今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年7月2日(木)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は落ち着きを取り戻し徐々にドル高に。NYではADP雇用統計など、経済指標が予想を上回ったことが長期金利の上昇につながり、123円24銭までドルが買われる。
  • ユーロドルは5日のギリシャの国民投票まで債権国側との交渉がないことからやや軟調な展開。1.10台半ばまでユーロ安が進んだが勢いはなく、ドル高の影響による展開。
  • 株式市場は続伸。ADP雇用者数が予想を上回ったことで今夜の雇用統計への期待も高まりダウは138ドル高。
  • ISM製造業景況指数が5ヶ月ぶりの高水準だったことで債券は売られ、金利が上昇。長期金利は2.42%台まで上昇したが、レンジ内の動きが続く。
  • 金と原油は続落。

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    6月ADP雇用者数    → 23.7万人
    6月ISM製造業景況指数 → 53.5
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    ドル/円 122.90 〜 123.24
    ユーロ/ドル 1.1043 〜 1.1111
    ユーロ/円 136.03 〜 136.65
    NYダウ +138.40 → 17,757.91ドル
    GOLD −2.50 → 1,169.30ドル
    WTI −2.51 → 56.96ドル
    米10年国債 +0.066 → 2.425%

    本日の注目イベント

    • 欧   ユーロ圏5月生産者物価指数
    • 欧   ECB議事要旨
    • 米   6月雇用統計
    • 米   新規失業保険申請件数

    ギリシャの実質的なデフォルトが決まり、5日に行われる国民投票に注目が移ることになりますが、市場は徐々に落ち着きを取り戻して来ているようです。昨日は日経平均株価が続伸し、NYダウも138ドル高と大幅に続伸。恐怖指数と言われる「VIX指数」も落ち着きを取り戻しています。ドル円も123円台を回復し、NYではほぼ高値圏で引けており、今日の東京でも上値を試す展開が予想されます。

    今夜は6月の雇用統計が発表されます。通常は金曜日に発表される同指標ですが、明日の金曜日が独立記念日の振替休日にあたるため今夜発表されることになっています。ギリシャ情勢に振り回されたここ2週間でしたが、今夜だけは通常通り、米国の経済指標が最大の注目イベントになります。

    市場予想の中心値は「22.5万人」ですが、昨日のADP雇用者数が上振れしていたことで、期待も高まっており、一部には27万人以上を予想するところもあるようです。先月も市場予想の22万人に対して28万人だったことで、ドル円が125円86銭まで上昇し、まさか、ここが目先の高値になるとは誰も予想できなかったはずです。今回は仮に上振れても、125円台ではしっかりとドルを売る動きも出てくるのではないかと予想しています。

    現時点では125円台が目先の天井になるのではないかという見方もあります。黒田総裁が6月10日に「ここからさらに円安はありそうにない」と述べていた水準です。その後総裁はこの発言の真意を釈明していましたが、これ以降ドルの上値が重くなったのも事実です。それでも、雇用統計の上振れを根拠にFRBが9月の利上げに踏み切るという「想定」でドルを買い進めるのかどうか、判断が試されるところです。

    個人的にはギリシャ問題はひとまず横に置いておきたいところですが、チプラス首相は国民投票で緊縮策を拒否するよう有権者に呼びかけているようです。国民投票で緊縮策に反対の人数が多ければ多いほど、債権国側に圧力をかけ、より有利な条件を引き出せると訴えているようです。これに対してメルケル独首相は、国民投票の前にギリシャと交渉することはないと、議会で述べています。チプラス政権の常套手段である、「債権国側の足元を見る戦略」がいつまで通用するのか、来週には判明するはずです。

    本日も日経平均株価は続伸しそうな気配です。ドル円も上値を試すと見ていますが、「4時間足」のチャートでは「雲の下限」が123円45銭辺りにあるため、目先はここが意識されます。123円台半ばをしっかりと上抜けできれば、123円台後半も望めるかもしれません。予想レンジは雇用統計があることも考慮して、122円50銭〜124円程度を予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    5/12 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「今の段階で今後の金融政策の方向性を決定する必要はない。データを注視し、様子を見ている」講演で。 ------
    5/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「私の経済見通しやリスクのバランスの評価からは、来年の早い時期まで利上げ開始に十分な自信が持てるようにはなれないというのが現在の認識だ」講演で。 ------
    5/22 イエレン・FRB議長 「想定通りに景気の回復が続いた場合は、年内いずれかの時点でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上の最初の措置を講じることが適切になるだろう」講演で。 ドル円、ユーロドルともに ドル高が進行。
    5/28 麻生・財務大臣 「足元の円安方向に、この数日間を見れば荒い動きがある」G7に参加する途中で。 ドル円124円台半ばから123円台半ばまで急落。
    6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。
    6/10 黒田・日銀総裁 実行為替レートについて、「ここからさらに円安はありそうにない」衆院財務金融委員会で。 ドル円、124円70銭から122円50銭近辺まで急落
    6/16 チプラス・ギリシャ首相 「苦境に陥れた犯罪の責任者はIMFにある」「ECBは金融で窒息させる戦術とてっている」自国の議員に。 ------
    6/16 メルケル・ドイツ首相 「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャをユーロ圏にとどめるためできることは全てしたい」講演で。 ------
    6/18 シェリング・オーストリア財務相 「ゲームは終わった」ユーロ圏財務相会合前に記者団に。 ------
    6/23 パウエル・FRB理事 「米国の景気が十分回復して月に初回利上げを決定できる確率はだいたい半々だ」講演で。 ドル円123円台後半から124円台に
    6/28 ダドリー・NY連銀総裁 「今後も経済指標が最近にように改善を続けるならば、9月の利上げは十分可能性がある」講演で。 ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和