今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年5月21日(木)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は東京時間に121円台に乗せ、その後も堅調に推移。FOMC議事録公表後は、約2ヵ月ぶりとなる121円49銭までドル高に振れる一方、121円を割り込む場面も。結局121円30−40銭と、この日の高値水準で引ける。
  • ユーロドルは欧州時間の朝方に1.10台半ばまで下落したが、その後は買い戻しも入り神経質な動きが続く。NYでは1.11台半ばまで上昇するも上値の重さは変わらず。
  • 株式市場はまちまち。ダウは利益確定の売りに押され26ドル下落。一方ナスダックは1.7ポイント上昇。
  • 債券相場は反発。FOMC議事録では、利上げは急がないことを示唆していると受け止められ、買い安心感が広がった。
  • 金は小幅に反発し、前日大幅に下落した原油は急反発。
    ドル/円 120.73 〜 121.49
    ユーロ/ドル 1.1070 〜 1.1145
    ユーロ/円 134.43 〜 134.85
    NYダウ −26.99 → 18,285.40ドル
    GOLD +2.00 → 1,208.70ドル
    WTI +1.72 → 58.98ドル
    米10年国債 −0.034 → 2.256%

    本日の注目イベント

    • 中   中国 5月HSBC製造業PMI(速報値)
    • 独   独5月製造業PMI(速報値)
    • 独   独5月サービス業PMI(速報値)
    • 欧   ECB議事要旨
    • 欧   ユーロ圏5月製造業PMI(速報値)
    • 欧   ユーロ圏5月非製造業PMI(速報値)
    • 欧   ユーロ圏5月消費者信頼感(速報値)
    • 米   新規失業保険申請件数
    • 米   4月中古住宅販売件数
    • 米   4月景気先行指標総合指数
    • 米   ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演

    ドル円は約2ヵ月ぶりに121円台を回復し、昨日のNYでは121円49銭までドル高が進行しました。前日のNYで、これまで「壁」として立ちはだかってきた120円50銭近辺が抜けたことで、ドル先高感が広がり、投資家は再びドル買いで攻めているようです。

    冷静に考えると、これまでのレンジ相場が続いた状況と、ここ2日ほどでは大きな外部環境の変化は見られません。米長期金利は2.2%台でもみ合いが続いていることは変わらず、株価が高値を取ってきていることで、ややリスクオンに傾いてはいるものの、米利上げ観測が前倒しになったわけでもありません。

    個人投資家の方からも「なぜ急にドル高になったの?」といった問い合わせもありますが、明確に答えられないのが正直なところです。あえて探せば、ユーロドルで「ユーロ安ドル高」が進んだことで、円も売られたと見ることはできそうです。また昨日も述べたようにテクニカルで、ローソク足が「雲」を抜け切ったという点も、ドル高を示唆していると見ることができます。

    ここまで来ると、ドル円は3月10日に記録した122円04銭を抜くことができるかどうかが注目されます。足元では再びドル先高感が強まって来ましたが、昨年12月のような高揚感はありません。かりにドルの高値を更新するにしても、緩やかに、あるいは一進一退を繰り返しながらドルが上昇するイメージを持っています。

    昨日公開されたFOMC議事録では、メンバーの多くは次の6月の会合での利上げの公算は小さいと見ていたことが示された一方、1−3月期の景気減速が長期間続く可能性は低いとも判断していました。(ブルームバーグ)また議事録では、経済については、第一四半期の減速の後に「緩やかなペース」での拡大に戻ると予想しています。

    このように、全体とすれば利上げは急がないと認識していることが窺える内容だったことで、ここから昨日のドル高を説明するのは困難です。重要なのはFOMCメンバーが予想するように、今後は景気回復を示すような強い経済指標が出てくるのかどうかです。足元のドル高は、ややこれからの経済指標を楽観視しているようにも思えます。

    本日は欧州時間にドイツやユーロ圏のPMIが発表されます。ユーロがどのような動きになるのかがドル円にも波及して来ます。東京時間では、中国のPMIと高値を更新した日本株の行方に注目です。レンジは120円80銭〜121円80銭程度を予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    4/1 山本幸三・衆議院議員 「追加緩和は(展望リポート)が公表になる、30日会合が良いタイミングだ」ロイター通信とのインタビューで。 市場はドル買い円売りで反応
    4/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「最近の経済データに見られる弱さは一時的なものである可能性が高い。6月の利上げ開始への支持は変わっていない」講演で。 ------
    4/13 浜田・内閣府参与 「購買力平価からすると120円はかなり円安。105円ぐらいが妥当」TV番組で。 ドル円120円台前半から119円68銭近辺まで下落。
    4/15 ドラギ・ECB総裁 「われわれが導入した金融政策措置が奏功していることを示す明確な証拠がある」理事会後の記者会見で。 ユーロが買われる。
    4/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「雇用やインフレに関する最近の統計に弱さが見られるのは、米国経済が利上げをする準備が整っていないことを意味する」講演で。 ------
    4/23 黒田・日銀総裁 「(追加緩和に関して)サプライズによって効果を出そうとは考えていない」参院財政金融委員会で。 ------
    4/24 山本幸三・衆議院議員 「(30日の決定会合を控えて)日銀が何もしないという話はちょっとあり得ない」ブルームバーグとのインタビューで。 ------
    5/12 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「今の段階で今後の金融政策の方向性を決定する必要はない。データを注視し、様子を見ている」講演で。 ------
    5/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「私の経済見通しやリスクのバランスの評価からは、来年の早い時期まで利上げ開始に十分な自信が持てるようにはなれないというのが現在の認識だ」講演で。 ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和