今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年1月16日(金)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • スイス中銀がフラン防衛の上限枠を撤廃したことからスイスフランが急伸。安全通貨の円も連れ高となり、116円16銭近辺まで下落。株安、金利低下でリスクオフムードが拡大。
  • スイス中銀のフラン上限撤廃により、来週のECB理事会での緩和観測がさらに高まりユーロドルは1.15台半ばまで急落。1.16台前半まで反発して引ける。
  • 株式市場は5日続落。BOAなど銀行決算が低調だったこともあり売り優勢の展開が続く。ダウは106ドル下落し、主要株価指数も5日続落。
  • 債券は大幅に続伸。米国債の利回りが相対的に魅力的との観測が広がり価格は急上昇。長期金利は1.74%台まで低下。
  • 金は大幅に続伸し約4ヶ月ぶりに1260ドル台に。原油は50ドルを超える場面もあったが、結局前日比2ドルを超える下落で46ドル台に。

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    1月NY連銀製造業景気指数    → 9.95
    12月生産者物価指数       → −0.3%
    1月フィラデルフィア連銀景況指数 → 6.3
    米新規失業保険申請件数      → 31.6万件
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    ドル/円 116.16 〜 117.25
    ユーロ/ドル 1.1568 〜 1.1740
    ユーロ/円 135.00 〜 136.86
    NYダウ −106.38 → 17,320.71ドル
    GOLD +30.30 → 1,264.80ドル
    WTI −2.23 → 46.25ドル
    米10年国債 −0.108 → 1.742%

    本日の注目イベント

    • 欧   ユーロ圏12月消費者物価指数(改定値)
    • 米   12月消費者物価指数
    • 米   12月鉱工業生産
    • 米   1月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
    • 米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
    • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演
    • 米   企業決算 → ゴールドマンサックス

    スイス中銀がユーロスイスの介入上限を撤廃し、マイナス金利を拡大すると発表したことで、スイスフランが主要通貨に対して急伸。対ドルでは2500ポイント、対ユーロでは2800ポイントほど上昇しました。安全通貨の円もこの動きに引っ張られ、117円台後半から116円台前半まで円高が進みました。

    スイス中銀の発表はかなりのサプライズでした。来週のECB理事会ではECBが量的緩和に踏み切るとの観測が強く、ユーロが主要通貨に対して売られる展開が続いていることが背景と見られます。スイス中銀のヨルダン総裁は会見で「決定は市場を驚かせたが、ほかのやり方はできなかった」と語り、フランの上限維持は「持続可能な政策ではないとの結論に達した」と説明しました。保守的なスイス中銀が「無制限の介入」から一転して「上限撤廃」に追い込まれた構図は、かつてジョージソロスがイングランド銀行を負かしたエピソードを思い起こさせます。

    スイス中銀の発表を受けて安全通貨の円も急伸し116円台前半まで円高が進み、早朝には115円台後半までドル安が進む場面もありました。昨日の東京時間では終始117円台で堅調に推移し、日経平均株価が320円上昇したことで、117円94銭までドルが買われましたが、スイス中銀の発表に冷や水を浴びせられた格好です。

    もっとも、117円台後半は「1時間足」の雲の下限が横たわっており、この雲を抜け切るには118円15銭程度まで上昇する必要もあり、そこまでの反発力がなかったと見ることもできます。この欄でも記述したように、「日足」では既に遅行スパンがローソク足を下抜けしており、下値を試す展開も予想されました。

    既に115円台後半まで下落したドル円ですが、今日も下値を試す展開が予想されます。「日足」では現在雲の中を下落中ですが、この雲を下抜けする水準は113円50銭前後です。従って、先ずは昨年12月16日に記録した115円57銭が最初のサポートとして意識されます。115円を割り込むようだと、上記雲の下限の113円台半ばが非常に重要なサポートになると考えられます。

    それにしても米長期金利の低下スピードには驚きます。2%の大台を割り込んだのが1月6日です。それから僅か10日ほどで1.74%台まで急低下してきました。日本だけではなく、ドイツやフランスなどの国債利回りが、根強いECBの緩和観測から急低下していることで、2%を割り込んでも米国債が相対的に魅力的だという解釈のようです。こうなると、今年中頃には利上げすると見られる「利上げ観測」も、ほとんど影響が見られない状況です。

    今日も依然としてボラティリティの高い動きになります。値幅も大きくなりそうなことから、ポジションの管理には十分注意が必要です。

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    毎年恒例のバイロン・ウイーン氏の「びっくり10大予想」が先週出ました。昨年は「ドル円は120円に」という予想を行い、みごとに的中させました。今年は残念ながら為替に関する予想はなかったのですが、印象の残ったのは「米利上げは年前半に」というサプライズと「S&P500が15%上昇」という予想です。もし、これが実現すれば、いずれもドル高要因と考えられます。もっとも、「日経平均は横ばい」という予想もあり、為替にはニュートラルかもしれません。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    12/2 フィッシャー・FRB副議長 「それ(相当な期間という文言)に関する協議があったことが前回のFOMCの議事録で分かっており、当局がその削除に数ヶ月前より近づいているのは明白だ」WSJのカウンシル会議で。 ------
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「来年の早い時期にわれわれの措置の規模とペース、組み合わせを変更することにつながるだろう」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.24台半ばから1.2370近辺に下落
    12/16 イエレン・FRB議長 「正常化に向けたプロセスが少なくとも今後数回の会合では始まらない可能性が高いとFOMCが見なしている」FOMC後の記者会見で。 ドル急騰。株高金利高で、ドル円は117円台から118円台後半に
    12/30 プラート・ECB理事 「ユーロ圏のインフレ率が2015年より長期間ゼロを下回るだろう。理事会はそれを見過ごすことはできない」独紙とのインタビューで。 ------
    1/7 FOMC議事録 「辛抱強さへの言及について、委員会が正常化プロセスを少なくとも無効2会合で開催する可能性は低いことを意味しているとの認識を示した」 ------
    1/7 FOMC議事録 「コアインフレが現在の水準付近で推移している状況で正常化を開始する可能性があると指摘。ただその場合、参加者はインフレ率が時とともに2%台へと戻っていくことにある程度の自信を持ちたいとの認識を示した」 ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和