今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年5月25日(月)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はイエレンFRB議長の発言や、CPIの上昇を受けて、121円57銭まで上昇。約2ヶ月ぶりのドル高水準を記録し、年初来高値を試すとの見方が強まる。
  • ドル高の流れが加速したことから、ユ−ロドルでもユーロを売ってドルを買う動きが強まる。ユーロドルは約1ヶ月ぶりに1.10近辺まで下落。
  • 株式市場は小幅に反落。イエレン議長が年内の利上げを示唆したことが、利益確定の売りを誘った。ダウは53ドル安。
  • 債券相場も反落。年内利上げの可能性を嫌気して売りが優勢の展開に。長期金利は2.21%台と、小幅に上昇。
  • 金、原油は共に下落。

    *********************
    4月消費者物価指数  → +0.1%
    *********************
    ドル/円 120.87 〜 121.57
    ユーロ/ドル 1.1003〜 1.1184
    ユーロ/円 133.72 〜 135.12
    NYダウ −53.72 → 18,232.02ドル
    GOLD −0.10 → 1,204.00ドル
    WTI −1.00 → 59.72ドル
    米10年国債 +0.020 → 2.210%

    本日の注目イベント

    • 日   4月貿易収支
    • 米   株式・債券市場は「メモリアルデー」のため休場
    • 米   フィッシャー・FRB副議長講演

    先週末のドル円は約2ヵ月ぶりの水準となる、121円57銭までドル高が進みました。120円台半ばを上抜けした時点で、久しぶりの水準であるため、ドル売り需要もあるが、テクニカル的にはドルの上昇を示唆していると書きましたが、今のところ、テクニカルに軍配が上がった感じです。

    イエレンFRB議長は22日、ロードアイランド州で講演を行い、「想定通りに景気の回復が続いた場合は、年内いずれかの時点でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上げの最初の措置を講じることが適切になるだろう」と述べました。

    「想定通りに景気が回復したら」という条件つきではありますが、議長が年内のある時点での利上げに言及したのは、初めてです。やはりFRBとしても、景気の回復がややまだら模様になってきたとはいえ、できるだけ早い時期に「正常な金融政策」に戻す「筋道」はつけて置きたいという考えが根底にあるということです。

    また、第一四半期GDPに見られたように、景気回復の足どりはおぼつかないものの、年後半には再び回復基調に戻るとの自信もあるものと思われます。GDPについては、サンフランシスコ連銀の調査官の分析にもあるように、第一四半期がその年で最も低調であるという季節性が指摘されています。

    さて、121円台半ばまで上昇してきたドル円ですが、ユーロドルの動きを見ても、ドル高傾向が強まってきたことが窺えます。上述のように年内の利上げがあるとすれば、やはり9月の利上げがもっとも可能性が高いと思われます。目先の目標は、3月10日に記録した122円04銭ですが、ここを明確に上抜けすればドル円は125円に向っていると考えられます。ただ、それでも昨年後半のような勢いでドルが上昇していくとは考えにくいと思います。

    利上げを嫌気して、米株式市場が調整色を強める可能性が高いからです。NYダウは5月の初めまでは1万800ドルを抜けませんでしたが、その後は利上げ観測の後退から上昇傾向を強め、先週には1万8312ドルと、最高値を更新しています。今後、利上げが確実になってくると再び軟調な展開になることも予想されることから、ドル円の上値を抑えることも考えられます。日本株が比較的堅調で、ドル下落を支えることにはなりますが、NY株式の影響を受けないわけにはいきません。

    本日は、NYでは株式と債券市場がお休みです。そのため、為替も小動きに終わる可能性もありますが、水準が水準だけに、そこそこの値動きが想定されます。予想レンジは121円〜122円といったところでしょうか。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    4/1 山本幸三・衆議院議員 「追加緩和は(展望リポート)が公表になる、30日会合が良いタイミングだ」ロイター通信とのインタビューで。 市場はドル買い円売りで反応
    4/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「最近の経済データに見られる弱さは一時的なものである可能性が高い。6月の利上げ開始への支持は変わっていない」講演で。 ------
    4/13 浜田・内閣府参与 「購買力平価からすると120円はかなり円安。105円ぐらいが妥当」TV番組で。 ドル円120円台前半から119円68銭近辺まで下落。
    4/15 ドラギ・ECB総裁 「われわれが導入した金融政策措置が奏功していることを示す明確な証拠がある」理事会後の記者会見で。 ユーロが買われる。
    4/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「雇用やインフレに関する最近の統計に弱さが見られるのは、米国経済が利上げをする準備が整っていないことを意味する」講演で。 ------
    4/23 黒田・日銀総裁 「(追加緩和に関して)サプライズによって効果を出そうとは考えていない」参院財政金融委員会で。 ------
    4/24 山本幸三・衆議院議員 「(30日の決定会合を控えて)日銀が何もしないという話はちょっとあり得ない」ブルームバーグとのインタビューで。 ------
    5/12 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「今の段階で今後の金融政策の方向性を決定する必要はない。データを注視し、様子を見ている」講演で。 ------
    5/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「私の経済見通しやリスクのバランスの評価からは、来年の早い時期まで利上げ開始に十分な自信が持てるようにはなれないというのが現在の認識だ」講演で。 ------
    5/22 イエレン・FRB議長 「想定通りに景気の回復が続いた場合は、年内いずれかの時点でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上の最初の措置を講じることが適切になるだろう」講演で。 ドル円、ユーロドルともに ドル高が進行。
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和