2014年11月17日(月)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は引き続き上昇し、一時116円83銭までドル高が進行。小売売上高やミシガン大学消費者マインドが市場予想を上回り、日本の消費税増税先送り見通しも円売りに拍車をかけた。午後は株価が軟調だったため116円05銭まで下げたものの、116円台を維持して取引を終える。
- ユーロドルは1.24前後から反発し、1.2546まで上昇。ユーロ円の買いが活発で、ユーロドルを下支えした面もあり、ユーロドルは終始堅調に推移。
- 債株式市場は高安まちまち。エネルギー株が反発したものの、全体では売り買い交錯。ダウは18ドル値下がりし、ナスダックは8ポイント上昇。
- 債券相場は来年の利上げ観測が強まり、5年債と30年債の利回り曲線がフラット化。10年債利回りも2.32%とやや低下。
- 金、原油は共に急反発。
| ドル/円 | 116.05〜 116.83 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.2398 〜 1.2546 |
| ユーロ/円 | 144.77 〜 145.64 |
| NYダウ | −18.05 → 17,634.74ドル |
| GOLD | +24.10 → 1,185.60ドル |
| WTI | +1.61 → 75.82ドル |
| 米10年国債 | −0.030 → 2.320% |
本日の注目イベント
- 日 7−9月GDP(速報値)
- 欧 ユーロ圏9月貿易収支
- 米 11月NY連銀製造業景況指数
- 米 10月鉱工業生産
ドル円は好材料には素直に反応し、NY市場では一時116円83銭までドル高が進み、円売りの勢いは止まりません。円は対ユーロでも今朝方は146円台まで上昇し、対豪ドルでも102円台と、いずれも今年の最高値を大きく更新しています。
市場は「とにかく、円を売っておけばいい」といった雰囲気になっており、正直なところ、円安のスピードがどこで止まるのか予断を許さない状況になっていると考えられます。やや投機的と言わざるを得ません。ここからポジションメイクを行う場合には慎重さが要求されます。ロングもなかなか勇気のいるレベルですが、ショートも売りサインが出るまでは待つ必要があります。
特に先週末のNYでは、長期金利も低下し、株式市場もまちまちの動きでした。好調な経済指標が発表されたものの、その後は金や、原油なども急反発しています。一旦はポジションを閉じる動きが出たものと思われます。しかし、ドル円は今朝方も116円台半ばを超える水準で取引されており、円だけが集中的に売り込まれている印象が残ります。
確かに消費税増税を1年半ほど先送りすることは足元の景気にはプラスです。また株式市場にとっても好材料となり、株価の上昇につながります。しかし既に「追加緩和」は実施済で、いずれ引き上げられる消費税増税後の景気悪化の際の「追加緩和第二弾」の可能性は低下することになります。
さらに黒田日銀総裁は「消費税増税を実施した際の混乱には対処できるが、先送りした際の混乱には対処できない」趣旨の発言を行ってきました。これまで安倍首相は黒田総裁と足並みを揃え「デフレからの脱却」と「アベノミクスの推進」を行ってきましたが、やや歩調が合わなくなってきたとも受け取れます。本日帰国後に消費税と衆議院解散に関する見解を発表すると思われますが、非常に注目されます。
117円近辺まで上昇したドル円は、チャートをみる限り上値のメドが掴めません。意識されるのは2007年6月から7月に記録した123円67銭から124円14銭の水準と言えそうです。さすがにそこまでは距離もあり、来年の目標として見ていますが、その前の水準とすれば節目の「120円」ということになります。現在の水準から120円のどこかではポジションの巻き戻しが起こることは必至だと考えますが、その幅が1円程度なのか、あるいは5円を超えるものなのか、現段階では判断できません。しかし、これだけ急激に円安が進んだことを考えれば、ドルが反落した際にはかなりの値幅になるというのが定石かと思います。
本日のレンジは115円80銭〜117円程度かと予想します。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 9/6 | プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 | 米経済がFRBの目標にさらに大きく近づいており、目標達成まで金利をゼロ近くに据え置くことは「危険な戦略だ」講演で。 | ------ |
| 9/8 | サンフランシスコ連銀調査 | 「FOMC参加者よりも一般の人々の方が一段と緩和的な政策を予想している様子が示されている」 | ドル円105円台前半から→106円台に |
| 9/11 | 黒田・日銀総裁 | 「円安が日本経済にマイナスになることはない」「経済情勢によって必要が あれば、金融対策で対応する」TV東京の番組で。 | ドル円107円20銭まで上昇のきっかきに |
| 9/17 | イエレン・FRB議長 | 「労働市場はまだ完全に回復していない」、「インフレは委員会の目標である2%を下回っている」FOMC後の記者会見で。 | ドル円 → 108円台に急騰 |
| 9/24 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「ドルが大幅に上昇すれば、経済成長への影響を伴うことになる」NYでの講演で。 | ------- |
| 9/29 | フィシャー・ダラス連銀総裁 | 「強いドルは米経済への信任投票だと思う」ブルームバーグラジオとのインタビューで。 | ------- |
| 10/07 | 黒田・日銀総裁 | 「今まで起こった円安について問題が生じている、日本経済全体にとってマイナスになっているということはない」参議院予算委員会で。 | ドル円108円後半から109円23銭まで上昇 |
| 10/14 | デベル・オーストラリア準備銀行連銀総裁補佐 | 「豪ドル相場は大半の尺度からみて引き続き過大評価されている」講演で。 | ------ |
| 10/16 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「インフレ期待の低下は)中央銀行にとって重要な検討事項だ。従って、現時点での論理的な政策対応は量的緩和(QE)を遅らせることかもしれないと考える」ブルームバーグとのインタビューで。 | NY株価下落を抑える |
| 10/17 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「景気が悪化した場合には量的緩和第4弾(QE4)を検討すべきだ」 | ------ |
| 11/5 | 黒田・日銀総裁 | 「物価の下振れリスクが大きくなったのであれば、追加的な措置を行うことは当然の論理的帰結だ」講演で。 | ドル円113円台半ばから114円に |
| 11/7 | イエレン・FRB議長 | 「金融政策の正常化が市場の変動を増す可能性がある」パリで開催の国際シンポジュームで。 | ----- |
| 11/12 | コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁 | 「物価上昇の見通しを踏まえると、2015年に開催されるFOMC会合においても、利上げを決定するのは不適切」講演で。 | ------ |



