今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年3月17日(火)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 米経済指標が概ね軟調だったことから、利上げ観測がやや後退しドル円は小動きながら、上値の重い展開が続く。121円09銭まで売られたが、株価が反発したことで121円35銭近辺まで戻す。
  • ユーロドルは終始、買戻しが優勢な展開。利上げ観測がやや後退する中、米景気に対する強気の見方も修正される。ユーロドルは1.05台から1.0620まで反発したが、1.0570あたりまで押し戻されて引ける。
  • 株式市場は反発。利上げ観測の後退と、M&Aを手がかりにダウは228ドル上昇。S&P500も5週間ぶりに大幅高。
  • 債券相場は軟調な経済指標を好感し続伸。長期金利は2週間ぶりに2.1%を割り込む。
  • 金は小幅に反落。原油は一段と下落。一時は42ドル台後半まで売られ、6年ぶりの安値を記録。引け値では43ドル台に戻すものの再び下落観測が強まる。

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    3月NY連銀製造業景気指数 → 6.90
    2月鉱工業生産       → +0.1%
    3月NAHB住宅市場指数  → 53
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    ドル/円 121.09 〜 121.46
    ユーロ/ドル 1.0527〜 1.0620
    ユーロ/円 127.86 〜 128.78
    NYダウ +228.11 → 17,977.42ドル
    GOLD +0.80 → 1,153.20ドル
    WTI −0.96 → 43.88ドル
    米10年国債 −0.037 → 2.073%

    本日の注目イベント

    • 豪   RBA議事録
    • 日   日銀金融政策決定会合
    • 日   黒田日銀総裁記者会見
    • 独   独3月ZEW景況感指数
    • 欧   ユーロ圏2月消費者物価指数(速報値)
    • 米   2月住宅着工件数
    • 米   2月建設許可件数

    昨日発表されたNY連銀製造業景況指数を始め、他の指標も軒並み予想を下回り、米景気に対する強気の見方が、やや修正を余儀なくされる展開になってきました。小売売上高が3ヶ月マイナスだったことは先週確認できましたが、鉱工業生産も、製造業は3ヶ月連続で落ち込みました。

    この結果、急速に高まっている利上げ観測がやや後退し、ドルが売られる展開でしたが、ドル円はそれでも121円台を維持しており、株高との関連性もあるように思います。ユーロドルは、昨日の東京時間では1.05台前半でしたが、NYでは1.0620と、約100ポイント上昇し、「ドル安ユーロ高」が進みました。もっとも、ユーロドルは戻りを売る展開は変わっておらず、昨日のユーロ高値から既に50ポイント以上も下落しています。

    FOMCをにらんで、ポジション調整やあるいはポジションメイクが盛んなようですが、これで明日の声明文で、仮に「辛抱強く」という文言が削除されたとしても、それが6月の利上げには結びつかないのではという見方も強まって来ました。個人的には、6月利上げは早過ぎるのではないかと見方を継続しています。ダドリー・NY連銀総裁は講演でも「早すぎる利上げは、遅すぎる利上げよりも弊害が多い」との考えを示しています。

    これまでにも足元では120−125円の新しいレンジに入っている可能性が高いと述べてきましたが、120円を大きく割り込まない限り、ドル円は125円に緩やかに向かうという相場観は維持できると考えます。日本の機関投資家は、空前の株高で含み益は相当積みあがっています。これは「リスク許容度」の上昇を意味し、今後も含み益を土台に、比較的利回りの高い米国債への投資が拡大すると予想されます。ドルが下落した際には、しっかりとドルを手当てし、海外投資に向かうと思われ、これがドル円の下支えになることも予想されます。

    ただ、それでも明日のFOMC後の政策発表で、6月利上げが明確に後退するようだと一旦はドル円の調整場面はあるかもしれません。声明文は明日18日ですが、日本時間では19日朝方の3時です。

    今日は、NY株式市場が大幅反発ということもあり、日本株の上昇も見込まれます。米長期金利の上昇が止まってきたため、ドル円が大きく122円に向かう可能性は低いと思われます。逆に、日本株が下落するようだと、121円割れをテストすることも考えられます。予想レンジは120円50銭〜121円70銭程度と、昨日と大差ありません。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    2/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点では、私には6月利上げが魅力的な選択肢のようだ」講演で。 ------
    2/24 イエレン・FRB議長 「今後2回の会合で利上げをする可能性は低い」上院での議会証言で。 ドル円119円台後半から118円75銭まで下落。
    3/3 本田・内閣府参与 「景気過熱を回避するために、日銀は追加緩和を控えるべきだ」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円120円台前半から119円60銭近辺まで下落。
    3/4 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「労働市場の改善やインフレ期待感、さらに中長期的に見たリスクバランスを考慮した上で、年央にかけての利上げを支持する」講演で。 ------
    3/4 エバンス・シカゴ連銀総裁 インフレ率が2%の目標に向けて上昇すると自分自身が確信できるのは6月のFOMCでは「やや早いだろう」講演で。 ------
    3/9 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「リセッションを引き起こすことを回避するため、米経済が完全雇用に達する前にFRBが利上げすべきだ」ライス大学での講演で。 ------
    3/10 ファーマン・CEA委員長 「国外経済の成長率にドル高が加わり、現在の米国の輸出に向かい風を吹き付けていることに疑いの余地はない。この向かい風はGDP全般にも吹いている」全米エコノミスト協会の会合で。 ------
    3/11 ブラード・セントルイス連銀総裁 「利上げ、すでに遅すぎる。経済の動きに合った適切な状態にあるためには、今、あるいは近いうちに行動すべきだと考える」英FT紙とのインタビューで。 ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和