今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年3月6日(金)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 119円台半ばから底堅く推移したドル円は、欧州市場で120円台に乗せ、NYではリスクオンから120円40銭まで上昇。その後はユ−ロドルがやや反発したことに伴い、120円15−20銭近辺まで押し戻されて引ける。
  • ユーロドルは一段と売られ1.10を割り込む。ECBが9日から債券購入を実施することで、ユーロ売りが進み、一時は1.0988まで下落。その後は1.10台前半まで戻すが、1.0を割り込むとの声が多い。
  • 株式市場は3日ぶりに反発。M&A関連の銘柄を中心に上昇し、ダウは前日比38ドル上げた。
  • 債券相場は横ばい。利上げを織り込む動きは見られたものの、週末の雇用統計を見極めたいとする姿勢が優勢に。
  • 金は4日続落し1200ドルを割り込む。原油は反落。

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    新規失業保険申請件数     → 32.0万件
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    ドル/円 119.95 〜 120.40
    ユーロ/ドル 1.0988 〜 1.1115
    ユーロ/円 132.11 〜 133.59
    NYダウ +38.82 → 18,135.72ドル
    GOLD −4.70 → 1,196.20ドル
    WTI −0.77 → 50.76ドル
    米10年国債 −0.003 → 2.115%

    本日の注目イベント

    • 日   10月景気動向指数
    • 独   独1月鉱工業生産
    • 欧   ユーロ圏10−12月期GDP(改定値)
    • 米   2月雇用統計
    • 米   1月貿易収支
    • 米   1月消費者信用残高

    雇用統計発表を控えていることから、ドル円は上昇しても120円近辺ではないかと予想していましたが、思いのほかドル高が進み、120円40銭までドルが買われました。2月12日に記録した120円48銭には届かなかったものの、120円台半ばが意識され、今の時点では今年に入って一度もこの水準が抜けていないことから、依然として「壁」になっているのも事実です。

    昨日のドル円の動きはユーロドルの下落に引っ張られた部分もあります。ユーロドルが2003年以来となる1.10の大台を割り込み、一時は1.0988までユーロ安が進行しました。ユーロドルで「ドル高」が進んだことで、ドル円でも「ドル高」に反応して120円台半ばまで上昇したと考えられます。ECBのドラギ総裁は会見で、量的緩和政策を来週9日から行うと発表し、ECB当局者がデフレリスクの解消に自身を持っていることを示唆しました。

    総裁はキプロスでの政策委員会後に記者会見し、資産購入の開始日を明らかにすると同時に、その規模を先月発表した通り、月600億ユーロ(約8兆円)相当とする計画を改めて示しています。またECBは最新の予測で、経済成長見通しを上方修正し、インフレ率が同中銀が目指す2%弱の水準へと戻る方向にあることも示唆しています。(ブルームバーグ)ドラギ総裁は、「金融政策に関するわれわれの決定は効果を上げた。委員会はある程度満足感をもってこれを認識した」とも述べています。この会見では、「預金金利と同じ水準まで」マイナス金利の債券を購入することにも言及しています。

    ユーロドルはいずれ1.0(パリティー)を割り込んでくると予想されますが、昨日の総裁会見で、ドイツ国債など、ユーロ圏の国債は軒並み上昇し、金利が低下しています。米国との金融政策の方向性の違いが改めて意識され、ユーロ売りにつながっていると言えます。

    同じことがドル円でも言えます。足元では、日銀による追加緩和観測がやや後退していますが、今後の状況次第では全くないとも言えません。黒田総裁もこれについては「必要とあれば躊躇なく行動を起こす」と、何度も繰り返しています。上述のように、120円半ばが「壁」になっていますが、ここを上抜けすれば昨年の高値である121円85銭も徐々に視界に入ってきそうです。

    そのドライバーとなるのが今夜の雇用統計です。もっともドル上昇のドライバーになるのか、あるいはドル反落のきっかけになるのかは蓋を開けてみないとわかりませんが、現時点では雇用者数は23.5万人増加と予想されています。この数字から大きく下振れする可能性は低いと見られますが、昨日発表された失業保険申請件数などの指標は、やや頭打ち感も窺えます。予想レンジはややワイドに119円20銭〜121円程度を考えています。

    2009年3月のFOMC議事録が全て公開されました。FOMC議事録の全文は慣例として5年経過後に公表されるそうで、2009年の議事録は約2000ページにも及ぶそうです。その中で興味深いのは当時サンフランシスコ連銀総裁だった、現FRB議長のイエレン氏の発言です。氏は会合で「世界の主要経済国全てが高度に同期化していることを考慮すれば、これは大恐慌以来初の真に世界的と言えるリセッションだ」と、リーマンショック後の景気を論じています。さすがに女性初のFRB議長になる人物であることが窺えます。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    2/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点では、私には6月利上げが魅力的な選択肢のようだ」講演で。 ------
    2/24 イエレン・FRB議長 「今後2回の会合で利上げをする可能性は低い」上院での議会証言で。 ドル円119円台後半から118円75銭まで下落。
    3/3 本田・内閣府参与 「景気過熱を回避するために、日銀は追加緩和を控えるべきだ」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円120円台前半から119円60銭近辺まで下落。
    3/4 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「労働市場の改善やインフレ期待感、さらに中長期的に見たリスクバランスを考慮した上で、年央にかけての利上げを支持する」講演で。 ------
    3/4 エバンス・シカゴ連銀総裁 インフレ率が2%の目標に向けて上昇すると自分自身が確信できるのは6月のFOMCでは「やや早いだろう」講演で。 ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和