今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年5月19日(火)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は株高と長期金利の上昇を好感し再び120円台に乗せる。一部に、年後半の米景気は回復するとの見方が広がり、ドルが買い戻されたとの声も。
  • ユーロドルも1.14台から反落。全般的にドルが買い戻されたことで、ユーロ売りが優勢となり、一時は1.13台を割り込む。
  • 株式市場は続伸。ダウは26ドル上昇し、3月2日以来となる最高値を更新。アップルや銀行株が上昇を牽引し、S&P500も最高値を更新。
  • 債券相場は反落。欧州債の下落につれ安となり、長期金利は2.23%台まで上昇。ドル買いにつながった。
  • 金は5日続伸。原油は小幅ながら続落。

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    5月NAHB住宅市場指数 → 54
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    ドル/円 119.68 〜 120.04
    ユーロ/ドル 1.1299 〜 1.1407
    ユーロ/円 135.58 〜 136.51
    NYダウ +26.32 → 18,298.88ドル
    GOLD +2.30 → 1,227.60ドル
    WTI −0.26 → 59.43ドル
    米10年国債 +0.097 → 2.237%

    本日の注目イベント

    • 豪   RBA議事録
    • 独   独5月ZEW景況感指数
    • 欧   ユーロ圏4月消費者物価指数(改定値)
    • 欧   ユーロ圏3月貿易収支
    • 英   英4月消費者物価指数
    • 米   4月住宅着工件数
    • 米   4月建設許可件数

    年後半の米景気に対する楽観的な見方が広がりドルが買い戻され、ドル円は再び120円台に乗せる場面があり、前日1.14台半ばまで買い戻しが進んだユーロドルの反発もさすがに一服です。ドル円は膠着相場が続き、上昇しても下落しても値幅が限られ、一方ユーロドルはどちらにも値幅が飛ぶため、昨日はユーロの下落に伴いユーロ円も135円台半ばまで反落しています。

    米景気が好転するという見方に、現時点では特段根拠はありませんが、昨日のNY市場では今週発表される住宅市場や製造業活動に関する指標に改善が見られるといった楽観的な見方が広がったようです。本日の住宅着工件数の発表で、その見方が事実かどうか判断できそうです。

    一方で今朝の経済紙では、米利上げが来年にずれ込むという見方があることを紹介しています。軟調な経済指標が続いていることから、9月の利上げ観測が徐々に後退し、利上げは来年になると予想する専門家が増えているというものです。

    ハト派の代表格であるシカゴ連銀のエバンス総裁は昨日の講演で、米金融当局として主要政策金利を2016年の早い時期までゼロ近辺に据え置くべきだとの考えを改めて示しました。総裁は「私の経済見通しやリスクのバランスの評価からは、来年の早い時期まで利上げ開始に十分な自信が持てるようにはなれないというのが現在の認識だ」と述べています。

    FRBによる利上げが9月なのか、あるいは来年にずれ込むのかによって、今後の為替相場は大きく異なります。現在の認識は、米景気回復の勢いは明らかに、昨年末あたりでピークを迎えました。今年に入って発表された経済指標はほぼ軟調で、市場予想を下回っているのも事実です。しかし、それでも利上げは年内に実施されるという見方が大勢で、そのためドル円もピークの122円程度からは大きく下げてはいません。「米経済の一人勝ち」という構図はくずれつつありますが、それでも日米欧では頭一つ抜けているのも確かのようです。

    さらに日欧では大規模な量的緩和の真っ最中です。それぞれの中央銀行の資産残高も日銀は飛びぬけています。金融政策の変更はそう簡単には舵を切り直すというわけにはいきません。上述のように、今後年後半になっても引き続き軟調な経済指標が出てくるようなら、利上げは来年以降にずれ込み、ドル円も円高方向に振れると「腹をくくる」しかないでしょう。今はまだそのタイミングではないと考えます。

    本日は120円台に乗せる場面もあるかもしれませんが、それ程大きくドルが買われるとも思えません。120円の半ばがこのところの「壁」になっているため、ここを抜ければ上昇に弾みがつくことも考えられますが、可能性は低いでしょう。日経平均株価が引け値で2万円の大台を維持できれば、海外市場で上記「壁」を試すことがあるかもしれません。

    レンジの予想は119円50銭〜120円50銭といったところでしょうか。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    4/1 山本幸三・衆議院議員 「追加緩和は(展望リポート)が公表になる、30日会合が良いタイミングだ」ロイター通信とのインタビューで。 市場はドル買い円売りで反応
    4/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「最近の経済データに見られる弱さは一時的なものである可能性が高い。6月の利上げ開始への支持は変わっていない」講演で。 ------
    4/13 浜田・内閣府参与 「購買力平価からすると120円はかなり円安。105円ぐらいが妥当」TV番組で。 ドル円120円台前半から119円68銭近辺まで下落。
    4/15 ドラギ・ECB総裁 「われわれが導入した金融政策措置が奏功していることを示す明確な証拠がある」理事会後の記者会見で。 ユーロが買われる。
    4/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「雇用やインフレに関する最近の統計に弱さが見られるのは、米国経済が利上げをする準備が整っていないことを意味する」講演で。 ------
    4/23 黒田・日銀総裁 「(追加緩和に関して)サプライズによって効果を出そうとは考えていない」参院財政金融委員会で。 ------
    4/24 山本幸三・衆議院議員 「(30日の決定会合を控えて)日銀が何もしないという話はちょっとあり得ない」ブルームバーグとのインタビューで。 ------
    5/12 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「今の段階で今後の金融政策の方向性を決定する必要はない。データを注視し、様子を見ている」講演で。 ------
    5/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「私の経済見通しやリスクのバランスの評価からは、来年の早い時期まで利上げ開始に十分な自信が持てるようにはなれないというのが現在の認識だ」講演で。 ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和