今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年3月12日(木)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 前日の米国株の大幅下落を受け、東京では120円台後半で始まったドル円はじり高となり、121円台半ばまで上昇。NY時間では材料難から121円台半ばを中心に小動き。
  • ユーロドルは欧州市場に入ると、1.06台半ばからユーロ売りが継続。NY時間には1.0511まで下落し、連日安値を切り下げる。ユーロ円も127円台半ばと、ユーロの独歩安が顕著。
  • 株式市場は続落。対ユーロでドル高がさらに進んだことや、原油安を手がかりにダウは27ドル安。
  • 債券増場は続伸。欧州主要国の金利低下が続き、米国債に資金が向かっている。長期金利は2.1%台まで低下。
  • 金、原油は続落。
    ドル/円 121.20 〜 121.58
    ユーロ/ドル 1.0511〜 1.0628
    ユーロ/円 127.64 〜 128.75
    NYダウ −27.55 → 17,635.39ドル
    GOLD −9.50 → 1,150.60ドル
    WTI −0.12 → 48.17ドル
    米10年国債 −0.023 → 2.108%

    本日の注目イベント

    • 豪   豪2月雇用統計
    • 独   独2月消費者物価指数(改定値)
    • 欧   ユーロ圏1月鉱工業生産
    • 米   2月小売売上高
    • 米   新規失業保険申請件数

    昨日のドル円は朝方は121円を割り込みましたが、その後は日経平均株価の予想外の上昇に反応して121円台半ばまで反発しています。短期的なドル円の方向性を決定する材料は、日本株の動きとユーロドルの動きとも言えそうな状況になっています。

    日本株の上昇にはやや驚きました。NYダウが今年最大の下げを見せた昨日も、朝方こそマイナスでスタートしましたが、切り返してプラスで取引を終えています。通常、NYダウが300ドルを超える下落を見せたら、少なくとも300円か、場合によっては500円程度の下げを覚悟しなくてはなりません。今朝の経済紙にもありましたが、「五頭のクジラ」を当て込んだ「ちょうちん買い」が相場を押し上げたようです。

    ドル円と株価との相関関係が低下してきたとは言え、さすがに力強い株価の上昇を見せられたら、ドル円も上昇基調を強めるのは自然の流れと言えます。円と、ユーロが急速に売られ、「円安、ユーロ安」が進んでいることで、ドイツのDAXも最高値を更新しており、日経平均株価も1万9000円を窺うなど、どちらも異次元の量的緩和を受けて資金流入が続いています。株式の配当利回りが長期国債の利回りを大きく上回っていることも、資金流入を加速させているようです。

    ユーロの下落が止まりません。連日「大台替え」を見せており、昨日は対ドルで1.05台前半までユーロ安が進行しています。ユーロが売られ、ドルが買われていることで、ドル円でもドルが買われ円が売られやすい状況です。共にドル高の流れの中にいますが、ユーロの下落スピードの方が円よりも速いため、ユーロ円では円高に振れています。量的緩和を背景に「ユーロの独歩安」が続いている状況です。

    本日は米国で小売売上高が発表されます。来週のFOMC会合では一つの判断材料になると思われます。FOMCでは「忍耐強く」という文言が維持されるのか、あるいは外されるのかが最大の焦点です。個人的には、外される公算が強いと予想していますが、それでも、それが6月の利上げにそのままつながるかどうかは、慎重に見極める必要があります。ここに来て利上げが意識されNY株式市場が調整色を強めていることも、政策判断に影響を与えるかもしれません。

    本日もドル円は基本的には121円で推移しそうです。上述のように、株価とユーロドルの動きを注視しながら取引を行うことになります。レンジは120円80銭〜121円80銭程度を予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    2/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点では、私には6月利上げが魅力的な選択肢のようだ」講演で。 ------
    2/24 イエレン・FRB議長 「今後2回の会合で利上げをする可能性は低い」上院での議会証言で。 ドル円119円台後半から118円75銭まで下落。
    3/3 本田・内閣府参与 「景気過熱を回避するために、日銀は追加緩和を控えるべきだ」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円120円台前半から119円60銭近辺まで下落。
    3/4 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「労働市場の改善やインフレ期待感、さらに中長期的に見たリスクバランスを考慮した上で、年央にかけての利上げを支持する」講演で。 ------
    3/4 エバンス・シカゴ連銀総裁 インフレ率が2%の目標に向けて上昇すると自分自身が確信できるのは6月のFOMCでは「やや早いだろう」講演で。 ------
    3/9 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「リセッションを引き起こすことを回避するため、米経済が完全雇用に達する前にFRBが利上げすべきだ」ライス大学での講演で。 ------
    3/10 ファーマン・CEA委員長 「国外経済の成長率にドル高が加わり、現在の米国の輸出に向かい風を吹き付けていることに疑いの余地はない。この向かい風はGDP全般にも吹いている」全米エコノミスト協会の会合で。 ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和