今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年4月28日(火)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は119円台が重かったものの、欧州時間には格付け会社フィッチが日本国債の格下げを発表したことで円売りが強まり、119円44銭までドル高が進む。NYでは30日発表のGDPが下振れるとの観測が強まり、118円台後半まで円が買われ、119円05−10銭で引ける。
  • ユーロドルも米GDPが弱めに出るとの観測のもと、ユーロを買い戻す動きが優勢に。一時は1.0927までユーロが買われ。約3週間ぶりの水準をつける。
  • 米国株は反落。バイオ株を中心にFOMCを前に、利益確定の売りに押される。ダウは42ドル下落し、ナスダックも小幅に反落。
  • 債券相場も続落。2年債入札が低調だったことが背景。長期金利は1.92%台へ小幅に上昇。
  • 金はドルが売られたことで大幅に上昇。原油は小幅に続落。
    ドル/円 118.90 〜 119.44
    ユーロ/ドル 1.0820〜 1.0927
    ユーロ/円 129.21 〜 129.97
    NYダウ −42.17 → 18,037.97
    GOLD +28.20 → 1,203.20ドル
    WTI −0.16 → 56.99ドル
    米10年国債 +0.012 → 1.922%

    本日の注目イベント

    • 英   英1−3月期GDP(速報値)
    • 米   2月ケースシラー住宅価格指数
    • 米   4月消費者信頼感指数
    • 米   4月リッチモンド連銀製造業指数
    • 米   日米首脳会談(ワシントン)

    格付け会社フィッチが、日本国債の格付けを「A」に一段階引き下げを発表したことから、ドル円は欧州時間に119円台半ばまで円安が進む場面もありましたが、影響は限定的だったようです。格下げの理由は、日本政府が消費税増税先送りの影響を相殺する措置を講じていないことを挙げています。10%の消費税は2017年4月に先送りされていますが、今度は延期できそうもありません。

    ドル円は、欧州時間では上記影響もあり堅調に推移していましたが、NYでは30日に発表される1−3月期GDP速報値の予想が、1年ぶりにの低水準になると見込まれていることがドルの上値を抑え、ドル円は再び118円台後半まで押し戻されています。さすがに、1%程度と見込まれている速報値が1%を割り込むようだと、寒波や、湾岸ストの影響だというだけでは説明できず、景気実態そのものが悪化しているのではないかといった見方も浮上します。

    またGDPが下振れするようだと、当日のFOMC内での議論にも影響を与え、利上げが後ずれすることも考えられます。個人的には現時点では、それでも9月に利上げが有力と予想していますが、今後の経済指標がFOMCの決定に影響を与えるだけに、来週の雇用統計同様に注目度は高いと見られます。

    ユーロドルが3週間ぶりに1.09台前半まで上昇し、ポンドドルも約1ヶ月半ぶりに1.52台半ばまで買われるなど、市場ではドル安傾向が進んでいます。このような場合には、ドル円でもドルが売られ、円が買われますが、ドル円では下値でドル買い需要が強く、それ程下落しません。そのため、クロス円は上昇する傾向があります。対ドルで見たユーロも、ポンドもこのまま上昇に転じるのか、あるいは上昇を抑えられるのか微妙な値位置にいます。その意味でも、30日のGDPと来週の雇用統計が、今後の方向性を大きく決定づける可能性があると予想できます。

    依然として不透明なギリシャ問題ですが、ギリシャは債権者との合意を目指す取り組み調整役を更迭しました。現在バルファキス財務相がその任にあたっていますが、同氏の交渉姿勢に批判が集まり、このままでは債権者から合意を得られないと判断したのか、今後は外相のツァカロトス氏が兼任するようです。今回の措置がツイプラス政権が本気で合意を目指していると受け止めるのか、あるいはこれまでと同様に単なる時間稼ぎなのか、今後の進展を見守る必要があります。

    本日も東京時間では動きにくい展開が予想されます。株価が昨日に比べ上昇しそうな気配ですが、その際にドル円がどこまで買われるのか、ということですが、相関関係が崩れている状況のため、あまり期待はできません。予想レンジは118円60銭〜119円60銭程度を見ています。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    3/3 本田・内閣官房参与 「景気過熱を回避するために、日銀は追加緩和を控えるべきだ」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円120円台前半から119円60銭近辺まで下落。
    3/4 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「労働市場の改善やインフレ期待感、さらに中長期的に見たリスクバランスを考慮した上で、年央にかけての利上げを支持する」講演で。 ------
    3/4 エバンス・シカゴ連銀総裁 インフレ率が2%の目標に向けて上昇すると自分自身が確信できるのは6月のFOMCでは「やや早いだろう」講演で。 ------
    3/9 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「リセッションを引き起こすことを回避するため、米経済が完全雇用に達する前にFRBが利上げすべきだ」ライス大学での講演で。 ------
    3/10 ファーマン・CEA委員長 「国外経済の成長率にドル高が加わり、現在の米国の輸出に向かい風を吹き付けていることに疑いの余地はない。この向かい風はGDP全般にも吹いている」全米エコノミスト協会の会合で。 ------
    3/11 ブラード・セントルイス連銀総裁 「利上げ、すでに遅すぎる。経済の動きに合った適切な状態にあるためには、今、あるいは近いうちに行動すべきだと考える」英FT紙とのインタビューで。 ------
    3/18 イエレン・FRB議長 「声明文から辛抱強くという文言を削除しただけで、われわれが性急な姿勢になることはない」FOMC後の記者会見で。 ドル円121円台前半からから119円29銭まで下落。ユーロドルは約500ポイント急騰
    3/23 フィッシャー・FRB副議長 「米金融政策は、初回利上げ後も非常に緩和的となろう」NYでの講演で。 ドル円119円台後半から119円台半ばへ
    3/25 エバンス・シカゴ連銀総裁 「われわれが金融引き締めを急がなければならない差し迫った理由は存在しない」講演で。 ------
    3/31 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「今後発表される経済指標が予想から著しくかい離しない限り、6月会合で利上げを決定する根拠は引き続き強いだろう」講演で。 ------
    4/1 山本幸三・衆議院議員 「追加緩和は(展望リポート)が公表になる、30日会合が良いタイミングだ」ロイター通信とのインタビューで。 市場はドル買い円売りで反応
    4/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「最近の経済データに見られる弱さは一時的なものである可能性が高い。6月の利上げ開始への支持は変わっていない」講演で。 ------
    4/13 浜田・内閣府参与 「購買力平価からすると120円はかなり円安。105円ぐらいが妥当」TV番組で。 ドル円120円台前半から119円68銭近辺まで下落。
    4/15 ドラギ・ECB総裁 「われわれが導入した金融政策措置が奏功していることを示す明確な証拠がある」理事会後の記者会見で。 ユーロが買われる。
    4/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「雇用やインフレに関する最近の統計に弱さが見られるのは、米国経済が利上げをする準備が整っていないことを意味する」講演で。 ------
    4/23 黒田・日銀総裁 「(追加緩和に関して)サプライズによって効果を出そうとは考えていない」参院財政金融委員会で。 ------
    4/24 山本幸三・衆議院議員 「(30日の決定会合を控えて)日銀が何もしないという話はちょっとあり得ない」ブルームバーグとのインタビューで。 ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和