2015年6月18日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はFOMCで、利上げ観測が強まるとの見方から上昇し、124円46銭までドル高が進んだ。FOMC声明分では長期的な金利見通しが引き下げられたことから一転してドルが下落。123円台前半までドルが売られ、上昇分を吐き出す結果に。
- ユーロドルでもFOMC声明文発表後はドル売りが優勢となり、1.1358までドル安が進む。
- 株式市場は続伸。当局が緩やかなペースで利上げを行うとの見方が株価を押し上げた。ダウは31ドル上昇し、ナスダックも9ポイント続伸
- 債券相場は2年債が上昇したものの、10年債はやや売られ、長期金利は小幅に上昇。
- 金は続落し、原油はほぼ変わらず。
ドル/円 123.21 〜 124.46 ユーロ/ドル 1.1206 〜 1.1358 ユーロ/円 139.40 〜 140.00 NYダウ +31.26 → 17,935.74ドル GOLD −4.10 → 1,176.80ドル WTI −0.05 → 59.92ドル 米10年国債 +0.009 → 2.320% 本日の注目イベント
- 英 英5月小売売上高
- 米 5月消費者物価指数
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 5月景気先行指標総合指数
- 米 6月フィラデルフィア連銀景況指数
ドル円はFOMC声明文発表に向けじりじりと買われ、一時は124円46銭と、先週の「黒田ショック」以前の水準近くまで値を戻しました。124円台半ばは6日ぶりのことで、FOMCでの9月利上げに向けたメッセージを期待したドル買いが優勢でした。
しかし日本時間今朝3時の声明文では、年内利上げの姿勢を維持しながらも、その後の引き上げペースは前回予測よりも緩やかになるとの見通しを示したことで、一転してドルが売られ、株式市場がこれに反応してプラスで終わっています。
イエレン議長はFOMC後の記者会見で「4月に開催された前回会合以来、雇用増加のペースは上向き、労働市場の伸びは一段と改善した」と発言しています。FOMCメンバーが示した2015年末の政策金利の予想は「0.625%」への上昇で維持されたが、2016年末の予測は「1.625%」と、3月時点での予測「1.875%」から引き下げられました。前回3月の時点では、1回の利上げあるいは据え置きを予想していたメンバーは3人でしたが、今回は7人いたことで、初回利上げが実施された後も、利上げのペースが緩やかになるとの見通しが強まっています。
インフレ率についても、イエレン議長は「かなりの期間にわたり」低水準で推移する(ブルームバーグ)との見方を示し、エネルギー価格とドルは安定しているとの認識を示しました。結局今回のFOMC声明文は、予想よりも「ハト派的」だったとし、ドルが売られ、株価が上昇しましたが、利上げのタイミングについては、これまで通り今後の経済指標次第との姿勢は変わっていません。個人的には依然として9月の利上げの可能性が高いと予想していますが、労働市場の下振れや個人消費の落ち込み、あるいはギリシャ情勢の悪化など、状況の著しい変化があれば、利上げが来年にずれ込むこともないとは言えません。FRBとすればこれまでと同様に、「金融政策正常化へのステップを踏み出しておきたい」という姿勢は維持していると思われます。
ドル円は一時124円台半ばまで上昇したものの、再び元の位置に戻っています。123円台での取引が続くものの、下値は底堅い印象もあります。ただそれでもギリシャ情勢が緊迫度を増し、株式市場でもその影響から上値が重い展開が続いていることから、直ぐに125円台を回復する地合いでもありません。
ギリシャに関する今朝の情報を読むと、チプラス首相は、債権者側が要求する救済条件について、受け入れられないものであれば拒否し、その責任を負う用意があると表明しています。またこの発言を深刻に受けとめ、欧州ではオランダやポルトガル、ドイツの当局者らが協議の決裂に備えていることを明らかにしたと、ブルームバーグは報じています。
FOMCはそれ程混乱もなく終えましが、今度はギリシャ情勢に目が移ります。今夜からユーロ圏財務相会合が開かれ、ここで合意に向けて協議されることになりますが、上述のように合意への道のりは厳しいと見られます。予想レンジは123円〜124円程度を予想します。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 5/12 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「今の段階で今後の金融政策の方向性を決定する必要はない。データを注視し、様子を見ている」講演で。 ------ 5/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「私の経済見通しやリスクのバランスの評価からは、来年の早い時期まで利上げ開始に十分な自信が持てるようにはなれないというのが現在の認識だ」講演で。 ------ 5/22 イエレン・FRB議長 「想定通りに景気の回復が続いた場合は、年内いずれかの時点でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上の最初の措置を講じることが適切になるだろう」講演で。 ドル円、ユーロドルともに ドル高が進行。 5/28 麻生・財務大臣 「足元の円安方向に、この数日間を見れば荒い動きがある」G7に参加する途中で。 ドル円124円台半ばから123円台半ばまで急落。 6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。 6/10 黒田・日銀総裁 実行為替レートについて、「ここからさらに円安はありそうにない」衆院財務金融委員会で。 ドル円、124円70銭から122円50銭近辺まで急落 6/16 チプラス・ギリシャ首相 「苦境に陥れた犯罪の責任者はIMFにある」「ECBは金融で窒息させる戦術とてっている」自国の議員に。 ------ 6/16 メルケル・ドイツ首相 「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャをユーロ圏にとどめるためできることは全てしたい」講演で。 ------



