今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年4月2日(木)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はADP雇用者数が予想に届かなかったことや、他の経済指標も不調だったことから119円43銭まで下落。ただ、相変わらず冴えない相場展開が続き、一方方向への勢いはなく、119円70−80銭まで反発して取引を終える。
  • ユーロドルも小動き。1.07台前半から1.08までユーロ買いが勝ったが、上昇も限定的だった。
  • 株式市場は続落。雇用や製造業指数が予想を下回ったことで売り圧力が増した。ダウは77ドル下落。
  • 債券相場は雇用の伸びが鈍化したことで続伸。長期金利は1週間ぶりに1.85%台まで低下。
  • ドル安から金と原油は大幅に反発。金は約1ヶ月ぶりに1200ドルの大台を回復。

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    3月ADP雇用者数     → +18.9万人
    3月ISM非製造業景況指数 → 51.5
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    ドル/円 119.43 〜 120.23
    ユーロ/ドル 1.0727〜 1.0800
    ユーロ/円 128.40 〜 129.36
    NYダウ −77.94 → 17,698.18ドル
    GOLD +25.00 → 1,208.20ドル
    WTI +2.49 → 50.09ドル
    米10年国債 −0.069 → 1.857%

    本日の注目イベント

    • 日   3月マネタリーベース
    • 米   2月貿易収支
    • 米   新規失業保険申請件数
    • 米   イエレン・FRB議長講演

    ドル円は、雇用統計を控えているとはいえ、冴えない展開が続いています。売られもしないし、買われもしない展開で、120円を挟んだ取引が続いています。NY株式市場が調整色を強め、利上げ観測が重石となり、上値の重い流れが続いていますが、昨日のように、経済指標が予想を下回り、利上げ観測がやや後退しても株価が反発しない状況になっています。経済指標が良好だと、利上げ観測が強まり株価が売られることから、どちらにしても株価の下落圧力が強く、調整局面と言えそうです。

    一方債券相場の方は、利上げ観測の後退を好感し買われているため、長期金利の低下傾向が続いており、昨日は1.85%台まで低下し、ドルの上値を抑える役割を演じています。1.85%台まで低下した長期金利の水準を考えると、120円を挟むレベルで推移しているドル円は、むしろ健闘していると見ることも出来そうです。また、順調に上昇してきた日経平均株価の雲行きも怪しくなって来ました。2万円に届く水準まで買われていましたが、そこから1000円程度の調整を余儀なくされています。依然として先高観はあるものの、こちらもドル円の上値を重くしていると見られます。

    ADP雇用者数は、市場予想の22.5万人に対して、18.9万人でした。この内容は、予想を下回っただけではなく、2014年1月以来で最も小幅な伸びとなり、明日の雇用統計とは必ずしも相関しないとしても、下振れ懸念が頭をかすめます。順調に回復してきた雇用にも、そろそろ息切れが出てきたと考えられるかもしれません。米国の一人勝ちといわれる中でも、雇用以外の指標には一足先に黄色信号がともってきましたが、頼みの雇用にも悪影響が伝播してきたのかもしれません。

    自民党の山本幸三衆議院議員は、ロイター通信とのインタビューで、追加緩和は「展望リポート」が公表になる、30日会合が「良いタイミングだ」と述べています。また、「追加緩和でも円安が加速するとは考えておらず、国際的にも批判されることはない」とも述べており、昨日の夕方にはこのニュースで120円33銭までドルが買われる場面もありました。

    直近のインフレ率がほぼ「ゼロ」まで下がり、今後は「マイナス」に転じるのではないかとも見られている状況下で、まだ追加緩和の可能性は残っていると考えていますが、さすがに消費者物価指数が「マイナス」になると、2%の物価目標を掲げている日銀も何らかの対応を迫られるのではないかと思います。

    冴えない米経済指標がドル円の上値を重くしていますが、今日も上値は120円台半ばまであればいい方でしょう。予想レンジは119円〜120円30銭程度とみます。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    3/3 本田・内閣府参与 「景気過熱を回避するために、日銀は追加緩和を控えるべきだ」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円120円台前半から119円60銭近辺まで下落。
    3/4 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「労働市場の改善やインフレ期待感、さらに中長期的に見たリスクバランスを考慮した上で、年央にかけての利上げを支持する」講演で。 ------
    3/4 エバンス・シカゴ連銀総裁 インフレ率が2%の目標に向けて上昇すると自分自身が確信できるのは6月のFOMCでは「やや早いだろう」講演で。 ------
    3/9 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「リセッションを引き起こすことを回避するため、米経済が完全雇用に達する前にFRBが利上げすべきだ」ライス大学での講演で。 ------
    3/10 ファーマン・CEA委員長 「国外経済の成長率にドル高が加わり、現在の米国の輸出に向かい風を吹き付けていることに疑いの余地はない。この向かい風はGDP全般にも吹いている」全米エコノミスト協会の会合で。 ------
    3/11 ブラード・セントルイス連銀総裁 「利上げ、すでに遅すぎる。経済の動きに合った適切な状態にあるためには、今、あるいは近いうちに行動すべきだと考える」英FT紙とのインタビューで。 ------
    3/18 イエレン・FRB議長 「声明文から辛抱強くという文言を削除しただけで、われわれが性急な姿勢になることはない」FOMC後の記者会見で。 ドル円121円台前半からから119円29銭まで下落。ユーロドルは約500ポイント急騰
    3/23 フィッシャー・FRB副議長 「米金融政策は、初回利上げ後も非常に緩和的となろう」NYでの講演で。 ドル円119円台後半から119円台半ばへ
    3/25 エバンス・シカゴ連銀総裁 「われわれが金融引き締めを急がなければならない差し迫った理由は存在しない」講演で。 ------
    3/31 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「今後発表される経済指標が予想から著しくかい離しない限り、6月会合で利上げを決定する根拠は引き続き強いだろう」講演で。 ------
    4/1 山本幸三・衆議院議員 「追加緩和は(展望リポート)が公表になる、30日会合が良いタイミングだ」ロイター通信とのインタビューで。 市場はドル買い円売りで反応
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和