今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年6月3日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は東京時間に125円台に乗せ、やや達成感が出たことやユーロドルで、ユーロが大きく買われたことから円買い、ドル売りが優勢に。NYでは一時123円75銭まで下落し、今回のドル上昇局面では最も値幅を伴う下げに。
  • ギリシャ問題の合意が近いとの報道から、ユーロが買い戻される。ユーロドルは1.10台前半から1.12に迫るレベルまで上昇。ユーロ円も、今年1月14日以来となる138円台後半に。
  • 株式市場はギリシャ問題への懸念が払拭できず反落。ダウは28ドル下げ、1万8000ドル台をかろうじて維持。
  • 債券市場は続落。欧州債が売られ、金利が上昇した影響を受け売りものが優勢な展開だった。長期金利は2.26%台まで上昇。
  • 金は反発。原油も1ドルを超える上昇で61ドル台を回復。
    ドル/円 123.75 〜 124.77
    ユーロ/ドル 1.1024 〜 1.1195
    ユーロ/円 137.41 〜 138.88
    NYダウ −28.43 → 18,011.94ドル
    GOLD +5.70 → 1,194.40ドル
    WTI +1.06 → 61.26ドル
    米10年国債 +0.082 → 2.264%

    本日の注目イベント

    • 豪   豪1−3月期GDP
    • 中   中国 5月HSBCサービス業PMI(速報値)
    • 欧   ECB金融政策発表
    • 欧   ドラギ・ECB総裁記者会見
    • 欧   ユーロ圏4月失業率
    • 欧   ユーロ圏4月小売売上高
    • 欧   OECD、世界経済見通し公表
    • 米   ベージュブック(地区連銀経済報告)
    • 米   5月ADP雇用者数
    • 米   4月貿易収支
    • 米   5月ISM非製造業景況指数
    • 米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演

    ドル円は昨日の東京時間に一瞬125円台に乗せましたが、そこを頂点に下落に転じ、NYでは123円75銭まで利益確定のドル売りに押されました。昨日は、どちらかと言えば、ユーロドルの動きに引っ張られた感じもしますが、125円を記録した後の動きは、実はよく思い起こせば以前見た光景に似ています。

    125円05銭は、昨日の東京時間の昼休みに付けましたが非常に短い時間で、直ぐに124円台に押し戻されました。ドル高の流れから「自然に」125台に乗せたものではない印象で、無理やり付けに行ったという感じです。

    3月10日も同じような動きがありました。昨年12月に記録した121円86銭の高値を更新する動きから、一瞬122円04銭までドル高が進み、その後急速に押し戻されました。この後ドル円は約2ヶ月半もの間、高値を更新できずにもみ合いが続いたことはご承知の通りです。

    昨日の動きがこの時と同じように、しばらく調整が続く「前ぶれ」なのかどうかは現時点では分かりませんが、状況はよく似ています。それは、125円までドルを買うことを正当化できなかったと思われ、市場のセンチメントがドル高の最大の理由だったように思えるからです。ただここ2日間では、ようやく米長期金利も上昇に向かい。仮にギリシャ問題が合意に達すれば、リスクオフから、円売りが優勢になるようなシナリオを描きやすい状況にはなって来ました。

    ギリシャ問題も、昨日は「合意が近い」という報道に、ユーロを買い戻す動きが活発になりましたが、今朝のニュースを読む限り、まだ楽観は禁物のようです。ギリシャ政府は2日、新たな独自案を債権国側に提出し、債権国側もギリシャのデフォルトを避けるため、ギリシャが示す最終案に合意したと関係者が述べているようですが、ユーロ圏財務相会合の議長(オランダ財務相)は、「経済条件を満たさない限り、合意はない。われわれが妥協すると考えるのは間違いだ」とテレビ番組で語ってます。また、ドイツの与党有力議員は「ひどく混乱している」とも述べています。(ブルームバーグ)現時点では、債権国側は提案の取りまとめを完了し、3日にはチプラス・ギリシャ首相に直接伝えられる見通しのようです。この提案をギリシャ側が受け入れるのかどうかが、最後のヤマ場のように思えます。

    ドル円の上昇トレンド(日足)はまだ崩れていませんが、短期の1時間足では既に「MACD」がマイナス圏へと下落しています。目先は「120日線」のある124円前後がサポートで、その下は、昨日のNYの123円75銭前後、さらには、「200日線」のある、123円08銭前後が重要なサポートです。また、上値では「雲」の位置する124円30−50銭辺りがレジスタンスになろうかと思います。このままドル高傾向が継続するのか、あるいは一旦調整モードに入るのか、今週末の雇用統計がその「カギ」を握っています。本日の予想レンジは123円50銭〜124円50銭程度とします。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    4/1 山本幸三・衆議院議員 「追加緩和は(展望リポート)が公表になる、30日会合が良いタイミングだ」ロイター通信とのインタビューで。 市場はドル買い円売りで反応
    4/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「最近の経済データに見られる弱さは一時的なものである可能性が高い。6月の利上げ開始への支持は変わっていない」講演で。 ------
    4/13 浜田・内閣府参与 「購買力平価からすると120円はかなり円安。105円ぐらいが妥当」TV番組で。 ドル円120円台前半から119円68銭近辺まで下落。
    4/15 ドラギ・ECB総裁 「われわれが導入した金融政策措置が奏功していることを示す明確な証拠がある」理事会後の記者会見で。 ユーロが買われる。
    4/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「雇用やインフレに関する最近の統計に弱さが見られるのは、米国経済が利上げをする準備が整っていないことを意味する」講演で。 ------
    4/23 黒田・日銀総裁 「(追加緩和に関して)サプライズによって効果を出そうとは考えていない」参院財政金融委員会で。 ------
    4/24 山本幸三・衆議院議員 「(30日の決定会合を控えて)日銀が何もしないという話はちょっとあり得ない」ブルームバーグとのインタビューで。 ------
    5/12 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「今の段階で今後の金融政策の方向性を決定する必要はない。データを注視し、様子を見ている」講演で。 ------
    5/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「私の経済見通しやリスクのバランスの評価からは、来年の早い時期まで利上げ開始に十分な自信が持てるようにはなれないというのが現在の認識だ」講演で。 ------
    5/22 イエレン・FRB議長 「想定通りに景気の回復が続いた場合は、年内いずれかの時点でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上の最初の措置を講じることが適切になるだろう」講演で。 ドル円、ユーロドルともに ドル高が進行。
    5/28 麻生・財務大臣 「足元の円安方向に、この数日間を見れば荒い動きがある」G7に参加する途中で。 ドル円124円台半ばから123円台半ばまで急落。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和