今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年7月8日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はギリシャ情勢と中国株の不安定さが重しとなり、122円01銭までドル売りが進む。午後には株価が急速に値を戻したことで122円台半ばまで反発して引ける。
  • ユーロ圏財務相会合で新たな進展が見られなかったことからユーロドルは売られ、1.0916までユーロ安が進行。その後はユーロの買い戻しも見られたが、徐々に上値を切り下げる展開が定着か。
  • ギリシャ問題で進展が見られないことからダウは大きく値を下げ、一時は200ドルを超える下落。午後にはギリシャが新たな改革案を提示することを約束したとの報道に急速に値を戻し、ダウは93ドル高で取引を終える。
  • 債券相場は続伸。ギリシャ問題と中国株懸念から買い物を集める。長期金利は2.25%台まで低下。
  • 金は大幅に反落し1152ドル台に。原油は小幅ながら4日続落。

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    5月貿易収支 → 418.7億ドルの赤字
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    ドル/円 122.01 〜 122.65
    ユーロ/ドル 1.0916 〜 1.1053
    ユーロ/円 133.52 〜 135.43
    NYダウ +93.33 → 17,776.91ドル
    GOLD −20.60 → 1,152.60ドル
    WTI −0.20 → 52.33ドル
    米10年国債 −0.034 → 2.256%

    本日の注目イベント

    • 日   5月国際収支
    • 日   6月景気ウォッチャー調査
    • 米   FOMC議事録(6月16、17日分)
    • 米   5月消費者信用残高
    • 米   ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演

    毎朝のこのレポートも、連日ギリシャの話題一色です。今朝もそのギリシャから始まりますが、昨日はユーロ圏首脳会議に先立ち、財務相会合が行われました。この会議には新たにギリシャの財務大臣に任命されたチャカロトス新大臣がデビューしましたが、特段進展はなかったようです。この状況に、ドル円は122円近辺までドル売り円買いが進み、ユーロドルは1.09台前半までドル安が進み、この日は円が最強通貨で、次にドルが来て、ユーロが最も弱い通貨になっています。また株価も、NYダウは210ドルも下落し、ザラ場での今年の最安値を記録する場面もありました。

    その後、ギリシャは新たな改革案を提示することを約束したと伝えられていますが、メルケル独首相は数日中に合意しなければ時間切れになると警告しています。同首相は「われわれが選ぶ道筋は改革案なしではありえない」とも述べています。今後ギリシャがユーロ圏からの支援を引き出すには、納得できる改革案が不可欠ですが、チプラス首相は6割以上の緊縮策反対の声を後ろ盾に、どこまで債権国側に譲歩するのか不透明です。

    ブルームバーグに拠ると、1週間以上も休業が続いているギリシャの銀行は、ECBが緊急流動性支援(ELA)を増額しなければ、あと数日で資金が底をつき、預金者にも負担が及ぶ可能性があると伝えています。そんな中、ECB政策委員会のメンバーであるノボトニー・オーストリア中銀総裁は、ギリシャに対するつなぎ融資の検討はあり得るとの見方を示しています。同総裁は「ECBがつなぎとなるプログムを想定した一歩を踏み出せるかどうか、関連した議論はある」と延べ、「これが可能かどうかという点をまさしく議論する必要がある」と発言しています。

    ただ同時に、ギリシャが20日期限のECB向け35億ユーロの支払いを実行できない場合、ECBはELAを打ち切らざるを得ないだろうとも指摘し、「そうなれば事実上国家破綻、デフォルトになる」とし、「そのような状況では、ECBはもはや一段の流動性を提供する立場ではなくなる」と語っています。チプラス首相も今度は時間稼ぎさえできいない状況に追い込まれているとも言え、同時にユーロ圏に残るのか、あるいは離脱するのかギリギリの選択を迫られています。

    ギリシャ情勢に加え、中国株の動向も懸念材料として急浮上して来ました。そのため、ドル円も122円前後では底堅い動きを見せる一方、上値も徐々に重くなっています。またユーロドルも1.10水準ではショートの買い戻しなどが入り、底堅かったですが、昨日は1.0916までユーロ安が進み、テクニカル的には下値を探るパターンを形成しつつあります。1.09台半ばでもみ合うようだと、日足では約2ヵ月半ぶりに「雲を下抜け」することになるからです。

    本日も上記、ギリシャと上海株に注意しながら、レンジは122円ー123円を予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    5/12 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「今の段階で今後の金融政策の方向性を決定する必要はない。データを注視し、様子を見ている」講演で。 ------
    5/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「私の経済見通しやリスクのバランスの評価からは、来年の早い時期まで利上げ開始に十分な自信が持てるようにはなれないというのが現在の認識だ」講演で。 ------
    5/22 イエレン・FRB議長 「想定通りに景気の回復が続いた場合は、年内いずれかの時点でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上の最初の措置を講じることが適切になるだろう」講演で。 ドル円、ユーロドルともに ドル高が進行。
    5/28 麻生・財務大臣 「足元の円安方向に、この数日間を見れば荒い動きがある」G7に参加する途中で。 ドル円124円台半ばから123円台半ばまで急落。
    6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。
    6/10 黒田・日銀総裁 実行為替レートについて、「ここからさらに円安はありそうにない」衆院財務金融委員会で。 ドル円、124円70銭から122円50銭近辺まで急落
    6/16 チプラス・ギリシャ首相 「苦境に陥れた犯罪の責任者はIMFにある」「ECBは金融で窒息させる戦術とてっている」自国の議員に。 ------
    6/16 メルケル・ドイツ首相 「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャをユーロ圏にとどめるためできることは全てしたい」講演で。 ------
    6/18 シェリング・オーストリア財務相 「ゲームは終わった」ユーロ圏財務相会合前に記者団に。 ------
    6/23 パウエル・FRB理事 「米国の景気が十分回復して月に初回利上げを決定できる確率はだいたい半々だ」講演で。 ドル円123円台後半から124円台に
    6/28 ダドリー・NY連銀総裁 「今後も経済指標が最近にように改善を続けるならば、9月の利上げは十分可能性がある」講演で。 ------
    7/7 メルケル・ドイツ首相 「解決策を見出すのにわれわれに残された時間はわずか数日だ」ユーロ圏首脳会議後に。 ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和