今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年1月15日(木)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は小売売上高が予想より弱かったことで116円07銭近辺まで下落。その後のベージュブックでは景気が緩やかに拡大しているとの報告や、原油価格の上昇に、117円台半ばまで値を戻す。
  • ユーロドルはEU裁判所の条件つきながら合憲との決定に利益確定の買い戻しで1.18台半ばまで反発したが、その後は再びじり安に。
  • 株式市場は4日続落。小売売上高が予想を下回ったことで景気の先行きを懸念した売りが勝った。ダウは186ドル下落し1万7400ドル台に。
  • 債券相場は続伸。世界的な金利低下から米国債への相対的な魅力が増し、長期金利は一時1.8%割れまで低下。1.85%まで戻して取引を終える。
  • 金は小幅に続伸。原油価格は4日ぶりに反発し48ドル台を回復。

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    12月小売売上高 → −0.9%
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    ドル/円 116.07 〜 117.44
    ユーロ/ドル 1.1787 〜 1.1847
    ユーロ/円 137.43 〜 138.38
    NYダウ −186.59 → 17,427.09ドル
    GOLD +0.10 → 1,234.50ドル
    WTI +2.59 → 48.48ドル
    米10年国債 −0.055 → 1.850%

    本日の注目イベント

    • 豪   豪12月雇用統計
    • 欧   ユーロ圏11月貿易収支
    • 米   1月NY連銀製造業景気指数
    • 米   12月生産者物価指数
    • 米   1月フィラデルフィア連銀景況指数
    • 米   新規失業保険申請件数

    期待していた米小売売上高が予想を下回る弱さを見せたことで、ドル円は一段と下落。米長期金利も一時は1.8%を割り込む水準まで低下し、株安、金利低下、リスク回避と、円買いが進み易い状況になっています。ドル円は一時116円07銭近辺まで下落し、約1ヶ月ぶりの円高水準を記録しましたが、その後は原油価格が3日ぶりに反発に転じたことで117円半ばまで上昇しました。

    ドル円は底値から1円30銭以上値を戻したことで、「日足」ではかなり「長い下髭」を形成しました。これは、昨年12月16日の115円台を記録した際のチャートに酷似しています。この時は翌日にもドル円は119円に迫るほど急反発したため、やや期待も膨らみます。ただ、原油価格、米長期金利、あるいは株価の水準が当時とは異なるため、単純に「目先の底値」と判断するわけには行きませんが、116円台半ばからの突っ込み売りにはかなりのリスクがあることは考慮すべきでしょう。

    欧州司法裁判所は、ドラギ総裁が2012年に打ち出した債券購入計画OMTについて、原則的にEC条約に沿っているとの意見を示し、条件付で支持しました。これに関連して独紙は14日、ドラギ総裁のインタビュー記事を掲載しています。総裁は記事の中で、物価安定という「ECBの責務を果たすことを政策委員会メンバー全員、決意している」と述べています。また、「達成する方法については、当然のことながら異なる意見があるが、選択肢が無限にあるわけではない」とも語っています。司法裁判所の判断を受けて、22日の理事会で行動を起こす可能性が一段と高まったと見られます。

    ユーロドルはこの材料に利益確定のユーロ買い戻しが入り、1.18台半ばまで上昇しましたが、その後は再び1.17台に押し戻されています。22日の理事会で、仮に国債を含む何らかの量的緩和策が示された場合にも、同じような動きが見られるかもしれません。ただ、その後にもギリシャの総選挙を控えていることから、ユーロの先安感は相当根強いものと思われます。

    ドル円は依然として上値の重い展開が予想されます。そして値幅もそこそこ見られ、値動きも荒っぽくなりがちです。116円台前半で下げ止まり、そこから1円を超える反発を見せたことから、今日の動きの中では116円台半ばから117円の間では、ドル買い意欲も見られると予想されます。株式市場が不安定な動きを見せていることから、株価次第ということも言えますが、原油価格が3日ぶりに反発した影響が、株式市場にどの程度あるのかを見極めながらドル円を見る必要があります。予想レンジは116円30銭〜118円程度と見たいと思います。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    12/2 フィッシャー・FRB副議長 「それ(相当な期間という文言)に関する協議があったことが前回のFOMCの議事録で分かっており、当局がその削除に数ヶ月前より近づいているのは明白だ」WSJのカウンシル会議で。 ------
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「来年の早い時期にわれわれの措置の規模とペース、組み合わせを変更することにつながるだろう」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.24台半ばから1.2370近辺に下落
    12/16 イエレン・FRB議長 「正常化に向けたプロセスが少なくとも今後数回の会合では始まらない可能性が高いとFOMCが見なしている」FOMC後の記者会見で。 ドル急騰。株高金利高で、ドル円は117円台から118円台後半に
    12/30 プラート・ECB理事 「ユーロ圏のインフレ率が2015年より長期間ゼロを下回るだろう。理事会はそれを見過ごすことはできない」独紙とのインタビューで。 ------
    1/7 FOMC議事録 「辛抱強さへの言及について、委員会が正常化プロセスを少なくとも無効2会合で開催する可能性は低いことを意味しているとの認識を示した」 ------
    1/7 FOMC議事録 「コアインフレが現在の水準付近で推移している状況で正常化を開始する可能性があると指摘。ただその場合、参加者はインフレ率が時とともに2%台へと戻っていくことにある程度の自信を持ちたいとの認識を示した」 ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和