今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年5月29日(金)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 昨日の東京時間昼過ぎに124銭30銭まで上昇したドル円は、その後123円台中頃まで下げる場面もあったが、NYでは再び上昇し124円46銭までドル高が進行。G7に参加中の麻生財務大臣の円安を警戒する発言に再度123円台に下落するなど荒っぽい動きに。
  • ユーロドルはギリシャ問題を意識しながら、ややユーロを買い戻す動きが優勢。1.08台後半から1.09台半ばまで反発。
  • 株価は反落。輸出関連株が売られ、鉄道株なども下げた。ダウは36ドル安と今週は一進一退。
  • 債券相場は前日とほぼ同水準で取引を終える。7年債の入札が好調だったものの、終始もみ合いの展開で、長期金利は2.13%台で変わらず。
  • 金は小幅に反発、原油も上昇したが小動き。

    **************************
    新規失業保険申請件数    → 28.2万件
    4月中古住宅販売成約指数  → +3.4%
    **************************
    ドル/円 123.62 〜 124.46
    ユーロ/ドル 1.0867 〜 1.0959
    ユーロ/円 135.15 〜 135.89
    NYダウ −36.87 → 18,126.12ドル
    GOLD +3.20 → 1,188.80ドル
    WTI +0.17 → 57.68ドル
    米10年国債 +0.007 → 2.137%

    本日の注目イベント

    • 日   4月消費者物価指数
    • 日   4月失業率
    • 日   4月鉱工業生産
    • 独   独4月小売売上高
    • 米   1−3月期GDP( 改定値 )
    • 米   5月シカゴ購買部協会景気指数
    • 米   5月ミシガン大学消費者信頼感指数(改定値)
    • 加   カナダ1−3月期GDP

    連日高値を更新しているドル円は、昨日の東京時間昼過ぎに仕掛け的な動きから、124円30銭まで上昇し、2007年6月に記録したドルの高値をあっさり更新しました。夕方には一旦売られ123円台半ばまでドルが下落しましたが、NYでは再びドルが買い戻され124円46銭の高値を記録しています。

    麻生財務大臣の発言は、前日にもあり、この時は市場への影響はほとんどありませんでしたが、昨日の発言には敏感に反応し、ドル上昇にブレイキがかかりました。発言は「足元の円安方向に、この数日間を見れば荒い動きがある」とし、「市場の動きを今後とも注意深く見ていきたい」と述べています。麻生大臣は、G7の前に、米国のルー財務長官と会談したようですが、ここでは特に為替は話題にのぼらなかったようです。

    麻生発言をきっかけに、ドル円は123円台半ばまで下落ましたが、水準が水準だっただけに、警戒感も増したようです。124円台半ばまで上昇したドル円は、やはり上昇スピードが速すぎると思います。昨年10月のような、明確な円売り材料が出たわけでもなく、米利上げ観測がやや高まってきたというだけで120円50銭の節目を抜き、そこから4円もの円安です。ここまで来たら、125円台を一度は覗きそうですが、その水準を維持できるとも思えません。9月の利上げが確実になり、米長期金利が3%に近づくような「支援材料」が不可欠かと思います。

    ドル円が上昇する一方、日本株の上昇も続き「株高、ドル高」が同時に進行する状況が鮮明です。日経平均株価の10日続伸は27年ぶりの快挙とか。ドルに対して強気の見方が増えると同時に、株価の上昇にも強気の見方が増えてきました。ここは少し冷静になる必要があるのではないでしょうか。株価は今期の利益の上振れも徐々に織り込んでいると思われ、これは円安とも深い関係があります。何かのきっかけで、株が下がれば、ドルも売られ、その逆もあります。短期的には、高値警戒感を持つレベルに入っていると思われます。125円を超えて、もう一段のドル高があるとすれば、それは来週末の雇用統計が20万人を大きく超えた時ではないかと予想します。

    本日は124円台半ば超えは難しいのではないかと思います。連日見られるように、海外市場に入ると仕掛け的なドル買いが出る可能性はありますが、そこに依存しすぎてもいけません。予想レンジは123円20銭〜124円50銭程度を見ますが、あくまでも参考値にとどめていただければと思います。

    5月もまもなく終わります。今週は各地で真夏日が見られ、大分県では35度近い気温上昇がありました。ドル円も上昇、株価も上昇、そして気温も上昇と、5月の割には日本列島は燃えています。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    4/1 山本幸三・衆議院議員 「追加緩和は(展望リポート)が公表になる、30日会合が良いタイミングだ」ロイター通信とのインタビューで。 市場はドル買い円売りで反応
    4/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「最近の経済データに見られる弱さは一時的なものである可能性が高い。6月の利上げ開始への支持は変わっていない」講演で。 ------
    4/13 浜田・内閣府参与 「購買力平価からすると120円はかなり円安。105円ぐらいが妥当」TV番組で。 ドル円120円台前半から119円68銭近辺まで下落。
    4/15 ドラギ・ECB総裁 「われわれが導入した金融政策措置が奏功していることを示す明確な証拠がある」理事会後の記者会見で。 ユーロが買われる。
    4/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「雇用やインフレに関する最近の統計に弱さが見られるのは、米国経済が利上げをする準備が整っていないことを意味する」講演で。 ------
    4/23 黒田・日銀総裁 「(追加緩和に関して)サプライズによって効果を出そうとは考えていない」参院財政金融委員会で。 ------
    4/24 山本幸三・衆議院議員 「(30日の決定会合を控えて)日銀が何もしないという話はちょっとあり得ない」ブルームバーグとのインタビューで。 ------
    5/12 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「今の段階で今後の金融政策の方向性を決定する必要はない。データを注視し、様子を見ている」講演で。 ------
    5/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「私の経済見通しやリスクのバランスの評価からは、来年の早い時期まで利上げ開始に十分な自信が持てるようにはなれないというのが現在の認識だ」講演で。 ------
    5/22 イエレン・FRB議長 「想定通りに景気の回復が続いた場合は、年内いずれかの時点でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上の最初の措置を講じることが適切になるだろう」講演で。 ドル円、ユーロドルともに ドル高が進行。
    5/28 麻生・財務大臣 「足元の円安方向に、この数日間を見れば荒い動きがある」G7に参加する途中で。 ドル円124円台半ばから123円台半ばまで急落。
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和