今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年7月1日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ギリシャの返済が不可能になる中、ドル円は欧州時間とNY時間に122円を割り込む場面もあったが、いずれも122円台に押し戻される。今朝の時点で期限内の返済はなくなり、5日の国民投票の結果に焦点が移る。
  • ユーロドルは前日同様、不透明感が漂う中1.11台から1.12台でもみ合う。
  • 株式市場は前日大幅に下げた反動もあり小幅に反発。ダウは23ドル上昇し、その他指標も揃って反発。
  • ギリシャの先行きが不透明感を増し、債券相場は小幅に反落。長期金利は2.35%台にやや上昇。
  • 金は反発し、原油価格は5日ぶりに反発。

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    4月ケースシラー住宅価格指数 → 4.91%
    6月シカゴ購買部協会景気指数 →  49.4
    6月消費者信頼感指数      → 101.4
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    ドル/円 121.98 〜 122.61
    ユーロ/ドル 1.1110 〜 1.1245
    ユーロ/円 135.98 〜 137.53
    NYダウ +23.16 → 17,619.51ドル
    GOLD −7.20 → 1,171.80ドル
    WTI +1.14 → 59.47ドル
    米10年国債 +0.033 → 2.359%

    本日の注目イベント

    • 豪   豪5月住宅建設許可件数
    • 日   6月日銀短観
    • 中   中国 6月非製造業PMI
    • 中   中国 6月製造業PMI
    • 中   中国 6月HSBC製造業PMI(改定値)
    • 欧   ユーロ圏6月製造業PMI(改定値)
    • 英   英6月製造業PMI
    • 米   6月ADP雇用者数
    • 米   6月ISM製造業景況指数

    ギリシャの返済期限が迫る中、日本時間今朝7時が最終期限となり、この時間を過ぎたことでIMFのスポークスマンは「IMFは今日ギリシャ当局から30日期限の債務支払いの延期の要請を受け取ったことを確認する。要請は理事会で検討される」と声明を発表しました。この結果、ギリシャは現在IMFに対して「債務延滞」という状況です。

    チプラス政権は、債権国側に新たな支援要請を行ったようですが、ユーロ圏財務相側はこれを受け入れかったことで、ギリシャの債務不履行が決まっています。格付け会社はこれを「デフォルト」とはしないようですが、今後は円建債権(サムライ債)の期限も今月には控えており、この返済ができないようだと「デフォルト」と認定しそうな状況です。

    これで次の焦点は5日の国民投票の結果ということになります。直近の調査では「緊縮財政賛成」が「反対」を上回っているようですが、その差は僅かで、今後の成り行き次第ではどうころぶか分かりません。仮に「賛成」が過半数を取るようなら、チプラス政権は崩壊し、再度債権国側と話し合われる可能性もあるようですが、「反対」が勝った場合には、ギリシャがユーロ圏を離脱する可能性が現実的となりそうです。メルケル独首相は7月5日に予定されているギリシャの国民投票前に同国政府と協議しても「まったく、空虚な交渉になる」と述べています。(ブルームバーグ)

    ドル円は昨日の欧州時間に121円94銭までドル売りが進み、約1ヶ月ぶりの円高水準を記録しましたが直ぐに122円台へ押し戻されています。またNYでも同様に122円を割りこむ場面がありましたが、こちらも122円台へと戻っています。122円割れではある程度のドル買い需要もあるようですが、「底堅い」というより、打診買いの域を出ていないように思います。

    昨日は日米で株価が小幅に反発し、やや落ち着きを取り戻したようですが、債務不履行が決まって、果たして今日の株価はどのような反応をみせるのか注目されます。ある程度予想されていたことから、「目先の悪材料出尽くし」と取れないこともありませんが、「混迷はこれから」という見方があることも事実です。同時にこの影響が、南欧諸国に波及しないかどうかも見ていかなければなりません。

    4日後に国民投票を控えているだけに、事態は依然として不透明です。ギリシャ問題がギリシャ一国に留まってくれれば、市場は落ち着きを取り戻し、再び米利上げのタイミングを探る展開に戻ると予想されます。FRBのフィッシャー副議長は昨日も、労働市場やインフレ率が上向けば利上げに踏み切ると、講演で述べています。明日の6月の雇用統計が再び注目を集めます。本日の予想レンジは121円90銭〜122円90銭程度とします。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    5/12 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「今の段階で今後の金融政策の方向性を決定する必要はない。データを注視し、様子を見ている」講演で。 ------
    5/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「私の経済見通しやリスクのバランスの評価からは、来年の早い時期まで利上げ開始に十分な自信が持てるようにはなれないというのが現在の認識だ」講演で。 ------
    5/22 イエレン・FRB議長 「想定通りに景気の回復が続いた場合は、年内いずれかの時点でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上の最初の措置を講じることが適切になるだろう」講演で。 ドル円、ユーロドルともに ドル高が進行。
    5/28 麻生・財務大臣 「足元の円安方向に、この数日間を見れば荒い動きがある」G7に参加する途中で。 ドル円124円台半ばから123円台半ばまで急落。
    6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。
    6/10 黒田・日銀総裁 実行為替レートについて、「ここからさらに円安はありそうにない」衆院財務金融委員会で。 ドル円、124円70銭から122円50銭近辺まで急落
    6/16 チプラス・ギリシャ首相 「苦境に陥れた犯罪の責任者はIMFにある」「ECBは金融で窒息させる戦術とてっている」自国の議員に。 ------
    6/16 メルケル・ドイツ首相 「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャをユーロ圏にとどめるためできることは全てしたい」講演で。 ------
    6/18 シェリング・オーストリア財務相 「ゲームは終わった」ユーロ圏財務相会合前に記者団に。 ------
    6/23 パウエル・FRB理事 「米国の景気が十分回復して月に初回利上げを決定できる確率はだいたい半々だ」講演で。 ドル円123円台後半から124円台に
    6/28 ダドリー・NY連銀総裁 「今後も経済指標が最近にように改善を続けるならば、9月の利上げは十分可能性がある」講演で。 ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和