今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年4月21日(火)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は昨日の夕方に118円56銭前後まで下落したが、そこを底値に反発。NYでは株高と長期金利の上昇を好感し119円台半ばまでドルが買われ、1191円10−20銭で取引を終える。
  • ユーロドルは小動き。ギリシャ問題が不透明なことから上値は限定的との見方がある一方、米景気の減速懸念もあり動きにくい展開。 1.07台前半から半ばで推移。
  • 株式市場は大幅に反発。、中国で預金準備率が引き下げられたことを受け、主要株に買いが集まる。ダウは一時250ドルを超える上昇を見せたが、208ドル高で引ける。
  • 債券相場は反落。株価が大きく上昇したことや、中国の預金準備率引き下げを嫌気して、売り物が優勢に。長期金利は小幅に上昇し1.88%台に。
  • ドルが買われたことで金は反落。原油は反発。
    ドル/円 118.97 〜 119.43
    ユーロ/ドル 1.0712〜 1.0769
    ユーロ/円 127.59 〜 128.47
    NYダウ +208.63 → 18,034.93ドル
    GOLD −9.40 → 1,193.70ドル
    WTI +0.64 → 56.38ドル
    米10年国債 +0.026 → 1.886%

    本日の注目イベント

    • 豪   RBA議事録
    • 独   独4月ZEW景況感指数

    ドル円は上値が重いのか、それとも118円台半ば以下が底堅いのか、なかなか判断に迷うところです。昨日の夕方4時前には、118円56銭あたりまでドルが売られ、この水準は前日のNYのドル安値を下回ったこともあり、NYでは118円30銭前後までドルが売られるのではないかと予想していましたが、そこから反転しています。NYでは中国金融当局が、市中銀行が中国人民銀行に強制的に預金する際の準備預金の利率を1%引き下げたことを好感した株価の上昇と、長期金利の上昇を背景にドル円は119円台半ばまでドルが買い戻されています。

    ギリシャ問題が依然として進展を見せないことから、ドル円の上値が重く、さらに先週は米景気の減速を示す経済指標が相次いだことも、ドルの上昇を抑える動きになっています。今のところ、米国が年内に利上げを行うという、メインシナリオは崩れていませんが、ここしばらくはこの二つの課題がドル高を抑制することにはなりそうです。

    米経済の減速懸念を払拭するには、5月に発表される「4月の雇用統計」を待つしかありません。ここで、雇用者数が20万人を大きく超えているようなら、「3月の数字は一時的なものだった」という見方が広がり、米景気の先行きにも安心感が出てきます。もっとも、3月のようなサプライズになると、市場の不安はさらに拡大することにもなります。結局、米景気の先行きについてはFOMCメンバーの中でも意見が分かれているのも事実で、「今後の経済指標次第だ」と言う他ないような状況です。

    ギリシャ問題については、依然予断は許さず、デフォルトの可能性も否定できない状況かと思います。昨日ギリシャのツイプラス政権は、資金の枯渇を回避するため、地方公共団体の手元資金を中央銀行に移管させる政令を出しました。これは政府の資金繰りが如何に切迫しているかを如実に物語っています。ブルームバーグは、地方公共団体が市中銀行に預けている資金を中央銀行に強制移管させる措置によって、中央政府に約20億ユーロ(約2560億円)の資金が得られる可能性があると伝えています。

    ただそれでも、今後の資金繰りの厳しさは変わらず、ユーロ圏やIMFなどトロイカからの資金支援がないと、資金が枯渇してしまうのは目に見えています。24日にはユーロ圏財務相会合が開催されるため、ここでの議論が一つのヤマ場になるのではないでしょうか。ギリシャは交渉のテーブルにはつくものの、なるべく好条件を引きだそうとしており、債権団も、ギリシャが緊縮財政を基本とした改革案を受け入れることを資金支援の条件としており、両者の溝は埋まっていません。最後にはギリシャがぎりぎり改革案をのみ、ギリシャのユーロ圏からの離脱を望まない債権団も歩み寄るのではないかと予想していますが、まだまだ不透明です。ドル円は依然としてレンジを抜け切れません。ここは小まめに利益を確保していく必要があります。

    本日のレンジは118円70銭〜119円70銭程度と予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    3/3 本田・内閣官房参与 「景気過熱を回避するために、日銀は追加緩和を控えるべきだ」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円120円台前半から119円60銭近辺まで下落。
    3/4 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「労働市場の改善やインフレ期待感、さらに中長期的に見たリスクバランスを考慮した上で、年央にかけての利上げを支持する」講演で。 ------
    3/4 エバンス・シカゴ連銀総裁 インフレ率が2%の目標に向けて上昇すると自分自身が確信できるのは6月のFOMCでは「やや早いだろう」講演で。 ------
    3/9 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「リセッションを引き起こすことを回避するため、米経済が完全雇用に達する前にFRBが利上げすべきだ」ライス大学での講演で。 ------
    3/10 ファーマン・CEA委員長 「国外経済の成長率にドル高が加わり、現在の米国の輸出に向かい風を吹き付けていることに疑いの余地はない。この向かい風はGDP全般にも吹いている」全米エコノミスト協会の会合で。 ------
    3/11 ブラード・セントルイス連銀総裁 「利上げ、すでに遅すぎる。経済の動きに合った適切な状態にあるためには、今、あるいは近いうちに行動すべきだと考える」英FT紙とのインタビューで。 ------
    3/18 イエレン・FRB議長 「声明文から辛抱強くという文言を削除しただけで、われわれが性急な姿勢になることはない」FOMC後の記者会見で。 ドル円121円台前半からから119円29銭まで下落。ユーロドルは約500ポイント急騰
    3/23 フィッシャー・FRB副議長 「米金融政策は、初回利上げ後も非常に緩和的となろう」NYでの講演で。 ドル円119円台後半から119円台半ばへ
    3/25 エバンス・シカゴ連銀総裁 「われわれが金融引き締めを急がなければならない差し迫った理由は存在しない」講演で。 ------
    3/31 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「今後発表される経済指標が予想から著しくかい離しない限り、6月会合で利上げを決定する根拠は引き続き強いだろう」講演で。 ------
    4/1 山本幸三・衆議院議員 「追加緩和は(展望リポート)が公表になる、30日会合が良いタイミングだ」ロイター通信とのインタビューで。 市場はドル買い円売りで反応
    4/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「最近の経済データに見られる弱さは一時的なものである可能性が高い。6月の利上げ開始への支持は変わっていない」講演で。 ------
    4/13 浜田・内閣府参与 「購買力平価からすると120円はかなり円安。105円ぐらいが妥当」TV番組で。 ドル円120円台前半から119円68銭近辺まで下落。
    4/15 ドラギ・ECB総裁 「われわれが導入した金融政策措置が奏功していることを示す明確な証拠がある」理事会後の記者会見で。 ユーロが買われる。
    4/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「雇用やインフレに関する最近の統計に弱さが見られるのは、米国経済が利上げをする準備が整っていないことを意味する」講演で。 ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和