今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年3月25日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • やや上値が重くなったドル円は、米長期金利の低下を背景に119円22銭までドル安が進んだ。その後はドルを買い戻す動きが活発となり、昨日の水準まで値を戻し119円70−80銭で引ける。
  • ユーロ圏のPMIが市場予想を上回ったことからユーロドルは一時1.1台前半まで続伸したが、FOMC後の高値を超えられず反落。
  • 株式市場は続落。特段株価下落の材料はみられなかったものの、利益確定の売りに押された格好で金融株などが下落。ダウは1万8000ドルを維持したものの、下げ幅は100ドルを超える。
  • 債券相場は続伸。2月の消費者物価指数が引き続き低位だったことから買いが優勢となり、長期金利は2月初旬以来となる、1.87%台まで低下。
  • 金は小幅ながら5日続伸。原油も小幅に上昇。

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    2月消費者物価指数      → +0.2
    1月FHFA住宅価格指数   → +0.3%
    2月新築住宅販売件数     → 53.9万件
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    ドル/円 119.22 〜 119.98
    ユーロ/ドル 1.0890〜 1.1029
    ユーロ/円 130.34 〜 131.50
    NYダウ −104.90 → 18,011.14ドル
    GOLD +3.70 → 1,191.40ドル
    WTI +0.06 → 47.51ドル
    米10年国債 −0.037 → 1.873%

    本日の注目イベント

    • 豪   RBA 金融安定報告書を公表
    • 独   独3月IFO景況指数
    • 米   2月耐久財受注
    • 米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演

    上値が重くなってきたドル円はNY市場の朝方には、119円22銭までドル売りが進みましたが、その後は値ごろ感から買い戻しも入り、昨日の東京時間と同じ水準まで戻っています。ある程度想定内の動きでした。米長期金利の低下傾向が続き、1.87%台までの低金利は2月5日以来の水準です。株価との関連が薄れる中、米金利との相関が引き続き相場の方向性を見る上では重要なファクターと見られます。

    相場の方向性を決定付ける材料が乏しいため、市場の関心は要人発言にも向けられています。昨日は、サンフランシスコ連銀のウイリアムズ総裁が、政策引き締めについての議論が年央になりそうだとの見解を示し、セントルイス連銀のブラード総裁は「当局が実際に決定を下す日が訪れ、その日に市場にサプライズをもたらすようなことになれば、調整が起こり、その動きは激しいものになる可能性がある」と述べています。利上げのタイミングが市場予想と異なった場合には、金融市場に混乱がおこる可能性に言及しています。本日も「ハト派」の代表格である、エバンス・シカゴ連銀総裁の講演が予定されています。

    相場は上にも下にも抜けきれず、市場参加者も攻めあぐねている様子が窺えます。特にドル円は121円台が徐々に重く感じられる状況になっており、かといって下値も昨日のNYで見られたように、119円台前半ではドル買い需要も見られる展開です。足元では、株価を見ながらの売り買いもあまり機能しない状況で、ここは、小刻みに利益を確保するか、もう少し長いスパンに立って、ドルを仕込むタイミングを探るしかありません。

    ユーロドルはまだ、値動きがあるため手がけやすいかもしれません。昨日はユーロ圏のPMIが良かったことから、ユーロは続伸し、1.10台に乗せましたが、FOMC後に記録した1.1062には届かなく、反落しています。戻りは1.12台程度までと予想していますが、基本的にはテクニカルを慎重に見極め、ユーロの売り場を探るスタンスで良いと思われます。

    1日を通したらそこそこ値幅はあるものの、東京時間では活発な動きは見られません。上述のように、株価を見ながらの売買も余り機能しなくなっており、ここは様子を見るしかありません。日経平均株価も、米国株が下落してもその影響は限定的で、すぐに切りかえしてくる状況です。おそらく、日経平均株価がどこかで大きく調整した際には、ドル円も予想以上に円高が進むこともあるのではないかと考えます。本日の予想レンジは119円20銭〜120円20銭程度でしょうか。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    2/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点では、私には6月利上げが魅力的な選択肢のようだ」講演で。 ------
    2/24 イエレン・FRB議長 「今後2回の会合で利上げをする可能性は低い」上院での議会証言で。 ドル円119円台後半から118円75銭まで下落。
    3/3 本田・内閣府参与 「景気過熱を回避するために、日銀は追加緩和を控えるべきだ」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円120円台前半から119円60銭近辺まで下落。
    3/4 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「労働市場の改善やインフレ期待感、さらに中長期的に見たリスクバランスを考慮した上で、年央にかけての利上げを支持する」講演で。 ------
    3/4 エバンス・シカゴ連銀総裁 インフレ率が2%の目標に向けて上昇すると自分自身が確信できるのは6月のFOMCでは「やや早いだろう」講演で。 ------
    3/9 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「リセッションを引き起こすことを回避するため、米経済が完全雇用に達する前にFRBが利上げすべきだ」ライス大学での講演で。 ------
    3/10 ファーマン・CEA委員長 「国外経済の成長率にドル高が加わり、現在の米国の輸出に向かい風を吹き付けていることに疑いの余地はない。この向かい風はGDP全般にも吹いている」全米エコノミスト協会の会合で。 ------
    3/11 ブラード・セントルイス連銀総裁 「利上げ、すでに遅すぎる。経済の動きに合った適切な状態にあるためには、今、あるいは近いうちに行動すべきだと考える」英FT紙とのインタビューで。 ------
    3/18 イエレン・FRB議長 「声明文から辛抱強くという文言を削除しただけで、われわれが性急な姿勢になることはない」FOMC後の記者会見で。 ドル円121円台前半からから119円29銭まで下落。ユーロドルは約500ポイント急騰
    3/23 フィッシャー・FRB副議長 「米金融政策は、初回利上げ後も非常に緩和的となろう」NYでの講演で。 ドル円119円台後半から119円台半ばへ
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和