今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年3月24日(火)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はFRB副議長の発言などから利上げのペースは緩やかになるとの見方が広がり、ドル売りが優勢となった。長期金利が低下したこともあり、一時119円58銭までドル安が進んだ。
  • ユーロドルもさらに続伸し、1.0972まで上昇。利上げ後も、その後のペースは緩和的になるとの観測がユーロ買い戻しを加速させた。
  • 株式市場は引けにかけて下げ足を早め、主要指標は反落。輸送株の下げが全体を牽引し、ダウは11ドル安。
  • 債券相場は続伸。10年債利回りは1.91%台まで低下しドルの上値を抑える。
  • 金、原油は共に続伸。

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    2月中古住宅販売件数 → 488万件
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    ドル/円 119.58 〜 119.91
    ユーロ/ドル 1.0875 〜 1.0972
    ユーロ/円 130.32 〜 131.34
    NYダウ −11.61 → 18,116.04ドル
    GOLD +3.10 → 1,187.70ドル
    WTI +1.73 → 47.45ドル
    米10年国債 −0.020 → 1.910%

    本日の注目イベント

    • 中   中国 3月HSBC製造業PMI(速報値)
    • 中   中国 2月コンファレンスボード景気先行指数
    • 独   独3月製造業PMI(速報値)
    • 独   独3月サービス業PMI(速報値)
    • 欧   ユーロ圏3月製造業PMI(速報値)
    • 欧   ユーロ圏3月非製造業PMI(速報値)
    • 英   英2月生産者物価指数
    • 英   英2月消費者物価指数
    • 米   2月消費者物価指数
    • 米   1月FHFA住宅価格指数
    • 米   2月新築住宅販売件数
    • 米   3月リッチモンド連銀製造業指数
    • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演

    FRBのフィッシャー副議長はNYでの講演で、「いかなる状況でも当局が為替レートに基づいて政策を決定することはない」と述べ、足元のドル高を意識した発言と思われますが、金融政策でドル高を押さえ込むことに否定的だと受け止めれられます。また利上げに関しても「米金融政策は、初回利上げ後も非常に緩和的となろう」との認識を示しました。この発言を受けて、米国債が買われ、長期金利が1.91%台まで低下し、ドル売り材料になっています。

    3月8日には、一時2.25%程度まで上昇した米長期金利でしたが、ここに来て低下傾向を鮮明にしています。今月のFOMCまでは利上げ観測が強く、それは2月の雇用統計の結果にバイアスがかかっていたこともあり債券が売られ、金利が上昇するというサイクルにドル円は122円台まで上昇した経緯があります。

    しかしその後は、イエレン議長やシカゴ連銀総裁、さらには昨日のフィッシャー副議長など、「ハト派」の重鎮がこぞって「利上げがあったとしても、緩和的な政策は変わらない」ことを強調してきました。その結果、NYの株価も反発し、債券が買われ、金利が低下して来たわけです。ただ、金利が低下してきた割にはドル円が底堅い動きをしていると見れないこともありません。

    このままドルが下落に向かい、118円台を割り込むような事態は想定しにくいと言えます。6月か9月か、あるいは2016年に利上げが延びるのかは今後の経済指標次第ですが、やや心配なのは「一人勝ち」と言われて来た米景気の拡大に、やや息切れが見られることです。2015年に入ってからは、雇用を除いて明らかに成長が鈍化してきている印象です。欧州や、中国の成長鈍化の影響がじわじわ出てきたとの指摘もあります。今後、好調な雇用が消費を支え、これが景気全体の底上げにつながるのかどうかという点と、ユーロ安の影響でドイツを中心に景気底入れから反発に向えば、これも米景気に好影響を与えることから、その行方にも注目です。

    ユーロドルの反発が目立ちます。FOMC後に1.10台半ばまで急騰し、その後1.06台前半まで売られたことで、やはり上値は重いと思われましたが、再び上昇に転じてきました。ギリシャへの支援問題や、ECBの量的緩和を考えると、やはり上値には限界があろうかと思いますが、1.10台半ばを抜けるようだと、「日足の」「52日線」がある、1.12台半ばあたりまでの上昇も視野に入れておく必要があるかもしれません。上がれば、とことん上がり、下がればとことん下げるのが、ユーロドルの特徴です。

    ドル円も同様に、ドル安の限界を試すような動きです。「8時間足」の「120日線」がある119円50銭は前回のドル安局面でも維持されました。従って、目先はこの水準が重要なサポートかと思われます。さらに3月19日に記録した119円29銭が次のサポートになり、節目の119円がそれに続きます。

    本日も株価の動向にもよりますが、119円〜120円30銭程度のレンジを予想したいと思います。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    2/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点では、私には6月利上げが魅力的な選択肢のようだ」講演で。 ------
    2/24 イエレン・FRB議長 「今後2回の会合で利上げをする可能性は低い」上院での議会証言で。 ドル円119円台後半から118円75銭まで下落。
    3/3 本田・内閣府参与 「景気過熱を回避するために、日銀は追加緩和を控えるべきだ」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円120円台前半から119円60銭近辺まで下落。
    3/4 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「労働市場の改善やインフレ期待感、さらに中長期的に見たリスクバランスを考慮した上で、年央にかけての利上げを支持する」講演で。 ------
    3/4 エバンス・シカゴ連銀総裁 インフレ率が2%の目標に向けて上昇すると自分自身が確信できるのは6月のFOMCでは「やや早いだろう」講演で。 ------
    3/9 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「リセッションを引き起こすことを回避するため、米経済が完全雇用に達する前にFRBが利上げすべきだ」ライス大学での講演で。 ------
    3/10 ファーマン・CEA委員長 「国外経済の成長率にドル高が加わり、現在の米国の輸出に向かい風を吹き付けていることに疑いの余地はない。この向かい風はGDP全般にも吹いている」全米エコノミスト協会の会合で。 ------
    3/11 ブラード・セントルイス連銀総裁 「利上げ、すでに遅すぎる。経済の動きに合った適切な状態にあるためには、今、あるいは近いうちに行動すべきだと考える」英FT紙とのインタビューで。 ------
    3/18 イエレン・FRB議長 「声明文から辛抱強くという文言を削除しただけで、われわれが性急な姿勢になることはない」FOMC後の記者会見で。 ドル円121円台前半からから119円29銭まで下落。ユーロドルは約500ポイント急騰
    3/23 フィッシャー・FRB副議長 「米金融政策は、初回利上げ後も非常に緩和的となろう」NYでの講演で。 ドル円119円台後半から119円台半ばへ
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和