今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年4月7日(火)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は連休明けの株価が上昇したことや、長期金利の上昇にドル買い安心感が広がり119円68銭までドル高が進む。先週末の雇用統計の結果や、この日のNY連銀総裁の言葉などから利上げ観測が後退したことも材料に。
  • ユーロドルは小動き。ドル円で、円が売られた割にはユーロはしっかり。1.09台後半から1.10台でもみ合う。
  • 株式市場は上昇。利上げが遅れるとの見方が広がり、株価を押し上げた。ダウは117ドル上昇し、その他主要指標も堅調。
  • 債券相場は反落。原油価格が急騰したことで、インフレ期待が高まった。長期金利は1.89%台まで上昇。
  • 金は反発。原油もサウジアラビアがアジア向けの原油価格を引き上げたことで、2ヶ月ぶりの水準まで上昇。

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    3月ISM非製造業景況指数    → 56.5
    3月労働市場情勢指数(LMCI) → −0.3
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    ドル/円 118.92 〜 119.68
    ユーロ/ドル 1.0910 〜 1.1036
    ユーロ/円 130.43 〜 131.30
    NYダウ +117.61 → 17,880.85ドル
    GOLD +17.70 → 1,218.60ドル
    WTI +3.00 → 52.14ドル
    米10年国債 +0.058 → 1.898%

    本日の注目イベント

    • 豪   豪2月小売売上高
    • 豪   RBAキャッシュターゲット
    • 日   3月マネタリーベース 
    • 欧   ユーロ圏3月製造業PMI(改定値)
    • 欧   ユーロ圏3月非製造業PMI(改定値)
    • 欧   ユーロ圏3月生産者物価指数
    • 米   2月消費者信用残高
    • 米   IMF、世界経済見通しを公表
    • 米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演

    先週末に雇用統計が発表されましたが、株式市場は休場だったため、連休明けどのような反応を見せるのか注目されていましたが、雇用者の増加傾向が鈍化したことで、利上げが遅れるとの見方から株価は上昇しました。また、ダドリーNY連銀総裁の発言も株価にはプラスに働いたようにも思います。FRBが公表した労働市場情勢指数も「マイナス0.3」と、こちらも前月比で悪化しており、この日は「利上げは急がない」との見方が相場を支えた格好でした。

    ダドリー総裁は、「3日に鮮明になった3月の労働市場の軟化が、私が今想定しているよりも著しい労働市場の減速を予兆するものかどうか、状況の展開を注視することが大事だ」と述べ、利上げのタイミングについても、「データ次第であり、将来の経済動向が完全に予想できないため、依然見極めにくい」と語り、金融引き締めは「比較的低い軌道を進むものと想定している」と述べるなど、初回利上げ後もその後の利上げのペースは緩やかなものになるとの認識を示しました。(ブルームバーグ)

    この発言内容は、特段これまでの発言と異なっているわけではなく、「ハト派」のメンバーのそれと一致しています。今回の雇用者数はサプライズではあったが、これが一時的なものなのかどうかは、まだ判断できないとのスタンスです。

    今週から、アルミ大手の「アルコア」を皮切りに決算発表が始まります。トムソン・ロイターの事前予想では、大手500社で前年同月比2.8%の減益が予想されており、その要因は「ドル高」の影響が大きいとの調査が出ています。ドル高の影響は、P&Gなど、グローバルに事業展開している企業ほど大きいと見られていますので、今後予想通り決算内容が下振れするようだと、こちらはドル売り材料になるかもしれません。

    また、上述のように、毎月雇用統計発表後の月曜日に発表される労働市場情勢指数(LMCI)も、前月比悪化しており、前月分も「4.0」から「2.0」に下方修正されました。現時点では年内に利上げが実施されるとの見方は崩れていませんが、マクロ的にはそのタイミングが徐々に先にずれて来ているように見受けられます。今後も経済指標には注目していかなければなりません。

    本日はオーストラリア準備銀行が理事会を開き、政策金利を発表します。市場の見方はほぼ半々に分かれており、個人的には利下げの可能性の方が高いと予想しています。資源価格の低下は依然として止まらず、景気てこ入れの観点からも利下げのタイミングは近いと予想されます。さらなる利下げは住宅バブルにつながるとの見方もありますが、先週発表された住宅建設許可件数は前年同月比マイナスでした。利下げが仮に見送られても、あるいは実施されても、今回は相場への影響は大きいと思われます。発表は午後1時半です。本日のドル円のレンジは118円80銭〜120円程度と予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    3/3 本田・内閣府参与 「景気過熱を回避するために、日銀は追加緩和を控えるべきだ」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円120円台前半から119円60銭近辺まで下落。
    3/4 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「労働市場の改善やインフレ期待感、さらに中長期的に見たリスクバランスを考慮した上で、年央にかけての利上げを支持する」講演で。 ------
    3/4 エバンス・シカゴ連銀総裁 インフレ率が2%の目標に向けて上昇すると自分自身が確信できるのは6月のFOMCでは「やや早いだろう」講演で。 ------
    3/9 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「リセッションを引き起こすことを回避するため、米経済が完全雇用に達する前にFRBが利上げすべきだ」ライス大学での講演で。 ------
    3/10 ファーマン・CEA委員長 「国外経済の成長率にドル高が加わり、現在の米国の輸出に向かい風を吹き付けていることに疑いの余地はない。この向かい風はGDP全般にも吹いている」全米エコノミスト協会の会合で。 ------
    3/11 ブラード・セントルイス連銀総裁 「利上げ、すでに遅すぎる。経済の動きに合った適切な状態にあるためには、今、あるいは近いうちに行動すべきだと考える」英FT紙とのインタビューで。 ------
    3/18 イエレン・FRB議長 「声明文から辛抱強くという文言を削除しただけで、われわれが性急な姿勢になることはない」FOMC後の記者会見で。 ドル円121円台前半からから119円29銭まで下落。ユーロドルは約500ポイント急騰
    3/23 フィッシャー・FRB副議長 「米金融政策は、初回利上げ後も非常に緩和的となろう」NYでの講演で。 ドル円119円台後半から119円台半ばへ
    3/25 エバンス・シカゴ連銀総裁 「われわれが金融引き締めを急がなければならない差し迫った理由は存在しない」講演で。 ------
    3/31 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「今後発表される経済指標が予想から著しくかい離しない限り、6月会合で利上げを決定する根拠は引き続き強いだろう」講演で。 ------
    4/1 山本幸三・衆議院議員 「追加緩和は(展望リポート)が公表になる、30日会合が良いタイミングだ」ロイター通信とのインタビューで。 市場はドル買い円売りで反応
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和