2015年3月19日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- FOMCでは「辛抱強く」との文言は外されたが、利上げのペースが緩やかになることと、FOMCメンバーの金利見通しが下方修正されたことからドル円は急落。一時は119円29銭までドル安が進み、120円台まで戻して引ける大相場に。
- ユーロドルは急反発。ユーロショートの買い戻しが炙り出された格好となり、この日の底値から約500ポイントの上昇となる、1.1062まで「ドル安ユーロ高」が進む。
- 株式市場はFOMCを受け、ほぼ全面高の展開。利上げ先送り観測が広がり、株価の上昇に弾みを付けた。ダウは227ドル上昇し、1万8000ドルの大台を回復。
- 債券相場はもFOMCの結果を好感し大幅に続伸。長期金利は3月1日以来の2%割れまで低下。
- ドルが売られたことで、金と原油は反発。
ドル/円 119.29 〜 121.21 ユーロ/ドル 1.0590〜 1.1062 ユーロ/円 128.26 〜 131.70 NYダウ +227.11 → 18,076.19ドル GOLD +3.10 → 1,151.30ドル WTI +1.20 → 44.65ドル 米10年国債 −0.127 → 1.925% 本日の注目イベント
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 3月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 2月景気先行指標総合指数
- 米 フィッシャー・ダラス連銀総裁退任
- 加 カナダ1月小売売上高
- 加 カナダ2月消費者物価指数
FOMCの結果はほぼ予想した通りでした。予想外だったのは、為替の値幅の大きさでした。6月利上げに向けて、それだけポジションの偏り、ドル高を想定したポジションが積み上がっていたということでしょうか。ドル円は一時119円29銭まで落ちましたが、ユーロドルはなんと、昨日の底値から約500ポイントも反発し、1.1062までユーロ高が進行しています。相当数のストップロスのユーロ買いが執行されたはずです。
「声明文から辛抱強くという文言を削除しただけで、われわれが性急な姿勢になることはない」イエレン議長は、会合後の記者会見でこう述べています。予想以上に、景気を配慮した「ハト派」的な発言と言えます。声明文では「雇用は力強く伸び」、「労働市場の状況は一層改善された」との見方が示される一方、成長は「緩やかになった」とも記され、今年に入って発表された多くの経済指標が緩慢な内容を示したことにも触れています。
またFOMCが発表した参加者の予測によると、2015年末のFF金利誘導目標の予測は0.625%(中央値)で、昨年12月時点の予想1.125%から引き下げられました。今後利上げが行われたとしても、そのペースは極めて緩やかになることを示唆しているものと考えられます。イエレン議長は、4月の会合で利上げを決める「可能性は低い」一方、6月の可能性は「排除できない」と語っています。(ブルームバーグ)
ドル円は、声明文とイエレン議長の記者会見を受けて、一時119円29銭までドル安が進みました。予想以上の下落幅と言えますが、ドル高を想定したポジションの巻き戻しが活発だったと思われます。6月利上げ観測が急速に後退し、しかも利上げのペースは緩やかなものになるとの見方がドル売りにつながりましたが、これも今月6日の雇用統計以降、株価の調整がジリジリと進み、株安、原油安が進んだことを考慮すると、今回の会合ではある程度の「配慮」も想定できました。
ただ、それでも日米欧の中で、最も早く利上げに向うのは米国であるという予想を変えることは出きず、今後再びドル高に向かうものと思われます。その意味ではドルの買い場を探る展開に変化はないものと思われますが、昨日の急落で「ドル高修正局面」に入ったとの見方も出てきました。ここは慎重に向っていく必要があろうかと思います。
テクニカルを観ると、昨日のドルの急落でも「日足」ではローソク足が依然として「雲」の上に位置しています。「転換線」も「基準線」もドルの下落を示唆していません。相場の動きに早く反応する「MACD」では、既にデッドクロスが出ていることには注意が必要かもしれません。「雲」を下抜けするには118円台半ばを割り込むことが必要です。今日の予想レンジは難しいと思われますが、119円30銭〜120円70銭程度を予想したいと思います。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 2/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点では、私には6月利上げが魅力的な選択肢のようだ」講演で。 ------ 2/24 イエレン・FRB議長 「今後2回の会合で利上げをする可能性は低い」上院での議会証言で。 ドル円119円台後半から118円75銭まで下落。 3/3 本田・内閣府参与 「景気過熱を回避するために、日銀は追加緩和を控えるべきだ」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円120円台前半から119円60銭近辺まで下落。 3/4 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「労働市場の改善やインフレ期待感、さらに中長期的に見たリスクバランスを考慮した上で、年央にかけての利上げを支持する」講演で。 ------ 3/4 エバンス・シカゴ連銀総裁 インフレ率が2%の目標に向けて上昇すると自分自身が確信できるのは6月のFOMCでは「やや早いだろう」講演で。 ------ 3/9 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「リセッションを引き起こすことを回避するため、米経済が完全雇用に達する前にFRBが利上げすべきだ」ライス大学での講演で。 ------ 3/10 ファーマン・CEA委員長 「国外経済の成長率にドル高が加わり、現在の米国の輸出に向かい風を吹き付けていることに疑いの余地はない。この向かい風はGDP全般にも吹いている」全米エコノミスト協会の会合で。 ------ 3/11 ブラード・セントルイス連銀総裁 「利上げ、すでに遅すぎる。経済の動きに合った適切な状態にあるためには、今、あるいは近いうちに行動すべきだと考える」英FT紙とのインタビューで。 ------ 3/18 イエレン・FRB議長 「声明文から辛抱強くという文言を削除しただけで、われわれが性急な姿勢になることはない」FOMC後の記者会見で。 ドル円121円台前半からから119円29銭まで下落。ユーロドルは約500ポイント急騰



