今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年5月28日(木)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は特に材料がない中一段と上昇し、124円09銭までドル高が進行。2007年6月の124円14銭には届かなかったものの、ほぼ「高値面あわせ」を示現。引け値では123円65−70銭まで小幅に値を戻す。
  • ユーロドルは1.08台前半までドル高ユーロ安が進む場面もあったが、ギリシャへ支援問題の合意が近いとの観測から買い戻され、1.09台に反発。
  • 株式市場は反発。ギリシャ問題への楽観的な見方などからテクノロジー株が上昇。ダウは121ドル上昇し、ナスダックは最高値を更新。
  • 債券相場は続伸。インフレ期待から債券は買われ、長期金利は2.13%台まで低下。
  • ドル高の影響を受け、金、原油は共に続落。
    ドル/円 123.45 〜 124.09
    ユーロ/ドル 1.0819 〜 1.0910
    ユーロ/円 133.82 〜 135.01
    NYダウ +121.45 → 18,162.99ドル
    GOLD −1.30 → 1,185.60ドル
    WTI −0.52 → 57.51ドル
    米10年国債 −0.010 → 2.130%

    本日の注目イベント

    • 欧   ユーロ圏5月景況感指数
    • 欧   ユーロ圏5月消費者信頼感(改定値)
    • 英   英1−3月期GDP(改定値)
    • 米   新規失業保険申請件数
    • 米   4月中古住宅販売成約指数
    • 米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
    • 米   ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演

    ドル円は東京時間内では上値の重い展開でしたが、昨日も指摘したように、海外市場に入ると息を吹き返したように上昇力を強める展開が続いています。昨日も東京市場では123円台前半が重く、123円を挟むもみ合いから、一時は122円78銭までドルが売られる場面もありましたが、そこから切り返し、ロンドン市場では123円台半ばを抜き、NY市場では124円09銭まで上昇しています。2007年6月に記録した124円14銭に、5銭足りなかったですが、ほぼ達成したとみることもできそうです。

    昨日の海外市場では特にドルを買う材料もなく、NYでは株価は上昇したものの、長期金利は小幅に低下しています。124円台までドルを押し上げた原動力は、やはりへッジファンドなどの投機的な動きと見るほかありません。先週発表されたシカゴ先物市場での円売り枚数は、約2万2000枚程度で、極めて低水準でした。これは、今後相当な枚数まで増やすことができることを意味しており、120円台半ばを超えたことや、先週末のイエレン議長の利上げ発言で、「円の先安感」を強めたことが背景と考えられます。

    ただ、この動きはやや行き過ぎで、短期的にはオーバーシュートであると考えますが、上記ヘッジファンドなどは、一旦ポジションメイクすると、比較的長く持つ傾向があります。また、巧みに相場の動きを捉え、相場を押し上げる取引も行います。そのため、短期的に「買われ過ぎだ」と、ショートを振った投資家を、いわゆる「ショート・スクウィーズ」し、買戻しを余儀なくさせる巧みさも持っています。ここは、実需などのドル売りサイドと、投機筋などとの攻防戦のような状況と見ることができます。

    今日も、同じような展開があるかもしれません。株価の上昇を背景に、ドル買いで攻める向きもあろうと思いますが、124円前後では一旦利益を確定する動きも想定されます。その結果、上値が重くなることも考えられますが、これまでのように海外市場で一気にドルが上昇すると追随する動きも出てきます。その結果、ドルがさらに上昇して125円を目指すこともあるかもしれません。それでも、警戒感は必要です。昨日の麻生財務大臣の発言のように、急激な円安を懸念する声が出てくることも十分想定されます。

    今朝の専門家のコメントでは「130円も」という声が出て来ました。このあたりのセンチメントにも注意が必要です。今年の1月には「すぐに125円まで行き、130円も」という声が多かったことは記憶に新しいところです。125円には、それから半年を経過して、ようやく届くかどうかという水準です。

    本日は新規失業申請件数が発表されます。この指標は、このところ非常に堅調です。予想レンジは123円30銭〜124円50銭程度とします。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    4/1 山本幸三・衆議院議員 「追加緩和は(展望リポート)が公表になる、30日会合が良いタイミングだ」ロイター通信とのインタビューで。 市場はドル買い円売りで反応
    4/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「最近の経済データに見られる弱さは一時的なものである可能性が高い。6月の利上げ開始への支持は変わっていない」講演で。 ------
    4/13 浜田・内閣府参与 「購買力平価からすると120円はかなり円安。105円ぐらいが妥当」TV番組で。 ドル円120円台前半から119円68銭近辺まで下落。
    4/15 ドラギ・ECB総裁 「われわれが導入した金融政策措置が奏功していることを示す明確な証拠がある」理事会後の記者会見で。 ユーロが買われる。
    4/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「雇用やインフレに関する最近の統計に弱さが見られるのは、米国経済が利上げをする準備が整っていないことを意味する」講演で。 ------
    4/23 黒田・日銀総裁 「(追加緩和に関して)サプライズによって効果を出そうとは考えていない」参院財政金融委員会で。 ------
    4/24 山本幸三・衆議院議員 「(30日の決定会合を控えて)日銀が何もしないという話はちょっとあり得ない」ブルームバーグとのインタビューで。 ------
    5/12 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「今の段階で今後の金融政策の方向性を決定する必要はない。データを注視し、様子を見ている」講演で。 ------
    5/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「私の経済見通しやリスクのバランスの評価からは、来年の早い時期まで利上げ開始に十分な自信が持てるようにはなれないというのが現在の認識だ」講演で。 ------
    5/22 イエレン・FRB議長 「想定通りに景気の回復が続いた場合は、年内いずれかの時点でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上の最初の措置を講じることが適切になるだろう」講演で。 ドル円、ユーロドルともに ドル高が進行。
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和