今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年3月13日(金)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 2月の小売売上高が市場予想を下回ったことで、ドル円は朝方に121円台を割り込み、120円66銭まで下落。その後は株価が急反発したことや、低下していた金利が上昇に転じたことで121円40銭近辺まで値を戻して引ける。
  • ユーロドルはアジア時間に1.05を割り込む場面もあったが続かず。利益確定の買戻しが優勢となり、1.06台後半まで反発し、その後再び1.06台前半まで下げる。
  • 株式市場は3日ぶりに大幅反発。小売売上高が低調だったことで、利上げ観測が遠のき、株価を押し上げた。ダウは259ドル高で、他の主要指数も大幅に反発。
  • 債券相場は、30年入札が好調だったことから10年債も上昇したが、その後は上昇分を吐き出し、ほぼ前日と変わらず。
  • 金は3日ぶりに反発。原油は続落し47ドル台に。

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    2月小売売上高    → −0.6%
    新規失業保険申請件数 → 28.9万件
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    ドル/円 120.66 〜 121.42
    ユーロ/ドル 1.0589〜 1.0684
    ユーロ/円 128.26 〜 129.03
    NYダウ +259.83 → 17,895.22ドル
    GOLD +1.30 → 1,151.90ドル
    WTI −1.12 → 47.05ドル
    米10年国債 +0.002 → 2.110%

    本日の注目イベント

    • 米   2月生産者物価指数
    • 米   3月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
    • 加   カナダ2月失業率

    注目していた2月の小売売上高が、事前予想の「+0.3%」から、「−0.6%」と発表され、直後にドル円は121円台を割り込みました。その後も長期金利の低下をにらみながらドル売りが優勢となり、120円66銭までドル安が進みましたが、その水準を底値に反発するところが、足元のドルの強さとも言える展開でした。

    ドル円は、そこから121円台半ばまで買い戻されましたが、この背景には連日下げ基調を強めていたNY株式市場が急反発を見せたことが挙げられます。小売売上高が予想に反して低調だったことから、利上げ観測が後退し、低金利の継続は株価にプラスだということから、株価を押し上げたようです。

    もっとも、先週末の雇用統計直後から株価はかなりの調整を続けていたので、ある意味自立反発とも捉えられ、このまま上昇傾向をみせるかどうかは不明です。足元の株価は、悪い経済指標が出ると上昇し、良い経済指標だと、利上げにつながり売られる展開が続いています。それにしても、今回の小売売上高にはやや失望しています。原油安が続き、家計のコストが低下している上、株価の上昇で資産効果も期待されていました。これで3ヶ月連続でマイナスを記録しており、自動車・同部品の落ち込みが目立っています。来週のFOMCでの政策判断に影響を与える可能性もありそうです。

    先週にも述べましたが、ドル高基調は鮮明ですが、ドル円の上昇スピードは緩やかなものになると思われます。120円ー125円の新しいレンジに入っていると思われますが、昨日のように経済指標の悪化に反応してドル売りが加速する場面も想定されます。引き続き、NY株式市場の動きが重要なカギを握っていると考えることができます。

    そのNY株式市場の動きと、日経平均株価との関連性もこれまでとは異なり、日本株は独自の動きを見せるようになって来ました。円安効果による企業業績の上振れ期待、個人投資家の復活、公的機関の買い余力など、「日本株を持たないリスク」が意識され始めているようです。「日本株を持たないリスク」などという言葉は、1980年代後半のバブル絶頂期の言葉です。その意味では足元の強気相場は「ミニバブル」と言えるかもしれません。いずれにしても、日本株が堅調に推移するとすれば、「リスク許容度」が増し、ドル円の底堅い動きにつながります。

    日経平均株価は大台の1万9000円を回復して上昇しそうです。昨日の動きのように、それでもドル円の上値が重いかどうかを見極める必要があります。レンジは120円50銭〜121円80銭程度と予想します。

    天皇陛下の手術を執刀した順天堂の天野医師の記事を読みました。心臓外科医としての技術を極めるため、手先の訓練になると考え、りんごの皮むきや皿洗いも積極的に行ったとか。やはりその道を極めるには、それ相応の努力が必要だということです。われわれのFXでも同じことが言えると思います。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    2/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点では、私には6月利上げが魅力的な選択肢のようだ」講演で。 ------
    2/24 イエレン・FRB議長 「今後2回の会合で利上げをする可能性は低い」上院での議会証言で。 ドル円119円台後半から118円75銭まで下落。
    3/3 本田・内閣府参与 「景気過熱を回避するために、日銀は追加緩和を控えるべきだ」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円120円台前半から119円60銭近辺まで下落。
    3/4 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「労働市場の改善やインフレ期待感、さらに中長期的に見たリスクバランスを考慮した上で、年央にかけての利上げを支持する」講演で。 ------
    3/4 エバンス・シカゴ連銀総裁 インフレ率が2%の目標に向けて上昇すると自分自身が確信できるのは6月のFOMCでは「やや早いだろう」講演で。 ------
    3/9 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「リセッションを引き起こすことを回避するため、米経済が完全雇用に達する前にFRBが利上げすべきだ」ライス大学での講演で。 ------
    3/10 ファーマン・CEA委員長 「国外経済の成長率にドル高が加わり、現在の米国の輸出に向かい風を吹き付けていることに疑いの余地はない。この向かい風はGDP全般にも吹いている」全米エコノミスト協会の会合で。 ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和