2015年4月9日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は120円台がやや重く、黒田日銀総裁の会見後にドルは緩やかに下落し、119円63銭近辺までドル安が進んだ。FOMC議事録では、6月利上げを主張した参加者がいたこともあり、ドルが買い戻され、120円台前半で引ける。
- ユーロドルも1.08台まで上昇した後、ドルが買われ1.07台半ばまで下落。ユーロは円に対しても売られ、1週間ぶりに129円台前半までユーロ安が進行。
- 株式市場は反発。M&Aのニュースなどを好感し、ダウは27ドルと小幅高。ナスダックは40ポイント上昇。
- 債券は小幅に買われ、長期金利は僅かに低下。
- 金は続落。原油は在庫が予想以上に増加していたことで、3ドルを超える大幅安。
ドル/円 119.65 〜 120.31 ユーロ/ドル 1.0763 〜 1.0878 ユーロ/円 129.39 〜 130.23 NYダウ +27.09 → 17,902.51ドル GOLD −7.50 → 1,203.10ドル WTI −3.56 → 50.42ドル 米10年国債 +0.019 → 1.905% 本日の注目イベント
- 独 独2月鉱工業生産
- 独 独2月貿易収支
- 独 独2月経常収支
- 英 BOE金融政策発表
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 ラガルド・IMF専務理事講演
FOMC議事録が公表されました。今回の議事録は、3月17−18日の会合のもので、この会合で「辛抱強く」という文言が外されたこともあり、いつもよりは注目度が高かったように思います。その議事録では、6月利上げの是非を巡って参加者の中でも意見が分かれたことが明らかになりました。
議事録によれば、「幾人かの参加者は、経済データや見通しが6月会合での正常化開始(政策金利引き上げ)を正当化する可能性が高いと判断した」と記されていました。一方、他の参加者は「エネルギー価格の下落やドル上昇が引き続きインフレを抑制しており、利上げは年後半にすべきであることが示唆される」と主張したとあります。また二人は、政策引き締めが適切となる経済情勢は2016年まで訪れない公算が大きいとの見解も 示していました。(ブルームバーグ)
市場は、6月利上げが予想以上に意識されていたことで、ドルを買い戻す動きで反応しました。黒田日銀総裁が決定会合後の記者会見で、物価上昇率が予想通りに上がっていないことに対してこれまでに何度も述べた「必要ならちゅうちょなく調整する」という言葉に留まったことで、ドルが緩やかに下落しましたが、FOMC議事録の内容がドルを押し上げる役目をし、結局「往って来い」の相場展開になっています。
昨日の東京時間では、午前中は堅調な株価に支えられる形で120円台前半で留まっていましたが、午後に入ると、ドル売りがでて、119円台に押し戻される展開となり、まだ足許では120円台を固める段階でもなさそうです。ただ、ユーロドルを見ると、どちらかと言えば、ドル高ユーロ安の流れが勝っているように見えます。この流れに引っ張られる形で、ドル円でもドルが底堅い動きを見せている面もあり、ユーロドルの動きにも、目配せが必要です。
FRBの利上げがやや後ずれし、日銀も追加緩和に冷たい姿勢を見せる中、やはり株価の動きに注目するしかありません。日経平均株価は1万9800円近辺で、いよいよ2万円の大台が迫ってきました。投資信託を通じ、個人マネーの流入も高水準で、これまで見向きもしなかった海外の投資ファンドも日本株を「持たないリスク」を感じ始めたとの記事も散見されます。これに、円安を背景とした企業業績の上振れも予想され、NY株の調整を横目に、日本株の先高観は根強いものがあるようです。
実際大量の日本株を保有している「生保」などの機関投資家は、今3月期は株式の含み益が増大し最高益を記録すると伝えられています。含み益で余裕が出てきたことで、多少の為替リスクをとっても利回りの高い米国債への投資を考えることはごく自然のことです。新年度はまだ始まったばかりですが、株価の上昇が続くとすれば、期間投資家の海外投資もこれから本格的になると考えられます。これはドル円の上昇要因と考えられ、「株高・ドル高」が同時に進行することも十分想定できます。本日も昨日と同様に、120円台を維持できるかどうかに注目しながら、レンジは119円50銭〜120円50銭程度を予想します。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 3/3 本田・内閣府参与 「景気過熱を回避するために、日銀は追加緩和を控えるべきだ」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円120円台前半から119円60銭近辺まで下落。 3/4 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「労働市場の改善やインフレ期待感、さらに中長期的に見たリスクバランスを考慮した上で、年央にかけての利上げを支持する」講演で。 ------ 3/4 エバンス・シカゴ連銀総裁 インフレ率が2%の目標に向けて上昇すると自分自身が確信できるのは6月のFOMCでは「やや早いだろう」講演で。 ------ 3/9 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「リセッションを引き起こすことを回避するため、米経済が完全雇用に達する前にFRBが利上げすべきだ」ライス大学での講演で。 ------ 3/10 ファーマン・CEA委員長 「国外経済の成長率にドル高が加わり、現在の米国の輸出に向かい風を吹き付けていることに疑いの余地はない。この向かい風はGDP全般にも吹いている」全米エコノミスト協会の会合で。 ------ 3/11 ブラード・セントルイス連銀総裁 「利上げ、すでに遅すぎる。経済の動きに合った適切な状態にあるためには、今、あるいは近いうちに行動すべきだと考える」英FT紙とのインタビューで。 ------ 3/18 イエレン・FRB議長 「声明文から辛抱強くという文言を削除しただけで、われわれが性急な姿勢になることはない」FOMC後の記者会見で。 ドル円121円台前半からから119円29銭まで下落。ユーロドルは約500ポイント急騰 3/23 フィッシャー・FRB副議長 「米金融政策は、初回利上げ後も非常に緩和的となろう」NYでの講演で。 ドル円119円台後半から119円台半ばへ 3/25 エバンス・シカゴ連銀総裁 「われわれが金融引き締めを急がなければならない差し迫った理由は存在しない」講演で。 ------ 3/31 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「今後発表される経済指標が予想から著しくかい離しない限り、6月会合で利上げを決定する根拠は引き続き強いだろう」講演で。 ------ 4/1 山本幸三・衆議院議員 「追加緩和は(展望リポート)が公表になる、30日会合が良いタイミングだ」ロイター通信とのインタビューで。 市場はドル買い円売りで反応



