今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年1月27日(火)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は、ギリシャの総選挙で急進左派連合が勝利したことから、アジア市場では117円台前半までドル売りが進んだ。その後は徐々に買い戻され、ユーロ圏からの離脱はないとの見方が広がり118円台半ばまでドルが買い戻される。
  • ユーロも対ドル、対円での買戻しが優勢となり、ユーロドルは1.13目前まで上昇。一時130円台まで下落したユーロ円も133円台後半まで値を戻す。
  • 株式市場は朝方ギリシャ選挙の結果を受けて軟調に始まったものの、結局主要3指数とも小幅高で取引を終える。
  • 債券相場も上昇して始まったが、引けでは小幅安。長期金利は1.82%台まで上昇。
  • 金は続落。原油価格も44セント安で45ドル台前半に。
    ドル/円 118.14 〜 118.49
    ユーロ/ドル 1.1259 〜 1.1296
    ユーロ/円 132.98 〜 133.70
    NYダウ +6.10 → 17,678.70ドル
    GOLD −13.20 → 1,279.40ドル
    WTI −0.44 → 45.15ドル
    米10年国債 +0.038 → 1.828%

    本日の注目イベント

    • 中   中国 12月工業生産
    • 中   中国 12月景気先行指数
    • 英   英10−12月期GDP(速報値)
    • 米   12月耐久財受注
    • 米   11月ケースシラー住宅価格指数
    • 米   12月新築住宅販売件数
    • 米   1月消費者信頼感指数
    • 米   1月リッチモンド連銀製造業指数

    ギリシャの総選挙では、事前予想通り急進左派連合が勝利し、ツィプラス党首は公約どおり反緊縮財政の考えを改めて表明しました。昨日の朝方は急進左派連合勝利の報道に、「リスクオフ」の流れが強まり、ドル円は117円27銭まで売られましたが、その後は徐々に買戻しが入り、欧州市場ではギリシャのユーロ圏からの離脱はないとの見方が広がり、ユーロが大きく反発しました。

    ツィプラス党首も、緊縮財政は取りやめると発言はしているものの、ユーロ圏からの離脱は望んでいないと伝えられています。EUやECBあるいはIMFからの支援は2月に切れる予定ですが、今後はユーロ圏の財務相会合の席でギリシャへの支援の内容が議論されることになります。

    新政権にとっても、トロイカからの支援がなければ財政が持たないことは理解しているはずで、新政権が反緊縮財政を全面に出せば、ドイツなどが難色を示すことになります。そのあたりの交渉が今後の大きな焦点になりますが、ひとまずギリシャのユーロ圏からの離脱は非現実的であるということのようです。仮に離脱して、通貨を元の「ドラクマ」に戻しても、「ドラクマ」は市場で相当厳しい売り圧力にさらされ通貨安が進むことになります。その結果、ギリシャ国民がハイパーインフレに悩まされることになります。

    ECBの量的緩和決定に次いで、ギリシャの総選挙が終わり、これで材料出尽くし感がユーロの買戻しにつながっているものと思います。ユーロドルはほぼ1.1近辺で下げ止まり、ユーロ円も130円台を底値に反発してきました。個人的には、このままユーロが反転するとは思えず、インフレ率の低下、高失業率、さらには成長率の鈍化など、不安材料は多く存在し、ユーロ圏の先行きに明るい兆しが見えるまでには多くの時間が必要です。ユーロ売りが大きく積み上がったことと、ユーロに対する総悲観がユーロの反発につながったに過ぎないと考えています。今後はギリシャ新政権の対応次第では、再びユーロが売られることは十分考えられます。

    ドル円は118円台後半から上値が重い一方、下値も115円台半ばが抜け切れません。先週からはさらに、下値も切りあがっており、今朝の市場関係者の指摘でもありましたが「三角保ち合い」(さんかくもちあい)を、日足では形成しつつあります。115−120円のレンジの中でも、徐々に相場が収斂されて来ると見られますが、このレンジをどちらかに抜けるにはまだ時間がかかりそうな状況です。

    米国の利上げ観測が前か後にずれることが、最もインパクトを与えると見られますが、今週のFOMCやGDPの発表がそのきっかけになる可能性もあります。また、原油価格の動向からは関心がやや薄れて来てはいますが、依然として45ドル台で推移している原油価格からも目が離せません。

    今日はドル円が堅調に推移しそうですが、「壁」になっている118円80−119円が抜けるかどうかがカギになりそうです。レンジ相場と割り切れば、このあたりからドル売りが並ぶものと思われますが、「重い」という印象が再確認されるようだと、再び117円台もあろうかと思います。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    12/2 フィッシャー・FRB副議長 「それ(相当な期間という文言)に関する協議があったことが前回のFOMCの議事録で分かっており、当局がその削除に数ヶ月前より近づいているのは明白だ」WSJのカウンシル会議で。 ------
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「来年の早い時期にわれわれの措置の規模とペース、組み合わせを変更することにつながるだろう」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.24台半ばから1.2370近辺に下落
    12/16 イエレン・FRB議長 「正常化に向けたプロセスが少なくとも今後数回の会合では始まらない可能性が高いとFOMCが見なしている」FOMC後の記者会見で。 ドル急騰。株高金利高で、ドル円は117円台から118円台後半に
    12/30 プラート・ECB理事 「ユーロ圏のインフレ率が2015年より長期間ゼロを下回るだろう。理事会はそれを見過ごすことはできない」独紙とのインタビューで。 ------
    1/7 FOMC議事録 「辛抱強さへの言及について、委員会が正常化プロセスを少なくとも無効2会合で開催する可能性は低いことを意味しているとの認識を示した」 ------
    1/7 FOMC議事録 「コアインフレが現在の水準付近で推移している状況で正常化を開始する可能性があると指摘。ただその場合、参加者はインフレ率が時とともに2%台へと戻っていくことにある程度の自信を持ちたいとの認識を示した」 ------
    1/15 ヨルダン・スイス中銀総裁 「決定は市場を驚かせたが、ほかのやり方はできなかった」スイスフランの上限撤廃発表後に記者団に スイスフラン 対ドルで2500ポイント、対ユーロで2800ポイントほど上昇
    1/23 マレー・IMF報道官 「起こりうる結果としてギリシャの離脱を予想していない」25日のギリシャ総選挙について ------
    1/23 ルー・財務長官 「強いドルは米国にとってプラスだ」ダボス会議で ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和