ドル円も110円から105円台前半まで売られた


    ことは記憶に新しいところです。


    足元の為替にとっては株式市場の動きが最大の変動要因であると考え、声明文発表後はドルが売られる展開


    を予想していましたが、昨日は金利の上昇に素直に反応した格好でした。


    個人的にはドル円の109円手前までの上昇は、やや過剰反応だったのではないかと考えております。


    「相当な期間」という文言が外されていたら、110円台もあったかもしれません。





    昨日のドルの上昇で、ドル円は今月の下落分の8割近くまで値を戻したことになります。


    110円が再び近づいてきた感じもしますが、この水準から110円に戻すには、今度は利上げ観測の


    前倒しにつながる材料が必要になってきます。


    それが、もしかしたら今夜のGDPになるのか、あるいは来週の雇用統計になるのか解りませんが、


    今月半ばに記録した105円20銭は目先の底値になったと考えられます。





    現在のところ、FF金利の引き上げは来年半ば頃という見方は変わっていません。


    これが来年前半頃には、といった見方になると長期金利がさらに上昇し、株価の下落につながりそうですが、


    冷静に考えれば政策金利を引き上げるということは、FRBが米国の経済成長に確信を持ったことに他なりません。


    景気が確実に拡大するということは、企業業績の拡大にもつながり、株にとっては本来プラス要因です。


    これからも続くであろう金融市場の混乱は、リーマンショク後に実施された「異次元の金融緩和策」から


    「平時の金融政策」に戻るための、いわば「試練」だと言えます。


    いずれ日銀も同じような「試練」に見舞われることになります。





    今日の日本株は円安を好感してやや買い先行で始まりそうです。


    株価の上昇に伴って109円台を覗くことができるのかどうかという点が注目されますが、ドル売り意欲もそれ


    なりに見られそうです、


    レンジは108円30銭から109円30銭程度と予想します。





    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
    為替はさまざま事が原因で動きます。
    その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


    日時 発言者 内容 市場への影響
    8/7 ドラギ・ECB総裁 「地政学的リスクの高まりと新興市場・地域および国際金融市場の動向が、 経済環境に悪影響を与える可能性がある」記者会見 で。  ユーロドルは1.33台後半から1.3337まで下 落。 
    8/18 ドイツ連銀月報 「第2四半期の停滞後、ユーロ圏経済が回復基調を取り戻す兆候はあるもの の、春季の予想通りのペースには達しないだろう。通 貨同盟参加国の一部で景 気の勢いは予想より弱い。同時に、ウクライナやその他地域での紛争の結果であ る東欧での地政学リスクの高まりによる企業景 況感へのい悪影響が増している ようだ」    -----    
    9/6 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 米経済がFRBの目標にさらに大きく近づいており、目標達成まで金利をゼ ロ近くに据え置くことは「危険な戦略だ」講演 で。  ------
    9/8 サンフランシスコ連銀調査 「FOMC参加者よりも一般の人々の方が一段と緩和的な政策を予想してい る様子が示されている」  ドル円105円台前半から→106円台に
    9/11 黒田・日銀総裁 「円安が日本経済にマイナスになることはない」「経済情勢によって必要が あれば、金融対策で対応する」TV東京の番組 で。  ドル円107円20銭まで上昇のきっかきに
    9/17 イエレン・FRB議長 「労働市場はまだ完全に回復していない」、「インフレは委員会の目標であ る2%を下回っている」FOMC後の記者会見 で。 ドル円」 → 108円台に急騰
    9/24 ダドリー・NY連銀総裁 「ドルが大幅に上昇すれば、経済成長への影響を伴うことになる」NYでの講演で。  -------
    9/29 フィシャー・ダラス連銀総裁 「強いドルは米経済への信任投票だと思う」ブルームバーグラジオとのインタビュー で。  ------
    10/07 黒田・日銀総裁 「今まで起こった円安について問題が生じている、日本経済全体にとってマイナスになっているということはない」参議院予算委員会で。  ドル円108円後半から109円23銭まで上昇
    10/14 デベル・オーストラリア準備銀行連銀総裁補佐 「豪ドル相場は大半の尺度からみて引き続き過大評価されている」講演 で。  ------
    10/16 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレ期待の低下は)中央銀行にとって重要な検討事項だ。従って、現時点での論理的な政策対応は量的緩和(QE)を遅らせることかもしれないと考える」ブルームバーグとのインタビュー で。  NY株価下落を抑える
    10/17 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「景気が悪化した場合には量的緩和第4弾(QE4)を検討すべきだ」  ------

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    外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和