今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年6月5日(金)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は前日とほぼ同じ値動きを見せ、一旦売られた後上昇。欧州時間の朝方には123円80銭割れまで下落したが、NYでは124円台半ばを超える場面も。今夜の雇用統計を見据えて、強弱入り混じる。
  • ユーロドルは欧州債の金利上昇に一服感がでたことで、ユーロ売りが再燃。1.12台前半から1.11台前半までドルが買われる。
  • 株式市場は反落。ギリシャ問題が意識されたことや、雇用統計を前に売りが優勢な展開となり、ダウは170ドル安。約1ヶ月ぶりに1万8000ドルの大台を割り込む。
  • 債券相場は欧州債が買われたことで上昇したが、その後上げ幅を縮小。長期金利は2.30%台まで小幅に低下。
  • 金は続落。原油もOPEC総会を控え、生産枠に変更はないとの見方から大幅に続落。

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    新規失業保険申請件数 → 27.6万人
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    ドル/円 124.05 〜 124.68
    ユーロ/ドル 1.1131 〜 1.1222
    ユーロ/円 139.63 〜 141.05
    NYダウ −170.69 → 17,905.58ドル
    GOLD −9.70 → 1,175.20ドル
    WTI −1.64 → 58.00ドル
    米10年国債 −0.056 → 2.308%

    本日の注目イベント

    • 日   10月マネタリーベース
    • 日   4月景気動向指数
    • 欧   OPEC総会(ウイーン)
    • 欧   ユーロ圏1−3月期GDP(改定値)
    • 米   5月雇用統計
    • 米   4月消費者信用残高
    • 米   ダドリー・NY連銀総裁講演
    • 加   カナダ5月失業率

    ドル円は前の日とほぼ同じ動きを見せ、124円台を割り込むと買いが入る一方、124円台半ばを超えると、ドル売り意欲も強く、125円台に乗せるにはもう少しインパクトのある材料が必要な感じがします。今夜の雇用統計が市場予想を大きく上回るなどの「ドル支援材料」があれば、再び125円台を見せる可能性はあります。

    長期金利が高止まりしていることも併せて、センチメントは依然としてドル高方向に傾いていると見られますが、昨日IMFは米経済成長予想を引き下げ、FOMCは初回利上げを2016年前半まで先送りすべきだとの認識を示しています。現時点では今年9月での利上げが最も有力と見られていますが、これが半年ほど先送りになるとすれば、為替にも影響が及ぶことは必至です。市場ではこのニュースに今のところ反応していませんが、今後成長鈍化を示す経済指標が出てくるようだと「IMFの提言」も徐々に意識されるようになるかもしれません。その場合、株価が上昇し、ドルが売られる展開予想されます。

    NYダウは約1ヶ月ぶりに1万8000ドルの大台を割り込んできました。利上げが意識され始めてから、最高値を更新した5月19日には4日続伸がありましたが、その時を除くと、ほぼ上げ下げを繰り返しているだけです。NYダウは昨年末が1万7828ドルで、昨日の引けとほとんど変わっていません。今年前半では、ほとんど上昇できず、もみ合いが続いていることを物語っています。

    一方日経平均株価の方は、昨年末が1万7450円でしたので、昨日の引け値と比べても3000円(約17.2%)値上がりしていることになります。公的資金や、出遅れ、あるいは企業業績など、株価の上昇を説明する言葉に困りません。ドル円がドル高円安傾向を維持出来ている一因とも言えます。今後、米利上げがより確かなものになり、NY株価の大幅下落につながるようだと、ドル円も思わぬ円高方向に振れることも考えられます。その可能性は非常に低いとは思いますが、楽観論が広がるとするとその先には思わぬ落とし穴があるかもしれません。

    5月の雇用統計が発表されます。予想は22万人程度と、失業率は5.4%となっています。失業保険申請件数が順調に改善していることから、20万人は維持でき、どちらかと言えば上振れの可能性の方が高いと個人的には予想していますが、開けてみなければ分かりません。125円台定着を目指すのか、あるいは125円05銭が当面の上値になるのか、今後の相場展開にとっては重要な指標です。本日のレンジはややワイドに、123円50銭〜125円30銭程度を予想します。

    日本の長期金利が0.5%まで上昇しました。欧米の長期金利が上昇していることや、日銀による異次元の緩和政策の影響だと見らていますが、日本の長期金利は1998年あたりから2%を超えたことはありません。たかが0.5%と見るのか、0.5%もと見るのか、見方は分かれますが、デフレからの脱却を目指す日銀にとっては「追い風」になるのか、答えはまだわかりません。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    4/1 山本幸三・衆議院議員 「追加緩和は(展望リポート)が公表になる、30日会合が良いタイミングだ」ロイター通信とのインタビューで。 市場はドル買い円売りで反応
    4/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「最近の経済データに見られる弱さは一時的なものである可能性が高い。6月の利上げ開始への支持は変わっていない」講演で。 ------
    4/13 浜田・内閣府参与 「購買力平価からすると120円はかなり円安。105円ぐらいが妥当」TV番組で。 ドル円120円台前半から119円68銭近辺まで下落。
    4/15 ドラギ・ECB総裁 「われわれが導入した金融政策措置が奏功していることを示す明確な証拠がある」理事会後の記者会見で。 ユーロが買われる。
    4/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「雇用やインフレに関する最近の統計に弱さが見られるのは、米国経済が利上げをする準備が整っていないことを意味する」講演で。 ------
    4/23 黒田・日銀総裁 「(追加緩和に関して)サプライズによって効果を出そうとは考えていない」参院財政金融委員会で。 ------
    4/24 山本幸三・衆議院議員 「(30日の決定会合を控えて)日銀が何もしないという話はちょっとあり得ない」ブルームバーグとのインタビューで。 ------
    5/12 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「今の段階で今後の金融政策の方向性を決定する必要はない。データを注視し、様子を見ている」講演で。 ------
    5/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「私の経済見通しやリスクのバランスの評価からは、来年の早い時期まで利上げ開始に十分な自信が持てるようにはなれないというのが現在の認識だ」講演で。 ------
    5/22 イエレン・FRB議長 「想定通りに景気の回復が続いた場合は、年内いずれかの時点でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上の最初の措置を講じることが適切になるだろう」講演で。 ドル円、ユーロドルともに ドル高が進行。
    5/28 麻生・財務大臣 「足元の円安方向に、この数日間を見れば荒い動きがある」G7に参加する途中で。 ドル円124円台半ばから123円台半ばまで急落。
    6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和