今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年1月21日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は118円台で堅調に推移。日銀による追加緩和期待もあり、118円台に乗せた後もドル買いが続き、NYでは118円87銭までドル高が進行。
  • ユーロドルは22日の理事会を前に神経質な展開。1.16台に乗せる場面もあったが続かず、1.15台半ばで取引を終える。
  • ECBによる緩和観測を背景に株式市場は続伸。日欧で株価が上昇したこともあり、ナスダック指数は20ポイント上昇。ダウは小幅な上昇に留まる。
  • 債券相場は反発。主要国の長期金利が軒並み低下傾向を強める中、2%を切る水準の米国債に資金が向かっているとの報道も。長期金利は1.79%台まで低下。
  • 金は続伸。原油価格はIMFが世界景気の見通しを下方修正したこともあり、再び46ドル台まで下落。
    ドル/円 118.25  〜  118.87
    ユーロ/ドル 1.1541  〜  1.1605
    ユーロ/円 136.86  〜 137.63
    NYダウ +3.66  →  17,515.23ドル
    GOLD +17.30  →  1,294.20ドル
    WTI −2.30  →  46.39ドル
    米10年国債 −0.037  →  1.793%

    本日の注目イベント

    • 日   日銀金融政策決定会合
    • 日   黒田日銀総裁記者会見
    • 欧   世界経済フォーラム・ダボス会議
    • 英   BOE議事録
    • 英   12月雇用統計
    • 米   12月住宅着工件数
    • 米   12月建設許可件数

    IMFが2015年の世界全体の経済見通しを3.5%に下方修正しました。昨年10月時点では、3.8%との予想でしたので、0.3%下方修正したことになります。原油価格の大幅下落や、昨日10−12月期のGDPが7.3%と発表された中国の景気減速、さらには欧州景気の低迷などが加味されたものです。

    そんな中でも、米国の経済成長を3.1%から、3.6%に上方修正しています。日本を含め全ての先進国や、ブラジルなど新興国の経済成長が下方修正されたことと対照的です。昨年後半から続いている「米国の一人勝ち」が、今回のIMFの発表で裏づけられた形で、市場が再び好調な米経済に目を向けるようだと、ドル高が進むのは自然な流れと言えます。

    昨日の朝方に118円台を回復したドル円は、その後も堅調に推移し、NY市場では118円台後半までドルが買われました。特にドル買い材料があったわけでもなく、上記IMFの景気見通しがドル高に作用した面はあるかもしれませんが、やはり日欧で株価が堅調だったことが大きかったと思われます。

    特に日経平均株価は320円高と、これまでの低迷がうそのような動きを見せました。本日も行われる日銀金融政策決定会合で、再度追加緩和を織り込む動きとの説明もありましたが、本日の政策変更はないと思われます。それでも、「2年で2%程度の物価上昇」を掲げる日銀にとっては、原油安という猛烈な逆風が吹いていることで、目標達成は困難との見方が徐々に強まっています。従って、「追加緩和」も十分あり得るとの観測が広がり、これが株価にプラスに働いたということのようです。

    ただまだドル円は120円台を回復する力はないように思います。原油価格は昨日も46ドル台で取引を終えています。また米長期金利も1.79%台まで低下しています。今年の中頃には利上げに踏み切るという市場のコンセンサスがある中、世界的に金利低下が続いているとしても、米金利の低下はなかなか説明できない現象です。こうなると、米国の利上げが遅れるという見方もできなくはありません。

    中国の景気減速は鮮明になっており、米国一国で世界景気を牽引することはできません。「米国の一人勝ち」がどこまで続くのかというのも焦点になりそうです。世界的な低金利が続いていることで、生保など機関投資家にとっても運用が難しい状況です。大手生保の中には、既に契約者にコミットする「予定利率」を引き下げたところもあります。これは保険料が上がることを意味し、最終的には契約者に跳ね返ってきます。今朝のブルームバーグのニュースにも「ゼロ金利の世界で頼りになるのは高配当利回り銘柄か」といった見出しで、高配当銘柄や増配見込みの銘柄を紹介しています。

    本日は午後に黒田日銀総裁の記者会見が予定されています。「2年で2%の物価上昇」に関してどのような発言を行うのか、また原油価格の影響をどのように捉えているのか、その発言内容が注目されます。予想レンジは118円〜119円30銭程度と見ます。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    12/2 フィッシャー・FRB副議長 「それ(相当な期間という文言)に関する協議があったことが前回のFOMCの議事録で分かっており、当局がその削除に数ヶ月前より近づいているのは明白だ」WSJのカウンシル会議で。 ------
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「来年の早い時期にわれわれの措置の規模とペース、組み合わせを変更することにつながるだろう」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.24台半ばから1.2370近辺に下落
    12/16 イエレン・FRB議長 「正常化に向けたプロセスが少なくとも今後数回の会合では始まらない可能性が高いとFOMCが見なしている」FOMC後の記者会見で。 ドル急騰。株高金利高で、ドル円は117円台から118円台後半に
    12/30 プラート・ECB理事 「ユーロ圏のインフレ率が2015年より長期間ゼロを下回るだろう。理事会はそれを見過ごすことはできない」独紙とのインタビューで。 ------
    1/7 FOMC議事録 「辛抱強さへの言及について、委員会が正常化プロセスを少なくとも無効2会合で開催する可能性は低いことを意味しているとの認識を示した」 ------
    1/7 FOMC議事録 「コアインフレが現在の水準付近で推移している状況で正常化を開始する可能性があると指摘。ただその場合、参加者はインフレ率が時とともに2%台へと戻っていくことにある程度の自信を持ちたいとの認識を示した」 ------
    1/15 ヨルダン・スイス中銀総裁 「決定は市場を驚かせたが、ほかのやり方はできなかった」スイスフランの上限撤廃発表後に記者団に スイスフラン 対ドルで2500ポイント、対ユーロで2800ポイントほど上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和