今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年1月29日(木)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 東京時間では堅調に推移するドル円も、海外市場に入ると売られる展開が続いています。FOMC声明文を受け、株安、債券高が進んだことでドル円は117円25銭まで下落。
  • ユーロドルでは再びドル高ユーロ安が進行。FOMCでは年内利上げの開始のペースは変わらないとの見方からユーロドルは1.13台半ばから1.1275近辺まで下げる。
  • 株式市場は前日に続き大幅続落。原油安でエネルギー株が売られ、さらにFOMC声明文では利上げのタイミングが後ずれしないとの見方が広がった。ダウは195ドル安の1万7100ドル台に。
  • 債券相場は続伸。FOMCで世界景気のリスクに触れたこともあり、安全資産の債券が買われた。長期金利も1.72%台まで低下。
  • 金、原油は共に下落、原油は在庫が予想以上に膨らんでいたことが背景。
    ドル/円 117.26 〜 117.98
    ユーロ/ドル 1.1276 〜 1.1370
    ユーロ/円 132.45 〜 133.84
    NYダウ −195.84 → 17,191.37ドル
    GOLD −5.80 → 1,285.90ドル
    WTI −1.78 → 44.45ドル
    米10年国債 −0.088 → 1.724%

    本日の注目イベント

    • 独   独1月雇用統計
    • 独   独1月消費者物価指数(速報値)
    • 欧   ユーロ圏12月マネーサプライ
    • 欧   ユーロ圏1月景況感指数
    • 欧   ユーロ圏1月消費者信頼感(改定値)
    • 米   新規失業保険申請件数
    • 米   12月中古住宅販売成約指数

    ドル円は東京市場では買われ118円台に乗せるものの、海外市場に入るとすぐに売られ、117円台に落とされる展開が続いています。118円80−119円が「壁」になり、上値が重い展開ですが、さらに上値が切り下がってきた印象もあります。

    個人投資家も、東京でドルが買われて跳ねた所をショートし、海外市場を待つ戦略が機能するとしてショートで入り、その後利益を取るというトレードに徹している向きもあります。これは、日米の株価の方向性が異なって来ていることが背景です。NYダウは昨日も大幅に下落し、2日間で490ドルほど下げています。一方日経平均株価は2日間で320円ほどの上昇です。一般的には、日本株は米国株式市場の影響を大きく受け、米国の写真相場と言われています。今回のような明確に異なった動きをすることは珍しく、これは日米金融政策の方向性を端的に表しているからです。量的緩和をやめ、利上げのタイミングを待つFRBと、場合によってはさらなる追加緩和の可能性が取り沙汰される日銀とのスタンスの差と言え、ある意味自然の動きです。株高はドル高につながり易いことから、株価の高い東京時間ではドルが買われ、株価の下がるNYではドルが売られる展開が続いているということになります。

    そのNYダウの下落は、昨日発表されたFOMC声明文の内容に反応した様です。声明文では「相当な期間」という文言が外され、「辛抱強く」という文言が維持されました。ここまでは想定内でサプライズはありません。ただ景気判断の部分で、市場は原油安や欧州景気、あるいは中国の成長鈍化などを鑑み、やや弱めの景気判断が出されるのではないかと予想していましたが、声明文では「経済活動は着実なペースで拡大を続けている」と示されました。

    その結果、今年6月頃にも予定されている「利上げ観測」は、後ずれすることなく維持されたことでNYの株価が下落し、「リスクオフ」から、円が買われる展開になっています。「1時間足」では1月22日からドル円は117円25−35銭の間で反発しているのが見て取れます。昨年から115円台半ばが底堅いのは確認されていましたが、足元では上記水準が目先の底値になっています。従って、今日の東京で上記水準を割り込み、116円台に突入するようだと、再び115円台半ばを目指す展開も想定されます。

    原油価格も再び44ドル台まで下落し、米長期金利は今年最低の水準まで低下するなど、外部環境は円高を志向しているようにも見えます。195ドルの下げを見せたNYダウを横目に、さすがに今日は日経平均株価にも下落圧力がかかりそうです。株価次第と言うところもありますが、レンジは116円80銭〜118円程度予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    12/2 フィッシャー・FRB副議長 「それ(相当な期間という文言)に関する協議があったことが前回のFOMCの議事録で分かっており、当局がその削除に数ヶ月前より近づいているのは明白だ」WSJのカウンシル会議で。 ------
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「来年の早い時期にわれわれの措置の規模とペース、組み合わせを変更することにつながるだろう」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.24台半ばから1.2370近辺に下落
    12/16 イエレン・FRB議長 「正常化に向けたプロセスが少なくとも今後数回の会合では始まらない可能性が高いとFOMCが見なしている」FOMC後の記者会見で。 ドル急騰。株高金利高で、ドル円は117円台から118円台後半に
    12/30 プラート・ECB理事 「ユーロ圏のインフレ率が2015年より長期間ゼロを下回るだろう。理事会はそれを見過ごすことはできない」独紙とのインタビューで。 ------
    1/7 FOMC議事録 「辛抱強さへの言及について、委員会が正常化プロセスを少なくとも無効2会合で開催する可能性は低いことを意味しているとの認識を示した」 ------
    1/7 FOMC議事録 「コアインフレが現在の水準付近で推移している状況で正常化を開始する可能性があると指摘。ただその場合、参加者はインフレ率が時とともに2%台へと戻っていくことにある程度の自信を持ちたいとの認識を示した」 ------
    1/15 ヨルダン・スイス中銀総裁 「決定は市場を驚かせたが、ほかのやり方はできなかった」スイスフランの上限撤廃発表後に記者団に スイスフラン 対ドルで2500ポイント、対ユーロで2800ポイントほど上昇
    1/23 マレー・IMF報道官 「起こりうる結果としてギリシャの離脱を予想していない」25日のギリシャ総選挙について ------
    1/23 ルー・財務長官 「強いドルは米国にとってプラスだ」ダボス会議で ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和