今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年7月3日(金)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は雇用統計の結果に反応し123円を割る場面も。雇用者数は予想を若干下回る程度だったが、賃金と労働参加率が低下していたことでドル売りが優勢に。ただその後はギリシャの国民投票を意識し、もみ合う展開に。
  • ユーロドルも雇用統計が大きな波乱にならず、国民投票を控え1.10台半ばから1.12でもみ合う。
  • 株式市場朝方は買い優勢だったものの、ギリシャの国民投票への警戒感から上げ幅を縮小。結局ダウは前日比27ドル反落して取り引きを終える。
  • 債券相場は反発。雇用統計を受けて利上げ観測が後ずれし、長期金利は2.38%台へ低下。
  • 金、原油は続落。

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    6月失業率       → 5.3%
    6月非農業部門雇用者数 → 22.3万人
    新規失業保険申請件数  → 28.1万件
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    ドル/円 122.96 〜 123.75
    ユーロ/ドル 1.1051 〜 1.1122
    ユーロ/円 136.38 〜 136.85
    NYダウ −27.80 → 17,730.11ドル
    GOLD −5.80 → 1,163.50ドル
    WTI −0.03 → 56.93ドル
    米10年国債 −0.040 → 2.385%

    本日の注目イベント

    • 豪   豪5月小売売上高
    • 中   中国 6月HSBC製造業PMI(速報値
    • 欧   ユーロ圏5月小売売上高
    • 米   NY市場休場(独立記念日の振替休日)

    6月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は市場予想の「22.5万人」に対して「22.3万人」とほぼ予想に近い数字でした。ただ、発表直後ドル円は80銭ほど下落し、一時123円を割り込む場面もありましが、その後はもみ合いに終始し、方向感が出ない展開でした。

    失業率が「5.3%」と改善していたのも、労働参加率が低下したとの見方がもっぱらで、5月と4月の雇用者数が下方修正されたことと、平均時給が前月比ゼロで、伸びていなかったことで市場はドル売りで反応したものと思われます。5月の雇用者数は「28万人」から「25.4万人」に、4月のそれは「22.1万人」から 「18.7万人」に、それぞれ下方修正されたことが、利上げ観測を後退させ、ドル売り、債券高につながったようです。

    結局全体的に見れば、それほど悲観する内容ではなかったものの、何か後味の悪い印象が残ります。加えて、今度の日曜日にはギリシャの国民投票が控えていることも、リスクを取りにくくしています。最新の世論調査は緊縮財政に反対と賛成が拮抗していると伝えており、どちらにころぶか予想しにくい状況のようです。チプラス首相は有権者に反対票を投じるよう求めているのに対して、ギリシャ以外のユーロ諸国は投票で明確に緊縮財政賛成という意思表示がされれば、ギリシャは改革の道筋に戻り得ると訴えています。(ブルームバーグ)

    混乱が続く中、ギリシャのバルファキス財務相はブルームバーグとのテレビインタビューで「われわれはどうしてもユーロ圏にとどまりたいと考えている」と述べ、「5日の投票でわれわれは勝利するだろう」と明言しています。緊縮財政に対して「イエス」という結果が出れば、チプラス政権の崩壊につながるものの、ユーロ圏側から支援を受けられる可能性が残ります。

    一方「ノー」という結果になれば、ユーロ圏、あるいはEUからの離脱の可能性が高まり、通貨「ドラクマ」の復活があるかもしれませんが、相当なコストを払うことにもなります。ユーロからの離脱の可能性については、これまでにも何度か浮上しており、一時は既に通貨「新ドラクマ」発行のために輪転機が回っている、と言った噂が出た時もありました。いずれにしてもギリシャにとっても、ユーロ圏にとっても、まだ混乱は続きそうです。

    今週月曜日早朝に、ユーロなどは大きく窓を開けて取引が開始されました。国民投票の結果次第では、また同様なことが起こりうる可能性があります。資金とポジション管理には十分注意してください。本日の予想レンジは122円60銭〜123円70銭程度と考えます。

    日本プロ野球の有名選手がどんどんメジャーリーグに移籍することから、野球に興味がなくなってしまいましたが、先日テレビで、スイッチピッチャーが米大リーグのアスレチックスにいるというニュースを見ました。スイッチヒッターはたまに日本にもいますが、スイッチピッチャーとなると、そう簡単ではありません。二人が対戦したらどうなるのだろうと思ったら、ちゃんとルールがあるようです。先にピッチャーが右投げか左投げかを決めるそうです。なるほど、そうでなければ試合が始まらないですね。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    5/12 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「今の段階で今後の金融政策の方向性を決定する必要はない。データを注視し、様子を見ている」講演で。 ------
    5/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「私の経済見通しやリスクのバランスの評価からは、来年の早い時期まで利上げ開始に十分な自信が持てるようにはなれないというのが現在の認識だ」講演で。 ------
    5/22 イエレン・FRB議長 「想定通りに景気の回復が続いた場合は、年内いずれかの時点でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上の最初の措置を講じることが適切になるだろう」講演で。 ドル円、ユーロドルともに ドル高が進行。
    5/28 麻生・財務大臣 「足元の円安方向に、この数日間を見れば荒い動きがある」G7に参加する途中で。 ドル円124円台半ばから123円台半ばまで急落。
    6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。
    6/10 黒田・日銀総裁 実行為替レートについて、「ここからさらに円安はありそうにない」衆院財務金融委員会で。 ドル円、124円70銭から122円50銭近辺まで急落
    6/16 チプラス・ギリシャ首相 「苦境に陥れた犯罪の責任者はIMFにある」「ECBは金融で窒息させる戦術とてっている」自国の議員に。 ------
    6/16 メルケル・ドイツ首相 「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャをユーロ圏にとどめるためできることは全てしたい」講演で。 ------
    6/18 シェリング・オーストリア財務相 「ゲームは終わった」ユーロ圏財務相会合前に記者団に。 ------
    6/23 パウエル・FRB理事 「米国の景気が十分回復して月に初回利上げを決定できる確率はだいたい半々だ」講演で。 ドル円123円台後半から124円台に
    6/28 ダドリー・NY連銀総裁 「今後も経済指標が最近にように改善を続けるならば、9月の利上げは十分可能性がある」講演で。 ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和