今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年3月18日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は終日121円台前半から半ばで小動き。FOMCを控えているとはいえ、先週金曜日から121円台で膠着。
  • ユーロドルは前日に引き続きポジション調整の買い戻しが優勢の展開。ユーロドルは一時1.0651まで買い戻しが進み、対円でも129円目前までユーロ高が進む。
  • 株式市場は反落。連日値幅を伴いながら上げ下げを繰り返す動きが続き、FOMCを前にボラティリティーの高い展開に。ダウは128ドル安いものの、ナスダックは7ポイント上昇。
  • 債券相場は小幅に続伸。利上げが近づいていると見方が広がる一方、経済指標が軟調なことで6月利上げには懐疑的な見方も台頭。長期金利は2.05%台に低下。
  • 金は続落し、4ヶ月ぶりに1148ドル台に。原油価格も続落し、一時は42ドル台半ばを付け、43.46ドルで引ける。

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    2月住宅着工件数 → 89.7万件
    2月建設許可件数 → 109.2万件
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    ドル/円 121.11 〜 121.40
    ユーロ/ドル 1.0584〜 1.0651
    ユーロ/円 128.40 〜 128.98
    NYダウ −128.34 → 17,849.08ドル
    GOLD −5.00 → 1,148.20ドル
    WTI −0.42 → 43.46ドル
    米10年国債 −0.021 → 2.052%

    本日の注目イベント

    • 日   2月貿易収支
    • 欧   ユーロ圏1月貿易収支
    • 英   英2月失業率
    • 英   BOE議事録
    • 米   FOMC政策金利発表
    • 米   イエレン議長記者会見

    昨日からFOMCが始まり、いよいよ明日の未明には声明文と、イエレン議長の記者会見が予定されています。大方の予想は、依然として「辛抱強く」という文言は削除されるというものです。そして、それでも直ちに6月の利上げには結びつかないのでは、といった見方がやや増えてきた印象があります。個人的にも同感で、FRBは今後いつでも利上げを行うことが出来るような「舞台」は整えておきたいはずで、上記文言を維持しながらの利上げは考えにくいと思われます。

    その上で、今後の利上げのタイミングを探るのではないかと思われます。イエレン議長は先月の議会証言でも、利上げにはフォワードガイダンスの変更はあり得るとし、さらに利上げのタイミングは「経済指標次第だ」とも言っています。

    2月の議会証言以降、発表された経済指標はどれも予想を下回るものが多く、昨日の住宅着工件数も市場予想から大きく下方に乖離しました。これらの経済指標からは、FRBは6月利上げには慎重な姿勢を見せるのではないかと予想しています。イエレン議長は、記者会見でもこの点に触れてくるのではないかとも予想しています。労働市場の回復には自信を示しながらも、それ以外の指標にはばらつきも見られるといったコメントを予想しています。

    ドル円はここ3日間121円台で推移しており、これを底堅いというのか、あるいは上値が重いというのか見方の分かれるところです。昨日の黒田日銀総裁の会見にもほとんど反応はしていません。追加緩和期待は少しづつ後退しているものの、日本株の底堅さがドル円を支えている状況です。FOMCの結果をみるまでは、様子見の状態です。

    一方、大きく売り込まれてきたユーロドルには動きがあります。1.04台後半までユーロ安が進んだ後は、徐々に買い戻しが優勢となり、昨日は1.0651までポジション調整の買い戻しが進んでいます。かなり長い期間売られ続けてきたわけですから、この程度の反発は想定内とも言えますが、チャートでは下落トレンドにやや変化が出てきたことは意識しておくべきでしょう。

    短期的な値動きを示す「1時間足」では、昨日からローソク足が「120日線」(120時間線)をはっきりと上抜けして来ました。これは約3週間ぶりのことで、一目均衡表の「雲」も既に好転をし、「雲の厚み」も拡大しています。もっとも、それ以外の長い足では顕著なサインは見られませんが、「MACD」では「8時間足」までが既にゴールデンクロスを示していることも認識しておきたいところです。ユーロドルは「戻りを売る」展開がまだ機能しそうですが、一方で相場観も完全にユーロ安に傾いているのも事実です。

    ドル円は今朝もほとんど動きがありませんが、明日未明の発表も考慮し、レンジは120円20銭〜122円20銭程度を予想したいと思います。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    2/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点では、私には6月利上げが魅力的な選択肢のようだ」講演で。 ------
    2/24 イエレン・FRB議長 「今後2回の会合で利上げをする可能性は低い」上院での議会証言で。 ドル円119円台後半から118円75銭まで下落。
    3/3 本田・内閣府参与 「景気過熱を回避するために、日銀は追加緩和を控えるべきだ」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円120円台前半から119円60銭近辺まで下落。
    3/4 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「労働市場の改善やインフレ期待感、さらに中長期的に見たリスクバランスを考慮した上で、年央にかけての利上げを支持する」講演で。 ------
    3/4 エバンス・シカゴ連銀総裁 インフレ率が2%の目標に向けて上昇すると自分自身が確信できるのは6月のFOMCでは「やや早いだろう」講演で。 ------
    3/9 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「リセッションを引き起こすことを回避するため、米経済が完全雇用に達する前にFRBが利上げすべきだ」ライス大学での講演で。 ------
    3/10 ファーマン・CEA委員長 「国外経済の成長率にドル高が加わり、現在の米国の輸出に向かい風を吹き付けていることに疑いの余地はない。この向かい風はGDP全般にも吹いている」全米エコノミスト協会の会合で。 ------
    3/11 ブラード・セントルイス連銀総裁 「利上げ、すでに遅すぎる。経済の動きに合った適切な状態にあるためには、今、あるいは近いうちに行動すべきだと考える」英FT紙とのインタビューで。 ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和