今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年6月10日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は日本株を含むアジア株の下落で上値の重い展開。欧州時間には124円を割り込み、123円80銭台までドル売りが進んだが、NYでは米長期金利の上昇などから124円台前半で推移。
  • ユーロドルは方向感がない中、ギリシャ問題の進展具合を探る展開。1.12台で推移し、ギリシャからの提案も債権国側には受け入れられず。
  • 株式市場は前日と変わらずほぼ横ばい。ダウは2ドル下落し4日続落だったが、S&P500は僅かにプラスで引ける。
  • 債券相場は反落。3年債入札が低調だったことや、利上げ観測の広がりから売られ、長期金利は2.44%台まで上昇。
  • 金は続伸。原油価格も2ドル上昇し、60ドル台を回復。
    ドル/円 124.02 〜 124.44
    ユーロ/ドル 1.1214 〜 1.1291
    ユーロ/円 139.38 〜 140.42
    NYダウ −2.51 → 17,764.04ドル
    GOLD +4.00 → 1,177.60ドル
    WTI +2.00 → 60.14ドル
    米10年国債 +0.044→ 2.438%

    本日の注目イベント

    • 英   英4月鉱工業生産
    • 米   5月財政収支

    昨日はドル円の上値が重い展開でした。日本株は前日比360円も下げ、その他のアジア株も下げたことで、欧州市場では124円を割り込み123円86銭までドルが売られました。先週末の雇用統計後に記録した125円86銭から、丁度2円下落したことになります。NY市場では123円台を観ることが出来ず、124円台での推移に終始しましたが、今日の東京時間で昨日と同じように株価が下落傾向を見せ、2万円の大台を大きく割りこむようだと再び124円割れがあるかもしれません。市場のセンチメントは少なくとも先週とは異なり、上値の重さを意識する雰囲気です。

    今日は材料的にもインパクトのあるものはないため、やはり株価を睨んでの展開になりそうです。特に、NYの株価が気になります。昨日の動きを見るとやや下げ止まり感も出てきたような気もしますが、NYダウは小幅ですが4日続落。S&P500が小幅ながらプラスで終わったことで、やや期待も持てますが、ここから大幅な下げを見せるようだと、日本株も影響を受けないわけには行きません。株安、ドル安の連鎖が起きる可能性もあります。

    それでも、ドルがここから大きく下げる可能性は低いと予想しています。米長期金利がじわじわと上昇傾向を示しているからです。年内の利上げは確実との見方が広がっていることで、債券には下落圧力が掛かっています。米金利が上昇傾向を見せている限り、ドル大幅下落のリスクは小さいと思われます。NY株式市場もいずれは利上げを織り込み、景気拡大というプラス材料として受け入れることも考えられます。

    ギリシャの支援問題が膠着状態から進展しません。ギリシャ政府は9日修正案を提出しましたが、この内容が従来に比べ後退したとして受け入れられませんでした。これにより、現行の救済プログラムが終了する30日より前に合意できる可能性はますます遠のいたようです。それでも欧州委員会でユーロ問題を担当する副委員長は「今後数日に合意に達するのは不可能ではない」とブルームバーグは伝えています。

    本日10日には、ドイツのメルケル首相と、フランスのオランド大統領がブリッセルで開く国際会議の場でギリシャのチプラス首相と会談することになっているようで、トップ会談で合意できるかどうかの可能性を探る話し合いになりそうです。

    上でも述べたように、本日は株価の動きが最もインパクトのある材料になりそうです。予想レンジは123円70銭〜124円80銭程度と見ます。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    4/1 山本幸三・衆議院議員 「追加緩和は(展望リポート)が公表になる、30日会合が良いタイミングだ」ロイター通信とのインタビューで。 市場はドル買い円売りで反応
    4/10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「最近の経済データに見られる弱さは一時的なものである可能性が高い。6月の利上げ開始への支持は変わっていない」講演で。 ------
    4/13 浜田・内閣府参与 「購買力平価からすると120円はかなり円安。105円ぐらいが妥当」TV番組で。 ドル円120円台前半から119円68銭近辺まで下落。
    4/15 ドラギ・ECB総裁 「われわれが導入した金融政策措置が奏功していることを示す明確な証拠がある」理事会後の記者会見で。 ユーロが買われる。
    4/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「雇用やインフレに関する最近の統計に弱さが見られるのは、米国経済が利上げをする準備が整っていないことを意味する」講演で。 ------
    4/23 黒田・日銀総裁 「(追加緩和に関して)サプライズによって効果を出そうとは考えていない」参院財政金融委員会で。 ------
    4/24 山本幸三・衆議院議員 「(30日の決定会合を控えて)日銀が何もしないという話はちょっとあり得ない」ブルームバーグとのインタビューで。 ------
    5/12 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「今の段階で今後の金融政策の方向性を決定する必要はない。データを注視し、様子を見ている」講演で。 ------
    5/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「私の経済見通しやリスクのバランスの評価からは、来年の早い時期まで利上げ開始に十分な自信が持てるようにはなれないというのが現在の認識だ」講演で。 ------
    5/22 イエレン・FRB議長 「想定通りに景気の回復が続いた場合は、年内いずれかの時点でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上の最初の措置を講じることが適切になるだろう」講演で。 ドル円、ユーロドルともに ドル高が進行。
    5/28 麻生・財務大臣 「足元の円安方向に、この数日間を見れば荒い動きがある」G7に参加する途中で。 ドル円124円台半ばから123円台半ばまで急落。
    6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和